レモン
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また、レモンジュースはカクテルなどにも多用される[24]

レモンは香りの強い果実のように思われがちだが、香りそのものは皮の部分に大きく依存しており、皮を充分に除去してから得た果汁は純粋な酸味料として利用できる。これを生かして、クワ酒やバナナ酒のように酸味を持たない果実を用いた果実酒の製造の際に、皮むきレモンの輪切りを添加して酸味を加える。神奈川県小田原市では、焼酎の水割りにレモンをカットしたものを入れる「水れもん」があり、水れもんバルが毎年開催されている[25]
果肉

薄く輪切りにした果実は、紅茶の風味づけにしたり(レモンティー)、切り込みを入れてグラスの縁に差し、コーラなどの炭酸飲料[注釈 1]やカクテルの飾りにされる。

また、レモンの塩漬けモロッコを中心に地中海地域で広く使われる調味料であり、2014年頃から日本でも「塩レモン」として各種メディアで紹介され、広まりつつある[26]

ペルシャ湾岸諸国を中心とする地域(イラン、イラクなど)やレヴァントでは干しレモンを煮込み料理やスープに用いる。丸ごと、薄切り、粉末とその形は様々である。

レモンの砂じょうはいったん果肉から取り出したのち、レモンジュースなどに入れられることがある[27]。この場合、砂じょうの粒々によって特徴的な風味や食感をつけることができる。
栄養

柑橘類はビタミンCを豊富に含み、酸味の強いものほど含有量が多い傾向にあるため、レモンは大量のビタミンCを含んでいると思われがちだが、実際には柑橘類の中でもグレープフルーツユズなど、柑橘類以外ではキウイフルーツアセロラブロッコリーパセリなど、レモンよりもビタミンC含有量の多い食品がある。しかしレモンがビタミンCの豊富な果実であるというイメージは広く流布しているため、飲料水や菓子、サプリメントなどで「レモン何個分のビタミンC含有」などと単位のように使われることがある。「レモン1個分のビタミンC」は20ミリグラムを基準とするよう1987年に農林水産省の『ビタミンC含有菓子の品質表示ガイドライン』によって定められたが、このガイドラインは2008年に廃止され現在では効力を持たない。しかしそれに代わるものとして、社団法人全国清涼飲料工業会が『「レモン果実1個当たりのビタミンC量」表示ガイドライン』を制定し、以前の農林水産省の基準と同量の20ミリグラムを「レモン1個分のビタミンC」として再び認定した[28]

ビタミンC欠乏症である壊血病の対策として、長期航海する船にレモンを積み込むことが、かつては盛んに行われていた。また、ビタミンCのほかクエン酸も多く含んでいる[2]
果皮カプリピゥ社のリモンチェッロ

レモンの皮には他の柑橘類の皮と同じくペクチンが多量に含まれるため、マーマレードに加工することが可能である。また、実をくりぬいたレモンの皮の中にゼリーなどを流し込み菓子とすることもよく行われる。

レモンピールレモンの皮を砂糖で煮つけ、グラニュー糖をまぶしたものはレモンピールと呼ばれ、ケーキなどの洋菓子に使用される製菓材料となる。また、カクテルに風味をつけるため、すりおろしたレモンの皮を絞りかけることも同じくレモンピールと呼ばれる。ただし、輸入されたレモンには輸出時に発癌性のあるポストハーベスト農薬をかけられる。

リモンチェッロレモンの皮を使ったリキュールで、レモンの果皮を純アルコールに浸漬したあと取り出し、砂糖水を加えて1週間から1か月ほど置く製法が一般的である。色はレモンの黄色である。

調味料として用いられることがある。広東料理蛇スープでは定番の薬味となっている。
理科実験に利用

非食用の用途として、レモンの果実に亜鉛などの電極を差し込んで簡易な電池にする「レモン電池」という理科実験がある。他の食品でも実験が可能だが、レモンが用いられることが多い。
成分利用
果汁

レモンには大量のクエン酸(4%から8%[29])が含まれており、これを利用して水垢や汚れを落とすことができるため、家庭で掃除に用いられることがある。また、リンゴなどの切り口が褐色に変色しやすいものにレモン汁をかければ、変色を抑えることができる[30]

酸性を示すことと、還元作用のあるビタミンCを多く含むことから美白、美顔用の材料にも用いられることがあるが、効果は不明である。むしろ、皮膚炎を起こすリスクもある。
リモネン

レモンの皮にはd-リモネン (limonene) というテルペン系炭化水素が含まれており、レモンの香りの重要な成分となっている。レモン以外にも、温州みかんオレンジなど他の柑橘類の皮からもとることができ、香料や天然物由来の溶剤として利用されている。具体的には、油汚れを落とすための洗浄剤や、ガム剥がし用の溶剤の成分として使用されるほか、発泡スチロールをよく溶かすため、発泡スチロールのリサイクルに利用される。
精油


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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