「蓮根」はこの項目へ転送されています。地名については「蓮根 (板橋区)」をご覧ください。
れんこん(根茎、生)[1]
100 gあたりの栄養価
エネルギー276 kJ (66 kcal)
炭水化物15.5 g
食物繊維2.0 g
脂肪0.1 g
飽和脂肪酸0.01 g
一価不飽和0.01 g
多価不飽和0.02 g
タンパク質1.9 g
ビタミン
ビタミンA相当量β-カロテン(0%)3 μg
チアミン (B1)(9%) 0.10 mg
リボフラビン (B2)(1%) 0.01 mg
ナイアシン (B3)(3%) 0.4 mg
パントテン酸 (B5)(18%) 0.89 mg
ビタミンB6(7%) 0.09 mg
葉酸 (B9)(4%) 14 μg
ビタミンC(58%) 48 mg
ビタミンE(4%) 0.6 mg
ミネラル
ナトリウム(2%) 24 mg
カリウム(9%) 440 mg
カルシウム(2%) 20 mg
マグネシウム(5%) 16 mg
リン(11%) 74 mg
鉄分(4%) 0.5 mg
亜鉛(3%) 0.3 mg
銅(5%) 0.09 mg
セレン(1%) 1 μg
他の成分
水分81.5 g
水溶性食物繊維0.2 g
不溶性食物繊維1.8 g
ビオチン(B7)2.9 μg
ビタミンEはα─トコフェロールのみを示した[2]。
単位
μg = マイクログラム (英語版)
レンコン(蓮根、英: Lotus root)とは、食用に用いられるハスの地下茎[3]。食用となる地下茎部分を指すことが多いが、花などを含めた食用のハス自体を指すこともある[3]。「蓮根」ははすね、はすのねとも読み、蓮根とは別に藕根(ぐうこん)の呼称も存在する[3]。数え方は「1本、2本…」(助数詞も参照)。 単に「はす」ともいう[4]。漢字で「蓮根」と書かれるが、食用にする部分はハスの根ではなく肥大した地下茎である[5]。地下茎はいくつかの節に分かれており、節の長さは品種によって異なる。輪切りにすると断面には穴が複数空いているのが特徴で、穴の数は個体差はあるが大小十個程度であることが多い[6]。この穴には空気が少ない泥の中でのレンコン自身の呼吸を助ける役割もあり、葉柄も切断すると断面に複数の穴がある。日本では断面の穴は「先を見通す」ことに通じて縁起が良いとされ、正月のおせち料理や節句にもよく用いられる[7][3][8]。なお、「蓮根(はすね)掘る」は冬の季語である[3]。 食材としてのレンコンの主な旬は10月 - 3月、新レンコンについては6月 - 9月とされる[5]。地下茎1節が全体的にふっくらとしており、表面の皮に傷や凹みがなくてツヤがあるものが市場価値の高い良品とされる[5][7]。皮の部分が赤茶色になることもあるが、これは泥内にあったときの鉄分が付着したもので、味などには影響がない[5]。可食部(生からの廃棄率は20%)の約81%は水分で、残りは炭水化物が約16%、たんぱく質が約2%、灰分が約1%など[4]。可食部100gの熱量は74kcalで、糖質が多くエネルギーは高い[4]。カリウム、ビタミンC・ビタミンB1・B5等の水溶性ビタミン類、カルシウム、亜鉛、銅、粘り成分のムチレージ、抗酸化成分のタンニン、不溶性食物繊維などを含有する[5][7][4][9]。特にビタミンCの含有量が多く、レモン果汁に匹敵する[5]。レンコンに多く含まれるデンプン質がビタミンCを守り、加熱しても損失が少ないという特徴がある[5]。レンコンを切ったときに、切り口が黒ずむのはタンニン(ポリフェノールの一種)によるものである[4]。 加熱方法や切り方で食感が変化し、さまざまに風味が楽しまれる[5]。脂質や脂溶性ビタミン類はほとんど含有しないため、油を使用した調理法と相性が良いとされる。ポリフェノール系化合物による褐変を起こしやすい食材であり、調理時には変色を防ぐために酢水につけるなどの方法がとられる(フラボノイド色素が酸性では無色に変化する性質も利用している)[10]。調理法としては切ったものを調理するほか、すり下ろし、パウダー(粉)も食材として利用される[11]。夏場に出回る新レンコンは、色が白っぽっく、水分量が多くてサクサクした食感が特徴で、瑞々しい風味を楽しむため揚げ物、サラダ、和え物などに向いている[5]。
概要