このほか、インドで広く栽培される「ガルガル」、イタリアで主に栽培される「フェミネロ」、スペインで多く栽培される「ベルナ」など様々な品種が存在する[7]。
雑種
マイヤー(メイヤー)レモン中国で発見された、オレンジとレモンの自然交雑により誕生したといわれる品種[2]。ニュージーランドで多く栽培される[2]。栽培環境によっては果実の形状が丸みを帯び、完熟すると果皮の色がオレンジがかってくる。つまり、赤みを帯びた黄色になる。酸味がマイルドで香りがよいとされている[2]。
サイパンレモンマイヤーレモンの系統で「菊地レモン」「島レモン」とも呼ばれる。北マリアナ諸島のテニアン島から日本の八丈島に導入された品種。その後、小笠原諸島へも伝わっており、両地域では一般的なレモンである。果実は一般的なレモンよりやや大きく丸みを帯びている。
スイートレモネードオレンジとレモンの交配種として売られている。果実は丸みを帯び、一般的なレモンにある乳頭の突起がほとんどなく、酸味が弱く糖度が高いとされる。マイヤーレモンと同じ系統かどうかは情報量が少なく不明。
璃の香(りのか)リスボンレモンと日向夏の交雑種。農研機構により育成された新品種。2015年品種登録。果実は大果で果皮が薄く果肉歩合が高いため、搾汁率も高い。酸味や香りはリズボンレモンよりやや弱い。通常のレモン品種より成熟が1ヶ月早く、露地栽培では11月下旬頃に成熟する。樹勢が強く豊産性であり、耐寒性も強く、レモン栽培で問題となるかいよう病やそうか病にも強いため各県で有望品種とされている。
別種
チャイナリトルレモン「レモン」と名前はついているが東南アジアで栽培されている四季橘(しききつ、カラマンシー)である。日本の沖縄県に自生するシークヮーサーと似ているが、果汁にはノビレチンが含まれていない。
レモンの香りを有する植物の名前に、「レモン?」とつけられることがある。 レモンの原産地は上記のとおりインドのヒマラヤ山麓である。レモンの原種であるシトロンは古くから地中海沿岸において盛んに栽培されてきたが、レモンが栽培され始めた当初はシトロンと混同されることも多く、栽培時期の開始については不明な点も多い。ただし、サーサーン朝ペルシアにおいてペルシア人が栽培していたことはほぼ確実である。サーサーン朝を征服したアラブ人たちもレモンを取り入れ、大々的に栽培するようになった。レモンが独立して文献に現れるのは904年のことで、アラブ人の農業書にシトロンと区別されて記載された[8]。9世紀にはアグラブ朝が征服したシチリア島にレモンが持ち込まれ、以後シチリアは現代にまで至るレモンの大産地となった。 11世紀にノルマン人がシチリアを征服したことで、レモンはヨーロッパ大陸に持ち込まれた。しかし高緯度であったヨーロッパのほとんどの地域ではレモンを栽培はできず、レモンや柑橘類は富の象徴とされた。 15世紀にはイタリアやスペインで盛んに生産されるようになった[2]。 17世紀に全盛期を迎えたオランダでは静物画が盛んに描かれた。レモンはその高級感から人気の題材であり、レモンを中心に描いた多くの静物画が現在でも残っている[9]。同じく17世紀にはフランスを中心にオランジュリーと呼ばれる柑橘類栽培用の温室が富裕層の間で建設されるようになり、レモンもこの温室の中の主要な樹木の一つとなっていた。17世紀半ばには、イタリア北端に近いガルダ湖の北西岸に位置するリモーネ・スル・ガルダにヨーロッパ最北のレモン農園が作られた。
レモングラス
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歴史