レイダース/失われたアーク《聖櫃》
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3人により、俳優のクリント・イーストウッド三船敏郎、そしてジェームズ・ボンドを基にインディ・ジョーンズの基本的な人物設定が作られた[24][26]

スピルバーグが『1941』(1979年)を監督している間、カスダンは連続活劇を筆頭に『赤い河』(1948年)や『七人の侍』(1954年)などを参考にして脚本を執筆[25]。1978年8月に第一稿を完成させた[27]。その後、スピルバーグの「話は良いが長すぎる」との評価から、カスダンとルーカスは協力して改良を行った[24]。ここで、トロッコの追跡や上海への旅、銃撃から身を守るためにゴングを使用するインディなど、後に続編の『魔宮の伝説』で使われることになるいくつかのアイデアがカットされた[28]。さらにジョーンズとマリオンのラブストーリーの多くも削除されるなど縮めて[25]、脚本は1979年12月までに完成した[24]
製作

ルーカスは、自身の運営するルーカスフィルムでの製作を決めたが資金不足が判明。資金提供を受けるため、複数の大手ハリウッドスタジオに本作の配給権を売り込んだ[26]。だが、ルーカス側の提示した「スタジオは予算だけを提供し、作品内容には口を出さない」「作品のライセンスと続編製作の権限は持たない」という条件がネックとなり、全てのスタジオが契約を一旦拒否[26][27]。また、スピルバーグが当時「参加すると必ず予算超過になる」と悪評高かったことも契約を躊躇させる一因となっていた[26]。だが、脚本に魅力を感じたパラマウント映画マイケル・アイズナー社長がルーカスと妥協案も含めて話し合い、その結果「続編製作時の製作・配給独占権」「スケジュールや予算を超えた場合の厳しい罰則」と引き換えにルーカスの契約に同意した。パラマウントから、ルーカスは100万ドル?400万ドルを、スピルバーグは最大150万ドルと総利益の一部を受け取ったという[17][27]

プロデューサーには、小規模作品のプロデュース経験を持ち「スケジュールと予算を遵守する」とスピルバーグから信頼されていたフランク・マーシャルが雇われた。スピルバーグは、撮影監督のダグラス・スローカムとプロダクション・デザイナーのノーマン・レイノルズを雇った[26][24]。ルーカスは、第二班のディレクターと映画の製作総指揮に就任。ルーカスは、知人のハワード・G・カザンジャン(英語版)をもう一人の製作総指揮者として起用し、長年の協力者であるロバート・ワッツ(英語版)をアソシエイト・プロデューサー兼プロダクション・マネージャーとして連れてきた。

パラマウントは、撮影スケジュールを85日間と義務付けたが、スピルバーグの「もう予算やスケジュールの超過で批判されることは避けたい」との決意から、ルーカス、スピルバーグ、マーシャルは自主的に「撮影は73日間で抑える」と決めた[26][24]。スピルバーグは予算を低く抑えるためにより速いペースで作業し、ルーカスとはそれぞれ別の作業に取り組んだ[26]。また、あらかじめ脚本の80%以上を絵コンテで描き起こしてもらい、これによりスピルバーグはシーンを事前に視覚化し、撮影にかかる時間を想定しながら製作することが可能となった[26]
キャスティング

インディ役に関して、ルーカスは本作が成功すればシリーズ三部作にすることを構想していたこともあり、役と作品に対して全力を捧げることをいとわない、比較的無名の俳優を希望した[26]ジェフ・ブリッジスなど多くの候補者が挙がる中、当初はルーカスの妻であるマーシア・ルーカスが好んだことを理由にトム・セレックがオファーされたが、セレックは当時出演していたテレビシリーズ『私立探偵マグナム』に関する契約上の問題からこの役を断ってしまう[26]。その後、スピルバーグはルーカスが監督した『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』でハン・ソロ役として出演していたハリソン・フォードを見て「役にぴったりだ」と彼をインディ役に推薦[26]。ルーカスは「私が彼に依存しているように見える」と反対したが、撮影開始まであと3週間に迫ったことで折れ、フォードに出演を依頼。フォードは、スピルバーグの熱意から「組めば楽しい仕事になる」と感じたことでそのオファーを快諾した[26]

ヒロインのマリオン役に、当初スピルバーグはデブラ・ウィンガーを望んだが、彼女は興味を示さなかったためこれを断った。また、スピルバーグは当時交際していたエイミー・アーヴィングにもマリオン役を打診している。スピルバーグは最終的に、オーディション中のプロ意識に感銘を受けたことでカレン・アレンを抜擢した[26]

ベロック役は、インディと対照的な洗練された俳優が探され、スピルバーグを魅了した鋭い目を持つポール・フリーマンとなった[26]。サラー役はダニー・デヴィートにオファーされたが、スケジュールの問題と、彼のマネージャーが法外なギャラを望んだため参加できず、『将軍 SH?GUN』での好演によりジョン・リス=デイヴィスが演じることになった[26]。なお、サラー役のオーディションにはケヴォルク・マリキャン(英語版)が参加したが、交通渋滞による遅刻が原因で不合格となり、彼は後に『最後の聖戦』でカジム役を演じた。

ゲシュタポのトート役は、最初にクラウス・キンスキーへオファーされた。だが「スピルバーグと仕事がしたい気持ちと同じくらい、脚本の稚拙さを感じた」との理由で同時期製作の映画『恐るべき訪問者 (別題: ヴェノム/イートン街の殺人)』への出演を選ぶ。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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