レッド・オクトーバーを追え
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レーガンの推薦を受けた『レッド・オクトーバーを追え』はニューヨーク・タイムズ紙を筆頭に、全米のベストセラーリストのトップになった。最終的にはハードカバーで365,000部以上を売り上げた。Berkley Booksが49,500ドルでペーパーバックの権利を手に入れた後、この小説はさらに430万部を売り上げた。[21]
映画化詳細は「レッド・オクトーバーを追え!」を参照

この小説は長編映画化され、冷戦終結から数ヶ月後の1990年3月2日に米国で公開された。マルコ・ラミウス艦長をショーン・コネリーが、ジャック・ライアンをアレック・ボールドウィンが演じた。ジャック・ライアンの映画シリーズの第1作目であり、この映画シリーズはのちに小説とは異なる年代順で展開される。この映画は、レッド・オクトーバーが乾ドックに向かうためメイン州のペノブスコット川を上ることや、ライアンがHMSインヴィンシブルに乗船したことを含めイギリス海軍の機動部隊が省略されていること、また「キャタピラー推進」が、フロートンネル内の一連の機械的な羽根車による推進機ではなく、磁気流体力学的な推進システムで、本質的には「水のためのジェットエンジン」と説明されていることなど、多くの逸脱があるが、小説をほぼ忠実に描写している。とはいえ、小説でも映画でもキャタピラー推進は探知できないほど静かと考えられる。

この映画は批評家から主に好意的な評価を受け、Rotten Tomatoesでは66件のレビューに基づいて88%の評価を受けた。[22] また北米で1億2,200万ドル、全世界では2億ドル以上の、年間6位の興行収入を挙げた映画である。[23] 1991年のインタビューで、クランシーはこの映画の成功について次のように述べている。「この映画には多くの技術的な間違いがあり、必要ないと思えるストーリーの変更もあったが、原作の精神にはかなり忠実だった。ただ、印刷された言葉とスクリーンに投影された視覚的表現は2つの異なる芸術形式であって、それらは非常に異なる役割を持っていることを忘れてはならない。」[24]
ゲーム化「en:The Hunt for Red October (1987 video game)」、「en:The Hunt for Red October (1990 video game)」、および「en:The Hunt for Red October (console game)」も参照

この小説は、コンピューター、ビデオ、およびコンソールの3つのゲームの土台にもなりました。潜水艦シミュレーターと戦略ゲームを融合したバージョンが1987年に発売され、好評を博した。1990年には映画を題材にした別のゲームが発売された。1991年には家庭用ビデオゲームがNES向けに発売され、のちにゲームボーイSNES向けにも発売された。さらに、1988年にTSR社から発売されたボードゲームは、史上最も売れたウォーゲームの1つになった[25]

2015年末、River Horse社は権利を取得したことを発表し、この知的財産に基づいて別のゲームをクラウドファンディングで提供する意向を発表した[26][27]。ただし、2017年末現在、そのプロジェクトの結果は不明である。
遺産

『レッド・オクトーバーを追え』は、テクノスリラーという本のジャンルを一般に広めた。「トム・クランシーは、スリラーだけでなく、ポップカルチャー全般の一時代を築いた」と、作家であり、国際スリラー作家協会のマーケティング・チェアであるJon Landは語っている。「冷戦が最後に熱くなり現代戦の新時代に突入したレーガン時代の考え方や精神を、これ以上に表現した人は誰もいなかった。クランシーの本は、何百万人もの新しい読者を巻き込んでスリラーというジャンルを再活性化させるとともに、私たちの恐怖心を利用し、私たちの精神を定義するのに役立った[28]。」

本書は、1970年代後半のベトナム戦争での苦い敗北と外交政策の失敗に耐えてきたアメリカの軍と政府への信頼を回復するのに役立った。また本書は、ベストセラーリストの対象となる書籍の販売を廉価版のペーパーバック(マスマーケット)からハードカバーに戻すきっかけとなった。この傾向は、スティーブン・キングクライヴ・カッスラーマイケル・クライトン、およびダニエル・スティールなど、他の「有名ブランド」作家が後に続いた[29]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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