レイダース/失われたアーク《聖櫃》
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

また、この時にカウフマンは物語の礎となる契約の箱(聖櫃)キーアイテムとすることやナチスとの対立などの要素を提案した[17][19][20]。ルーカスはカウフマンが監督することを望むが、カウフマンは既に『アウトロー』(1976年)の制作に取り組んでいたため、ルーカスは一旦企画を停止。『スター・ウォーズ』の制作・監督に専念した[17][21]

1977年5月、ルーカスは公開された『スター・ウォーズ』へ興行的失敗の可能性を感じたため、ハワイに逃避し休暇をとる。この時、スティーヴン・スピルバーグが『未知との遭遇』の撮影を終え同じハワイで休暇を取っていたことで彼と対面。「『007シリーズ』のような作品を監督したい」と言うスピルバーグに「それならこんな企画がある」とルーカスが明かしたのが、本作の企画であった[22][23]。ハワイから帰った数ヵ月後、カウフマンがプロジェクトに参加できないと分かったことでルーカスは正式にスピルバーグに参加を依頼し、スピルバーグは監督を引き受けた[24]
脚本

ルーカスとスピルバーグは映画の部分的なアイデアは多く持っていたが、その間の物語のギャップを埋めるために脚本家のローレンス・カスダンを雇った[25]。3人により、俳優のクリント・イーストウッド三船敏郎、そしてジェームズ・ボンドを基にインディ・ジョーンズの基本的な人物設定が作られた[24][26]

スピルバーグが『1941』(1979年)を監督している間、カスダンは連続活劇を筆頭に『赤い河』(1948年)や『七人の侍』(1954年)などを参考にして脚本を執筆[25]。1978年8月に第一稿を完成させた[27]。その後、スピルバーグの「話は良いが長すぎる」との評価から、カスダンとルーカスは協力して改良を行った[24]。ここで、トロッコの追跡や上海への旅、銃撃から身を守るためにゴングを使用するインディなど、後に続編の『魔宮の伝説』で使われることになるいくつかのアイデアがカットされた[28]。さらにジョーンズとマリオンのラブストーリーの多くも削除されるなど縮めて[25]、脚本は1979年12月までに完成した[24]
製作

ルーカスは、自身の運営するルーカスフィルムでの製作を決めたが資金不足が判明。資金提供を受けるため、複数の大手ハリウッドスタジオに本作の配給権を売り込んだ[26]。だが、ルーカス側の提示した「スタジオは予算だけを提供し、作品内容には口を出さない」「作品のライセンスと続編製作の権限は持たない」という条件がネックとなり、全てのスタジオが契約を一旦拒否[26][27]。また、スピルバーグが当時「参加すると必ず予算超過になる」と悪評高かったことも契約を躊躇させる一因となっていた[26]。だが、脚本に魅力を感じたパラマウント映画マイケル・アイズナー社長がルーカスと妥協案も含めて話し合い、その結果「続編製作時の製作・配給独占権」「スケジュールや予算を超えた場合の厳しい罰則」と引き換えにルーカスの契約に同意した。パラマウントから、ルーカスは100万ドル?400万ドルを、スピルバーグは最大150万ドルと総利益の一部を受け取ったという[17][27]

プロデューサーには、小規模作品のプロデュース経験を持ち「スケジュールと予算を遵守する」とスピルバーグから信頼されていたフランク・マーシャルが雇われた。スピルバーグは、撮影監督のダグラス・スローカムとプロダクション・デザイナーのノーマン・レイノルズを雇った[26][24]。ルーカスは、第二班のディレクターと映画の製作総指揮に就任。ルーカスは、知人のハワード・G・カザンジャン(英語版)をもう一人の製作総指揮者として起用し、長年の協力者であるロバート・ワッツ(英語版)をアソシエイト・プロデューサー兼プロダクション・マネージャーとして連れてきた。

パラマウントは、撮影スケジュールを85日間と義務付けたが、スピルバーグの「もう予算やスケジュールの超過で批判されることは避けたい」との決意から、ルーカス、スピルバーグ、マーシャルは自主的に「撮影は73日間で抑える」と決めた[26][24]。スピルバーグは予算を低く抑えるためにより速いペースで作業し、ルーカスとはそれぞれ別の作業に取り組んだ[26]。また、あらかじめ脚本の80%以上を絵コンテで描き起こしてもらい、これによりスピルバーグはシーンを事前に視覚化し、撮影にかかる時間を想定しながら製作することが可能となった[26]
キャスティング

インディ役に関して、ルーカスは本作が成功すればシリーズ三部作にすることを構想していたこともあり、役と作品に対して全力を捧げることをいとわない、比較的無名の俳優を希望した[26]ジェフ・ブリッジスなど多くの候補者が挙がる中、当初はルーカスの妻であるマーシア・ルーカスが好んだことを理由にトム・セレックがオファーされたが、セレックは当時出演していたテレビシリーズ『私立探偵マグナム』に関する契約上の問題からこの役を断ってしまう[26]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:153 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef