レガシィ
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モータースポーツ用ベース車両「RS type RA」のトランスミッションをクロスレシオに変更している。

1991年(平成3年)6月 - マイナーチェンジにより後期型となる。フロント周りが刷新された。新グレード「Brighton(ブライトン)」が追加され、エンジンにはAT専用セッティングの「EJ20D」と2.0L OHC「EJ20E」が登場。きめ細かい燃料噴射制御が可能になったことで、操縦性や燃費が向上した。

1992年(平成4年)

6月 - マイナーチェンジ。それまで輸出専用だったEJ22型エンジンを搭載したレガシィ初の3ナンバーとなるツーリングワゴン「Brighton 220」と同「Brighton220 エアサス」、そして2WD仕様のツーリングワゴン「Brighton FF」を追加。「VZ」には新デザインの14インチメッシュタイプアルミホイールと「GT」と同じフロントバンパーを新たに採用。「GT」と「VZタイプR」は15インチアルミホイールのデザインをマイナーチェンジ前の「GT」と同じ6本スポークタイプに戻し、それまで採用していたディッシュタイプを「Brighton220」系に採用した。

8月 - STIからコンプリートカー「レガシィ ツーリングワゴンSTi」を200台限定発売。専用ECUの採用により、ターボチャージャーの最大過給圧を標準の450mmHgから650mmHgへ高め、4ドアセダン「RS」と同じ最高出力・最大トルクを発生。専用ATコントロールユニットも採用。

9月 - セダン「GT」をベースにエクセーヌシート、BBSホイール、専用サスペンションなどを装備した「GT type S2」を発売。

11月 -「Brighton」をベースにアルミホイール、リモコンキーなどを追加した特別仕様「Brighton GOLD」を発売。


トピック

発売から2年目の1990年、富士重工業の100%出資の子会社「スバル・ワールド・トレーディング」が、
S.I.A(当時はスバル・イスズ・オートモーティブ)」製の「EJ22E」搭載の左ハンドル「レガシィLSi」を日本で販売していた。本皮シート内装、サンルーフ、クルーズ・コントロールなどの高級装備が特徴。

いすゞ自動車へは4ドアセダンがいすゞ・アスカCX(厳密的には2代目アスカ)としてOEM供給されていた。

セダンのターボモデルである 「RS」 には「RSタイプR」「RSタイプRA」という、モータースポーツ向けのモデルが用意された。

1989年9月に発売された「RSタイプR」は、RSから内装の装備を簡略化し、足回りなどを強化したものである。

1989年11月に発売された「RSタイプRA」 の 「RA」とは 、「(10万km速度)記録挑戦=RECORD ATTEMPT 」に由来しており、 「RSタイプR」 に、スバルテクニカインターナショナル (STI) が手作業で加工した、動弁系部品、クランク、強化コンロッド、強化メタルなどを採用。駆動系部品にもバランス取りを施し、専用のクイックステアリングギヤボックスを装着した他、より足回りも強化され、1990年5月、レガシィ・シリーズのB型へのマイナーチェンジに際して、クロスミッションとアンダーガードを採用。BC/BF型のモデルライフを通じて販売されるカタログモデルに昇格した。


ツーリングワゴンのデザインは、富士重工業の元社員で、現在はミュージシャンパラダイス山元が担当した。


前期型 セダン TiタイプS

前期型 ツーリングワゴン GT

後期型 セダン Ti

後期型 ツーリングワゴン ブライトン

2代目 BD/BG系(1993年-1998年)

スバル・レガシィ(2代目)
BD2/BD3/BD4/BD5/BD9/BG2/BG3/
BG4/BG5/BG7/BG9/BGA/BGB/BGC型
セダン TS
ツーリングワゴン ブライトン
グランドワゴン/ランカスター(輸出名アウトバック
概要
販売期間1993年 - 1998年
デザインオリビエ・ブーレイ
ボディ
乗車定員5人
ボディタイプ5ドアステーションワゴン
4ドアセダン
5ドアクロスオーバーSUV
エンジン位置フロント
駆動方式四輪駆動 / 前輪駆動
パワートレイン
エンジン1.8 L/2.0 L/2.0 Lターボ/2.2 L/2.5 L水平対向4気筒
変速機5速MT
4速AT
サスペンション
ストラット
後ストラット
車両寸法
ホイールベース2,630 mm
全長4,595 mm
全幅1,695 mm
全高1,385 mm
車両重量1,370 kg
その他
最小回転半径5.5 m
データモデルセダンRS
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開発主査は土屋孝夫。開発テーマは「継承・熟成」。バブル期に開発がスタートしているにもかかわらず、同時期の同格他社車両が一様に拡幅3ナンバー化、大排気量化の道をたどったのに対し、5ナンバー枠サイズと2L以下の排気量を守っている。結果的には「5ナンバーサイズでありながら上級クラスに負けない走りと室内空間を実現している」という評価を得て、そのことが2代目レガシィの最大の特徴となり商業的成功に繋がった。

