レディオヘッドのメンバーは、ジョイ・ディヴィジョンやマガジン、スージー・アンド・ザ・バンシーズ[10] [11] [12]、U2といったポストパンクや、ピクシーズやR.E.M.やソニック・ユースといったオルタナティヴ・ロックに早くから影響を受けてきた。また、トムは小学生の頃にはクイーンなどを好み、エルヴィス・コステロなども聴いていた。[13][14][15]1990年代半ばにはマッシヴ・アタックやDJシャドウなどのエレクトロヒップホップからの影響をうかがわせ、それらは『OK コンピューター』に顕著である。[16]他に『OK コンピューター』にはマイルス・デイヴィス、エンニオ・モリコーネなどや、ビートルズやビーチ・ボーイズ、ピンク・フロイドなどからの参照が見受けられ、メンバーもそれを公言している。[13][17]
『キッド A』で、メンバーはグリッチやアンビエントなどのエレクトロニカの手法に関心を見せ、ワープ・レコーズのオウテカやエイフェックス・ツインといったアーティストの音楽性に接近していった。またそれ以降、モダン・ジャズのアリス・コルトレーンやマイルス・ディヴィス、チャールズ・ミンガス、アート・ブレイキーなども好んで参照し、カン、ノイ!、クラフトワークなどのクラウトロックの影響も顕著である。特にジョニーはいわゆる現代音楽や、オリヴィエ・メシアン、クシシュトフ・ペンデレツキ などの独特の方法論を持った音楽家からの影響も大きい。[18]
レディオヘッドの楽曲は、基本的に作詞/作曲のクレジットがメンバー全員(Radiohead)となっている。これは、曲の大枠やデモの多くを作るのはトムだが、そこからさらに議論を重ねてそこに肉付けしたり、逆に削ったりすることで楽曲の元を作っているからである。録音についてもパート別に順ぐり録音したりするのではなく、メンバー全員とプロデューサーでアレンジを議論し、個々がパートにとらわれずに音楽を作っている。パートごとの演奏者もまちまちで、あまり問題とされない。ストリングスやブラスバンド主体の曲などでは、楽隊を呼んで録音するため、そもそもメンバーが譜面やアレンジを指示するだけで演奏しないこともあり得る。歌詞については、基本的にほぼ全てがトムによって作詞・推敲される。[19] グラフィック・アーティストのスタンリー・ドンウッド (Stanley Donwood) は、『ザ・ベンズ』以降、レディオヘッドの全作品のアートワークを手がけている。
アートワーク