レッド・オクトーバーを追え
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ラミウスが彼と彼の将校たちを亡命させる計画をモスクワに伝えたことが明らかになったあと、ライアンはラミウスと彼の艦を追跡中のソビエト艦隊から遠ざける責任を負うことになり、空母HMSインヴィンシブルから機動部隊を指揮する、イギリス海軍の古い知人であるジョン・ホワイト提督と会うことになる。

ラミウスが原子炉事故を偽装したあと、アメリカ海軍は深海救難艇を使ってレッド・オクトーバーの下級船員を救出する。ラミウスと彼の将校たちは後ろに残り、潜水艦がアメリカ人の手に渡るのを防ぐために潜水艦を自沈させようとしていると断言する。レッド・オクトーバーが破壊されたとソビエトに確信させるため、偽装として退役した米国の弾道ミサイル潜水艦USSイーサン・アレンが水中で爆破される。イーサン・アレンの残骸から、レッド・オクトーバーの主計器盤から取り外された深度計(適切なシリアル番号付き)があたかも引き揚げられたものであるかのように見せかけられた。一方、ライアン、マンキューソ艦長と数名の乗組員、そしてオーエン・ウィリアムズ(ロシア語を話せるインヴィンシブルのイギリス人将校)はレッド・オクトーバーに乗り込み、ラミウスと対面する。

レッド・オクトーバーは沈没したとソビエト側に確信させる策略に成功し、ソビエト軍は撤退するが、ツポレフの潜水艦「V.K.コノヴァロフ」は残留した。レッド・オクトーバーの料理人イーゴリ・ロギノフは、実はGRUの情報部員であり、ラミウスの意図を疑い、ほかの乗組員が退避しているあいだ密かに艦内に留まっていた。彼はサイロにあるミサイルを手動で発射してレッド・オクトーバーを破壊しようとする。発見されたロギノフはカマロフ少佐(航海長)を射殺し、ラミウスとウィリアムズに重傷を負わせた。ライアンはGRU諜報員の説得を試みるが、彼は聞く耳を持たず潜水艦のミサイル区画での銃撃戦で殺される。

その後V.K.コノヴァロフは、他の2隻の潜水艦に護衛される、オハイオ級潜水艦らしきものを偶然発見する。その音響的特徴から、ツポレフはその「オハイオ」は実は沈没したはずのレッド・オクトーバーであることに気付き、交戦を開始する。レッド・オクトーバーを護衛する2隻のアメリカ潜水艦は、交戦規定によりコノヴァロフへの発砲が禁じられており、レッド・オクトーバーは魚雷を搭載していない。コノヴァロフからの魚雷でレッド・オクトーバーが損傷する緊迫した戦闘のあと、ラミウスは体当たりでコノヴァロフを沈めることに成功し、ツポレフとその乗組員を殺した。

アメリカ人はレッド・オクトーバーをバージニア州ノーフォークの乾ドックに安全に護送し、レッド・オクトーバーはそこで米軍情報部によって分析される。ラミウスと彼の乗組員はCIAの隠れ家に案内され、そこで彼らには新しい身元が与えられて、アメリカでの安定した生活を始める。ライアンは上司から褒められ、状況報告のあと、飛行機でロンドンの配属先に戻る。
登場人物
ソビエト
マルコ・アレクサンドロヴィッチ・ラミウス海軍大佐
ソビエト海軍の最新鋭弾道ミサイル潜水艦「レッド・オクトーバー」を指揮する艦長。彼は、個人的な要因によって亡命の決意に拍車を掛けられた。彼の妻、ナターリャは、酒に酔った無能な医者の手で亡くなったが、その医者は政治局員の息子であったため罰を免れた。ナターリャの早すぎる死は、ソビエト統治の冷淡さに対するラミウスの長年に渡る幻想の崩壊と、レッド・オクトーバーが世界情勢を不安定化させる恐れと相まって、ソビエトの支配体制の欠陥に対する彼の忍耐を使い果たしてしまう。
ヴィクトル・アレクセイエビィッチ・ツポレフ中佐
アルファ級攻撃型潜水艦V.K.コノヴァロフの指揮官でありラミウスの元生徒。
ワシーリー・ボロジン中佐
レッド・オクトーバーの副長
エフゲニー・コンスタンチノヴィッチ・ペトロフ医師
レッド・オクトーバーの軍医
イーゴリ・ロギノフ
GRU諜報員、艦の亡命または鹵獲を防ぐために料理人としてレッド・オクトーバーに乗艦
アレクセイ・アルバトフ
ソビエト駐米大使
イワン・ユリエヴィッチ・プーチン中佐
レッド・オクトーバーに乗艦している政治士官(ザムポリト)。彼がラミウスの亡命を妨害しないようにラミウスによって殺される。
ユーリ・イリイッチ・パドーリン提督
ソビエト海軍政治部長、ラミウスの義理の叔父であり庇護者
アメリカおよびイギリス
ジョン・パトリック(ジャック)・ライアン博士
米国中央情報局と英国秘密情報部の連絡係。元海兵隊少尉
バートロメオ・ヴィート(バート)・マンキューソ艦長
アメリカ海軍ロサンゼルス級潜水艦USSダラス艦長
ロナルド(ジョーンジー)・ジョーンズ 1級ソナー員
アメリカ海軍ダラス乗艦のソナー員。レッド・オクトーバーとその無音推進機を最初に識別する。
ジョン・ホワイト中将、第八代ウェストン伯爵
空母HMSインヴィンシブルを指揮するイギリス海軍の将校であり、ライアンの個人的な友人。
オーエン・ウィリアムズ大尉、
インヴィンシブルに乗艦しているイギリス海軍大尉。ロシア語ができるという理由でレッド・オクトーバーまでライアンに同行する。
”スキップ” オリヴァー・ウェンデル・タイラー
アメリカ海軍のコンサルティング業務を行っているメリーランド州アナポリスにあるアメリカ海軍兵学校の教官。


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