内外装のデザインには元メルセデス・ベンツのチーフデザイナー、オリビエ・ブーレイが参加し、社内スタッフと共に作業を行った。4ドアセダンは6ライトのウィンドウグラフィックはそのままに、A、Cピラーの黒色処理をやめ、リヤホイールアーチ真上のCピラー根元を太くすることで、視覚的な力強さを表現した。一方でツーリングワゴンは、サイドからリアまで回り込むウィンドウデザインやステップアップしたルーフ形状など成功作となった先代と共通するイメージを採用した。また、フロントグリルにはスバル・ff-1から想起されたという台形デザインが新たに盛り込まれており、この台形グリルは次の3代目レガシィや同時期のインプレッサなどにも波及した。

ボディ・モノコックの基本構造は初代BC/BF型を引き継いでいるが、初代と比較してボディの曲げ剛性およびねじり剛性が向上している。全長は60mm延長されているが、2,580mmから2,630mmへ50mm延長されたホイールベースにそのほとんどが費やされている。Bピラー直後のフロアが延長され、主に後席の居住性の改善に主眼が置かれた。

車両重量は前期型で1,460kg(1993年ツーリングワゴンGT・4AT)なのに対して、後期型でも1,460kg(1996年ツーリングワゴンGT・4AT)と不変であり、ボディサイズの拡大や安全対策の追加に伴う重量増を、ボディの構造や各部材の見直しにより全モデルで30 - 40kg軽量化することにより対応した。

水平対向4気筒DOHCターボエンジン「EJ20G」は、シーケンシャル・ツインターボを採用した「2ステージ・ツインターボ」の「EJ20H」へと進化した。「2ステージ・ツインターボ」は、低回転域ではプライマリー・ターボ(PRI T/C)のみで過給し、高回転域で予め過給したセカンダリー・ターボ(SEC T/C)も連続して(=Sequential)合わせて働くもので、A/R比はBC型「RS」の20に対し、低回転域で12、高回転域で24に設定し、高出力化と全回転域での応答向上を狙った。インタークーラーは「EJ20G」の水冷式から、インプレッサと同じ空冷式に変更され、初代の水冷式から4.5kgの軽量化を果たしている。「EJ20H」は、BC/BF型「EJ20G」から一気に出力で30ps、トルクで4.0kg・mの大幅なスペック向上を果たしたが、最大トルク発生回転数が1,000rpm上がり、この過渡領域回転数付近でいわゆる「ターボ切換えの息付き」や「トルクの谷間」が指摘された。なお、マイナーチェンジで登場した「EJ20R」を搭載したGT-BおよびRSのMT車は、一般量産2.0L車としては世界で初めて最高出力280psに到達した車である。

2.0LターボAT車にアルシオーネSVXで採用されていた「VTD-4WD」を、それ以外のAT車に「アクティブ・トルク・スプリット4WD(ACT-4)」を搭載している。2.0LターボMT車にはリヤにビスカスカップリングLSDを装備している。また、日本のFF車としては初の「TCS(トラクションコントロールシステム)」も用意された。

サスペンションは、初代のフロント/リア:コイル/ストラットの形式を踏襲している。ジオメトリーの変更、摩擦の低減、ピストン行程の延長などの熟成が行われた。また、リニア・コントロール・バルブ付ショックアブソーバーを全車種に採用し、微小作動領域での減衰力の変化が滑らかになっている。ツーリングワゴン・ブライトン、ブライトン220には、車高調整およびセルフレベリング機能付きのエアサスペンション「EP-S」が用意された。

ツーリングワゴン250Tを基に車高を上げ、フォグライトを埋め込んだバンパーなどを備えてクロスオーバーSUV(オフロード踏破性とオンロードにおける快適性を兼ね備えた)的性格を与えた「アウトバック」を1995年からアメリカ向けに展開した。


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