レジオンドヌール勲章
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フランス革命では実際にアンシャン・レジームの全ての勲章が廃止された。憲法制定国民議会は軍事功労章(Decoration militaire)を創設したが、これもすぐに廃止された。国民公会下では、将軍たちは栄誉の武器(fr)(栄誉の銃、栄誉の剣、あるいは栄誉の太鼓など)を勇敢な行為に報いるために与えるのが慣習であった。

法案[2]フランス革命暦(共和暦)X(10)年フロレアル14日(1802年5月4日)から国務院を前にして議論が行われた。第一統領ボナパルトは自ら干渉して全力で栄典の必要性を主張する一方、厳密に軍事的なオルドルを創設することを拒絶し、アンシャン・レジームへの回帰であるとする非難を反駁した。14票対10票で法案は可決された。5月17日に法案を付託された護民院ではリュシアン・ボナパルトが報告者に指名されており、新しい貴族の復活と、平等という革命の原則の歪曲を恐れたジャコバン派の反対にもかかわらず、法案を56票対38票で承認した。最終的に、リュシアン・ボナパルト、ピエール=ルイ・ロデレール(フランス語版)、オギュスト・フレデリク・ルイ・ヴィエス・ド・マルモン、マチュー・デュマ(フランス語版)が法文を弁護し、共和暦X年フロレアル29日(1802年5月19日)に立法院は166票対110票で可決した。第一統領ボナパルトは共和暦X年プレリアル9日(1802年5月29日)になるまで法に署名捺印しなかった[3]

共和暦XII(12)年メスィドール25日(1804年7月14日)、廃兵院の礼拝堂において、公式の豪華な儀式の中で功績ある将校たちへのレジオンドヌールの初の授与がフランス皇帝ナポレオン1世となったナポレオン・ボナパルトによって行われた。

共和暦XIII(13)年プリュヴィオーズ10日(1805年1月30日)には保有者が「グラン・テーグル」(Grand Aigle, 大鷲)と呼ばれる大勲章が追加され、これは1814年7月19日の政令で「グラン・コルドン」(Grand Cordon, 大綬)、最終的には1816年5月26日の政令で「グラン・クロワ」と呼ばれるようになる(共和暦はグレゴリオ暦1805年限りで廃止)。この日には、各名称が同様にコマンダン(Commandant)からコマンドゥールへ、レジオネール(Legionnaire)がシュヴァリエへと修正された[要出典]。

軍人と市民を組み合わせた(実際の配分はおよそ2:1)ことで、このオルドルはあらゆる体制下を生き延び続け、今日では11万人以上の佩綬者を数えるに至っている。
授与
加入の規則

オルドル「名誉軍団」への加入(叙勲)と昇進は、軍団総長たるフランス共和国大統領の政令により3年ごとに割り当てられた定数の範囲内で行われる。この定数は大統領と各省庁に割り振られ、省庁は提案を軍団総裁へと送付する。オルドルへの加入ではシュヴァリエより上の等級に叙勲されることはないが、外国の個人に授ける場合はその限りではない。その場合には新加入者の儀礼的な地位に応じて決定される(1984年にモナコアルベール2世は高位のグラントフィシエに直接叙された)。創設時には、オルドルに加入した者には年200金フランの差押え不可な年金が付随していた。2009年には、この年金と総割当数は次の表の通りとなっている[4]

等級名佩綬者上限数年金額[5]必要年数[6]
シュヴァリエ(騎士、5等)125,0006.10?勤続20年(公務員)、25年(民間)
オフィシエ(将校、4等)10,0009.15?シュヴァリエ叙勲後8年
コマンドゥール(司令官、3等)1,25012.20?オフィシエ進級後5年
グラントフィシエ(大将校、2等)25024.39?コマンドゥール進級後3年
グランクロワ(大十字、1等)7536.59?グラントフィシエ進級後3年

元大臣、元知事、国民議会もしくは元老院の元議員(現職の大臣と議員は戦争で功績がある場合以外は除く)、高等司法官、外交官への授与はほぼ自動的に行われる。オリンピックでの金メダルの獲得は特別な昇進の対象となる。軍人が割り当ての50%を占め、その他の代表的な職種としては警察官、消防士、公選公務員、公務員、宗教の代表者などがある。

なお、当初は、レジオンドヌール佩綬者の子孫も3代まで世襲で勲章が与えられた。この条項は空文化したが、未だに廃止されてはいない。
女性の増加

レジオンドヌール佩綬者の圧倒的大多数は男性である。

女性初のシュヴァリエ:1851年、ブリュロン
未亡人マリー・アンジェリク・デュシュマン[7]

女性初のオフィシエ:1895年、ローザ・ボヌール[7]


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