標準的なエレキベースが使用されるが、極端に重低音を強調した音にチューニングされる[24]。レゲエにおいてベースはうねるようなベースラインを繰り返し、転調も少ない[24]。
ギターアール・チナ・スミス(2009年、スウェーデン)
標準的なエレキギターが使われることが多いが、アコースティックギターが使用されることもある。レゲエにおいてギターはカッティング奏法で2拍目・4拍目のオフビートを強調することが多い[16]。カッティング奏法といってもファンクのように空ピック[注釈 4]を多用することはなく[16]、所々で空ピックや実音で引っ掛けるフレーズでスイングを演出する[16]。バンドによってはカッティング奏法を担当するリズムギターとブルース風やロック風のメロディやリフの演奏を担当するリードギターの二本を用意することもある。 パーカッションとしては、ボンゴ、カウベル、シェイカー、ビンギ・ドラム、ギロ、クラベス等が使用される。1990年代以降ではAKAI MPC等のサンプラーが使用されることもある。 レゲエには多彩なボーカルスタイルが存在する。ソロ・シンガー、ボーカル・デュオ[注釈 5]、ボーカル・トリオ[注釈 6]、ディージェイ[注釈 7]、シンガーとディージェイのデュオ[注釈 8]、ディージェイ同士のデュオ[注釈 9]などである。 なお、レゲエ特有の歌唱法としてはディージェイによるトースティング、ディージェイとシンガーの中間的歌唱法であるシングジェイ レゲエは「レベル・ミュージック(rebel music、反抗の音楽)」であるといわれる。その理由はレゲエの歌詞はしばしば社会、政治、物質主義、植民地主義などへの批判や反抗を主題とするからである[25]。これはジャマイカ国民の90%以上が黒人奴隷またはマルーンの子孫であることにより醸成された疎外感や抵抗の歴史、ラスタファリ運動とキリスト教バプティスト派の宗教的影響が大きい[25]。しかし、全てのレゲエ・アーティストがラスタファリアンというわけではなく[26]、全てのレゲエの歌詞が反抗的というわけではない。ジャマイカの伝統音楽であるメントと同様のコミカルな歌詞や、フォークロアや諺に基づく説話的歌詞、ゲットーの貧しい暮らしへの嘆き、男女の愛、人生の機微、音楽への陶酔、新しいダンスの方法など、レゲエにおける歌詞の主題は多岐に亘る[25][27][28]。 以下、他のポピュラー音楽に比べて特に独自性の高い、レゲエの歌詞の主題について補足する。 特にラスタファリアンのレゲエ・アーティストは、エチオピア帝国最後の皇帝ハイレ・セラシエ1世を「ジャー(現人神)」と、ジャマイカのジャーナリスト・企業家のマーカス・ガーベイを預言者と考え、アフリカ回帰
パーカッション
ボーカル
レゲエの歌詞
ラスタファリ運動ハイレ・セラシエ1世 「ラスタファリ運動」も参照