レスラー_(映画)
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当初、製作会社はニコラス・ケイジのような大物を主演俳優に起用することを条件に予算の大幅な増加を監督のダーレン・アロノフスキーに持ちかけたが、アロノフスキーは自分が選んだミッキー・ロークを主演に据えることを強硬に主張し譲らず、その結果、映画はわずか600万ドルという低予算で製作された[2][3][4][5][6][7]。一方、元ボクサーのロークは、当初、プロレスは振り付けでしかないと考えており、レスラーを尊敬できなかったが、撮影を通してそのような考え方は変わったという[4]。ロークは、70年代80年代に活躍したプロレスラーのアファ・アノアイから3ヶ月間の訓練を受けた[8]。アロノフスキーは、ロークの肉体を、ドキュメンタリーのような生々しい手持ちカメラの映像で映し出した[9]。アロノフスキーは、「映像スタイルは素材次第。この物語ではミッキーが自由に動ける遊び場のようにしたかった」と語った[9]

プロレスシーンなどでは、ネクロ・ブッチャーをはじめ、20人を越すプロレスラーを登場させた[10]。またプロレス団体ROHも会場等で協力した。
プロモーション

映画公開を記念して、WWEではクリス・ジェリコによるミッキー・ローク批判(もちろんアングルである)に端を発する、ジェリコ対レジェンド(リック・フレアーリッキー・スティムボートジミー・スヌーカロディ・パイパー)の抗争ストーリーが組まれ、ロークもジェリコと番組内で毒舌戦を展開。2009年4月のレッスルマニア25ではジェリコの挑発に乗ってロークはリングに上がり、ジェリコをパンチでKOした。

日本での公開日は、2009年6月13日になった[11]
音楽
主題歌
ブルース・スプリングスティーン / The Wrestler
スプリングスティーンがミッキー・ロークから送られた手紙と映画スクリプトを読んで書き下ろした新曲。 第66回ゴールデングローブ賞オリジナル歌曲賞 受賞。
挿入歌
ガンズ・アンド・ローゼズ / Sweet Child o' Mine
ランディのステージ登場時のテーマ曲。劇中、ランディが「ガンズ・アンド・ローゼズが活躍した'80年代の音楽は最高だった。'90年代はニルヴァーナの登場のせいでグランジばかりが流行して最低だった。」と語るシーンがあり、'80年代はランディがかつてレスラーとして全盛期だった時期でもある。また、ミッキー・ローク自身も'80年代はスターとして脚光を浴びたが、'90年代はプロ・ボクサーに転身し整形手術を受けるなど低迷期だった。更に、この曲はロークがプロ・ボクサーだった頃にもステージ登場時の曲として使われていた。本作は予算が少なかったこともあり、アクセル・ローズは無償でこの曲の使用を許可したという。エンディング・クレジットではローズに向けて感謝の言葉がクレジットされている。
評価

興行収入はアメリカ国内だけで$26,238,243となり[1]、制作費の4倍以上となった。全米週末興行収入成績の最高位は14位であった(2009年1月23日-25日付)。

作品全体は、第65回ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞を筆頭に[12]、54個の賞を受賞した[13]。ヴェネツィア国際映画祭の授賞式で、審査員長のヴィム・ヴェンダースは、ミッキー・ロークの演技を「胸が張り裂けそうになるほどの演技」と評価した[9]。一方、ロークがだらしない服装で壇上に上がり下品な言葉遣いをしたことは、ベンダースから「非常に悲しいパフォーマンス」と批判された[14]。主演のロークは、第66回ゴールデングローブ賞主演男優賞を筆頭に[15]、各地の映画祭で主演男優賞として22回表彰された[13]。ゴールデングローブでは主演男優賞以外にも歌曲賞を受賞し、第81回アカデミー賞では主演男優賞[16]助演女優賞にノミネートされた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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