日本の郷土料理では、沖縄料理に豚のレバーやニンジンを使った「チムシンジ(肝煎じ)」という汁物があり、奄美料理では茹でた豚レバーの粒味噌漬けがある[4]。また、山梨県のレバーを含む鶏の内臓を煮た甲府鳥もつ煮も有名となった。
日本で考案されたものに、鶏レバーをマヨネーズ漬けにすることで、フォアグラの味に似せるという料理法がある[5][6]。 他の部位と同様にと殺・精肉加工される以前に動物が感染していた病原体および、と殺以降の流通過程で付着した病原体がレバー中にも存在するものがあり、非加熱のレバーを食用にすることにより感染症を発症する恐れがある。鶏、牛、豚の生レバーの一部は中に病原性大腸菌、カンピロバクター、E型肝炎などの食中毒の原因となる病原体を含んでいる[7]。特に、豚の生レバーにおいては豚自体が保有しているE型肝炎ウイルス、無鉤条虫などの病原微生物により豚肉の生食と同等の危険性がある[8]。また鶏においては、犬回虫[9]、猫回虫[9]などの寄生虫に汚染されている場合がある[10]。危険性については「豚肉#生食の危険性」を参照 日本の厚生省(現在の厚生労働省)は1996年に病原性大腸菌感染症の多発を受けてレバーなどの食肉の生食を避けるよう通達し、1998年に生食用のレバー及び食肉の加工基準を策定した[11]。日本各地の自治体や保健所は、レバ刺しには生食用基準に沿って加工されたレバーを用いるよう指導した[12][13][14]。生食禁止に対応して誕生した「レバーのたたき」。表面をごく軽く炙ることで規制回避を狙ったが、現在は完全に火が通ったもの以外は提供が禁止されている。 2012年3月30日、厚労省は飲食店や販売業者が「牛」のレバーを生食用で提供することを禁止する方針を打ち出し[15]、内閣府の食品安全委員会においても「提供禁止は妥当」とする見解が出たことを受け、同年7月1日から食品衛生法に基づき提供禁止とすることとなった。違反すれば2年以下の懲役か200万円以下の罰金の刑事罰が科される[16]。また、厚労省は「豚」のレバーについても加熱して食べるよう注意を喚起した[17]。
各国での調理法
ドイツ料理にはレバーケーゼという料理がある。きめ細かく挽いたひき肉に香味野菜およびスパイスを混ぜ、型に詰めてオーブンで焼いたもの。名称は「余った肉を型に詰めた」という程度の意味で、レバーやチーズ(ケーゼ)を指すものではない。ただし、バイエルン地方など一部ではレバーを用いるバリエーションがある。
中華料理では、レバニラ炒めなど、野菜との炒め物が一般的である。またスープや粥の具のひとつにされることも多い。また、茹でてスライスし、豆?(トウチ)などのたれをかけて食べる前菜もある。福建省?田市には福建料理には「撈興化粉」という豚のレバー、血、腸などを入れたライスヌードル料理があり、広東料理でも類似の麺料理がある。北京ダック専門店では、コース料理でアヒルのレバーを素揚げして、塩・胡椒などで味付けした料理が定番で出される。
フィリピンの西ビサヤ地方には、豚のレバーと腸の小口切り、揚げニンニクチップ、長ネギなどを載せた甘い汁の麺料理「バッチョイ」がある。
インドネシア料理にはサンバル・ゴレン・アティ(sambal goreng hati)というサンバル風味の鶏レバー炒めがある。
ベトナム料理のバインミーにはレバーペーストが使われる。
トルコ料理では、アルナヴート・ジーエリ(arnavut ci?eri)という、牛のレバーを切って小麦粉と唐辛子をまぶして揚げた、アルバニア風から揚げ料理が一般的。
フランス、デンマークなど、欧米では、レバーペーストにし、パンに塗って食べることも一般的で、瓶詰め、缶詰の製品も多く市販されている。また、ハムやソーセージなどのように、レバーペーストをケーシングに詰めて調理したものもある。
規制と食中毒
食中毒と寄生虫
日本での規制
生食禁止に至る経緯