レイ_(ハワイ)
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レイの文化は、12世紀頃にやってきたポリネシア人たちによってもたらされたと考えられており、古来より魔除や供物、社会的地位の象徴として用いられた[1][3]。その後19世紀頃に旅行者や移住者によって持ち込まれた植物(カーネーションクチナシジャスミンマリーゴールドパンジープルメリアバラスミレなど)を利用することで大きな進化を遂げた[3][4]

レイの材料として、初期は貝殻イノシシの牙犬の歯鳥の羽根髪の毛などが用いられていたが、近年は草花木の実海草など植物を用いたものが主流となっている他、新しい素材としてセロファンを用いたものもある[3]。さまざまなシーンにおいて、感謝の気持ちや敬愛の念を籠めて、さまざまな種類のレイが贈られる。これは自然を通してマナを得るという、ハワイ古来の自然崇拝信仰から来ているもので、レイを贈る時のいろいろな気持ちを総括してハワイ語アロハと呼ぶ[2][5]
種類と意味

レイは、素材の種類や製作手法によって細かい呼称や籠められた意味が異なる[5]。また、ハワイ諸島の各島にはそれぞれ島を象徴するレイが規定されている[5]。形状による呼称としては花などを一列に重ねただけのもっともオーソドックスなクイ、細かく編込んだヒリ、ツイストさせた形をとるウィリ、複数種類を混ぜ合わせたハクなどがある[2]

フラワーレイの代表的な種類と利用シーンは以下のようなものがある。

名称概要
ピカケハワイ語で孔雀を意味するレイで、ジャスミンを用いる。開ききっていない花をビーズのように繋いで作られる[2]
カイウラニの愛した花として知られ、結婚式の際に花嫁が身につけることが多い[5]
マイレキョウチクトウ科の植物の葉を用いたレイで、唯一輪になっていない。
主にフラで使用されたり、結婚式の際に花婿が身に付けることが多い[5]
ティ・リーフ食べ物の器としてや、レイ自体のラッピングとしても利用される植物である[2]
心身を癒し、邪気を祓う力があるとされ、僧侶などが身に付けた[5]
ハラ山吹色のパンダナスの果実を用いたレイで、終わりと始まりを意味する。
そのため卒業式や入学式のシーンで用いられる[5]
マウナ・ロア薄紫色の花の蕾を使用したレイで、日持ちすることから他の島へ行く際の船旅などで利用される[2][5]
プア・キカシガーフラワーとも呼ばれる細長い植物を用いたレイで、主に男性に贈られる[2][5]
乾燥させて色や形を保てることから土産物としても利用できる[2]
オハイ・アリイ南米産の赤と黄色の絢爛な花を用いたレイで、晴れの場で女性に贈られることが多い[5]
イリマオアフ島の代表レイ。
ハイビスカスに似た黄色い花を用いるレイで、かつては王族のみが着用を許されていた[5]
オヒアレフアハワイ島の代表レイ。
濃厚な香りを放つレイで、伝統的な儀式の際に用いられる[5]

また、島のレイとして規定されている植物はそれぞれ以下の通りである[5]

島シンボルとされる自然備考
オアフ島イリマ黄色とオレンジの2種類、多くはオレンジを使用。
ハワイ島オヒアレフア赤と黄色の2種類、多くは赤色を使用。
モロカイ島ククイ実。ハワイ州の木でもある。実の油でロミロミやキャンドルにも使用。
マウイ島ロケラニロゼラニ とも呼ぶ。
ラナイ島カウナオア
カウアイ島モキハナ実。汁に触れると肌がかぶれるため、リーフなどを絡めるのが主流
カホオラヴェ島ヒナヒナ日本では「スパニッシュ・モス」で流通
ニイハウ島ニイハウ・シェル貝。1粒でも高価な価値があり、島への上陸は特許が必要。

脚注[脚注の使い方]^ a b c 矢野1990


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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