レコード
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レコード原盤を作るカッティングマシンは電磁石を応用したものであるため、その原理上、同じ音量であれば時間変化率の大きな高音域になるほどレコードに刻まれる溝(音溝という)の振れは小さくなる特性がある[20]。盤面の有効利用(長い演奏時間の収録)の面から周波数によって音溝の振れ幅の大きさが変化するのは好ましくないため、レコードの溝の振幅が周波数によりあまり変化しなくなるよう高域を持ち上げて録音されている[注 1]カートリッジとして一般的な電磁型[注 2]の出力電圧は針先の動く速さに比例するので、このまま増幅すると高音の勝った音になってしまう。そこで、録音時の周波数特性(RIAAイコライザー特性として規格化)とは逆の特性をもったフォノイコライザを通し、原音の平坦な特性に戻す。この操作のため耳につきやすい高音域のノイズが低減されるため、結果として音質も向上する。

イコライザはアンプやミキサに内蔵されるのが通常だが、廉価な機器に使われた圧電型[注 3]のカートリッジでは、出力は針先の変位つまり移動距離にほぼ比例するので、特別な回路を組むことなく、高音と低音のバランスが取れた音が得られた[注 4]
運用上における他メディアとの音質の差

前述の通り記録・再生の特性が超高周波を含むか否かには疑問があるが、さらにカッティングの信号系統には(ON / OFF可能な)イコライザー、リミッターが含まれており、同じ音源のレコードとCDにさらなる音質の差を生じさせる原因となる。特に古い時代の音源がCD化(デジタルリマスタリング)される際、マスターの録音状態や劣化といった理由でノイズリダクションなどが施され、ここでも当時のレコードとの音質の差が生じている場合もある。

マーケティング上の理由で新メディアの周波数特性の変更や時代に即したマスタリングなどの加工がおこなわれる場合もあり、アナログレコードとの音質の差が表れる。尚美学園大学の論文の『デジタルオーディオにおける音量レベルの新しい表現方法と、『君は天然色』を題材にした年代ごとの音量レベルの変遷』ではCDとアナログレコードとの音圧に変更があると研究している[21]

アナログレコードはプチプチという雑音などに味があると言われているが、記録特性の問題ではなく静電気またはレコードに微細な埃が付いたことによる針飛びが原因である。そのため、レコード表面が清浄でかつ、適切に再生されればそのような音は混入しない。
他の類似媒体との比較
物理的凹凸、磁気、光学
カセットオープンリールなどのオーディオテープが磁気媒体であるのに対し、レコードの基本設計(前提)は物理的な凹凸を利用した媒体である(レーザを利用して凹凸をピックアップするレーザーターンテーブルもある)。また、コンパクトディスク(CD)は光学的な記録媒体である。
製造
テープ状の記録媒体はプレスによる製造ができないが、レコードはCDと同様、プレスによる大量生産が可能である。
ピックアップ
レコードは針と盤との接触、それによって生み出される振動を利用した再生システムであるのに対し、CDなどはレーザー光の反射を利用した非接触の再生システムになっている。
音量による歪み
音の質を左右する要素はCDなどのデジタル再生では小さい音量ほど歪みが増えるのに対し、テープやレコードでは音量が大きいほど歪みが増える点。これも同じマスターテープでCDとレコードを生産しても同じ音にならない原因である。ステレオ再生ではクロストークの発生が避けられない問題もある。左右幅が縮まることでやはり音の鋭さや奥行きの再現が不鮮明になりやすい上、各カートリッジごとにクロストークに違いがある。
外周と内周の歪みの差
レコードはテープやCDと異なり盤の外周に対し内周で歪みが増えるという特有の欠点がある。正しく調整されたリニアトラッキング・プレイヤーを用いれば問題は無いが、ピックアップ部が弧を描いて動作する通常のトーンアームではインサイドフォースやオーバーハングずれの影響を解消することは容易ではない。
外周と内周の帯域差
レコードは角速度(回転数)が一定であり、内側に行くほど線速度が遅くなっていく。そのため、内側に録音された音ほど高周波特性が悪く(帯域が狭く)なっていくという特徴がある。この問題はレコードの回転数を上げることである程度は回避は可能であるが、諸々の条件から必然的に限界が存在する。
その他.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

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音楽が販売される媒体として、レコードは長い間、非常にポピュラーだった。このため、レコードがCDにとって代わられた現在でも、音楽を録音したものを制作・販売する会社は「レコード会社」と呼ばれる(世界的に見ても "?Records" 表記のレコード会社が多い)。CDなどを販売する小売店が「レコード店」と呼ばれることも多い。著作権法でも「レコード」は第2条第5号にて「蓄音機用音盤、録音テープその他の物に音を固定したもの(音をもっぱら影像とともに再生することを目的とするものを除く。)をいう」と定義されており、ミュージックテープやCD、電子的な配信音源も同法では「レコード」である。


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