レイダース/失われたアーク《聖櫃》
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1999年、「文化的・歴史的・芸術的にきわめて高い価値を持つ」とみなされアメリカ国立フィルム登録簿に登録された[3][4]
ストーリー

1936年プリンストン大学で教鞭を執る高名な考古学者インディアナ・ジョーンズ教授(インディ)は、愛用のハットと鞭を手にして秘境や遺跡を探検する冒険家であり、世界中の宝物を探して発見するという凄腕のトレジャーハンターでもあった。

南アメリカの森からホヴィト族の追跡を感じながらチャチャポヤンの遺跡へ向かうところから始まる。トラップを熟知し、それらをくぐりぬけ、ゴールデンアイドル(英語版)を手に入れるが、遺跡を出るとインディのライバルであるフランス人の考古学者ルネ・ベロックが待ち構えており、彼によりゴールデンアイドルを奪われ、更にホヴィト族から追跡されるも、なんとか水上機で逃げ出す。

後日、アメリカ陸軍情報部よりインディの下にナチス・ドイツエジプトカイロ近郊のタニスの遺跡を発見して聖櫃(アーク)の発掘に着手したという情報が舞い込む。また情報部が傍受したドイツ軍の電報によれば、聖櫃の在り処を示す重大な手がかり、ラーの杖飾りは、インディの恩師であるアブナー・レイヴンウッド教授の手にあるという。何としてでもナチスより先に聖櫃を手に入れろとの依頼を受け、インディは聖櫃の争奪戦に臨む。その頃べロックは、ドイツ国防軍聖櫃発掘部隊の指揮官であるヘルマン・ディートリッヒ大佐と共に、タニスの発掘現場へと送り込まれていた。

インディはアブナーの日記を手がかりに、一路ネパールヒマラヤ山脈奥地の寒村へと向かう。彼の娘であり、かつてインディの恋人でもあったマリオン・レイヴンウッドが営む酒場を訪れるが、既にアブナーは死亡していた。マリオンも今やインディに協力的ではなく、また明日来るようにと言って彼を追い返すが、直後にインディを尾行していたゲシュタポのエージェントアーノルド・エルンスト・トートらが酒場に現れ、マリオンに杖飾りを渡すように強要する。トートはマリオンの目を火かき棒で焼き潰そうとするも、間一髪でインディが現れてこれを阻止。炎に包まれた酒場での銃撃戦の中、トートは炎に炙られていた杖飾りを見つけて拾い上げるものの、手のひらに火傷を負い、あまりの苦痛に杖飾りを手放して店を飛び出してしまう。結局、店は焼け落ちて、杖飾りを取り戻したマリオンはインディと共にエジプトへと向かうのであった。

カイロに到着したインディは、友人の発掘王サラーを頼りに、タニス発掘の情報を集める。しかし、ディートリッヒの部下から襲撃を受け、マリオンがトラックの爆発に巻き込まれてしまう。その上、既にドイツ軍が杖飾りのコピーを入手していることを知る。実はディートリッヒらに合流したトートの火傷痕から複製されたのだが、杖飾りは両面そろって初めて正しい発掘場所を示す為、片面しか得ていないドイツ軍は未だに聖櫃が隠された「魂の井戸」の特定には至っていなかった。

次の日、インディとサラーはエジプト人採掘者に紛れて遺跡の発掘現場へと潜入し、本物の杖飾りを用いて「魂の井戸」の場所を突き止め、さらに生きたまま捕えられているマリオンを発見する。そして密かに発掘を行い、ついに「魂の井戸」と聖櫃を発見するも、明け方になってベロックらに現場を見つかってしまう。インディは聖櫃を奪われた上、マリオンと共に「魂の井戸」に閉じ込められてしまう。

「魂の井戸」からインディとマリオンは脱出して、脱出した先の飛行場で、聖櫃をベルリンへ空輸する準備に取り掛かっているところを目撃し、輸送機に紛れ込もうとするが、整備士に見つかり乱闘になる。マリオンはパイロットを気絶させるが、輸送機に閉じ込められてしまい、さらに輸送機が動き出し、その場で回り始めてしまう。インディが屈強な兵士と争っている所にドイツ軍の援軍がやって来て、マリオンが輸送機の機銃で応戦するが、その際燃料の保管場所にも命中して爆発、さらに輸送機の翼に当たって給油車から漏れたガソリンに引火してしまう。激闘の末、インディと格闘した兵士は輸送機のプロペラに引き裂かれ、インディは輸送機の扉を銃撃してマリオンを救出し輸送機が爆発する前に脱出、タニスから聖櫃の空輸を阻止することに成功する。

ベロックらは計画を変更し、カイロから聖櫃を空輸することに変更し、テントに隠れていたインディとマリオンを発見したサラーは、それをインディに伝える。ベロックらは聖櫃を積んだトラックと共にカイロへと向かうが、馬で追跡してきたインディはトラックごと奪い、カイロでサラーの用意したガレージに身を隠す。インディとマリオンは聖櫃と共にイギリス行き貨物船「バンツー・ウィンド号」に乗り込みエジプトを脱出した。しかし翌朝にはUボートが現れ、ディートリッヒ率いるドイツ兵の臨検を受けて再び聖櫃は奪還され、マリオンも捕えられてしまう。一方のインディは、船長が「海に始末した」と偽ってドイツの目を欺いてくれた隙に、Uボートの外側に何とかしがみ付いていた。

聖櫃を積んだUボートはギリシャクレタ島の秘密基地に到着し、陸に上がったインディは警備兵の制服を奪う。ベロックが儀式の再現を提案すると、当初ディートリッヒはユダヤの儀式だとして反対したものの、空の箱を総統に届ける訳にはいかず、事前確認が必要だと説得され、渋々ながらこれを認める。儀式を行うべく聖櫃を運搬している最中、再びインディは襲撃をしかける。ロケットランチャーを手にしたインディは、マリオンを返さなければ聖櫃を破壊すると脅迫するものの、考古学を愛するインディが聖櫃を攻撃できるはずがないと踏んだベロックは、交渉を拒否。攻撃を断念して捕えられたインディはマリオンと共に柱に縛り付けられ、彼らの目前でついに儀式が開始された。

ところが、ベロックが聖櫃のフタを開くと、中には砂が入っているばかりであった。ディートリッヒは激怒し、トートは嘲笑したが、直後に発電機や電球がひとりでに破損し、聖櫃の中で光が発すると精霊が飛び出してドイツ兵たちの間を飛び回る。異変を察したインディはすぐさまマリオンに目を閉じるように言って自らも目を閉じる。やがて美しい精霊は恐ろしい姿に豹変し、聖櫃から飛び出した雷撃がドイツ兵たちを串刺にした。そして、聖櫃から上がる炎でディートリッヒは干からび、トートはドロドロに溶け、べロックの頭は破裂した。天まで届いた聖櫃からの炎が収まり、インディとマリオンがようやく目を開けると、もはや人の気配はなく、聖櫃だけが残されていた。

その後、インディはワシントンにて陸軍情報部への報告を終えるが、担当者たちが聖櫃の真価を理解しなかったことに失望を憶える。そんなインディを慰めるため、マリオンは共に街へと向かう。そして聖櫃は、極秘・開封禁止の焼き印を押された木箱の中に鍵をかけた上で厳重に保管され、「安全な場所」、すなわち無数の木箱が山積みにされた政府機関の秘密の地下倉庫に隠された。
登場人物


インディアナ・ジョーンズ(インディ)(Indiana Jones)
演 - ハリソン・フォード主人公。有名な考古学者にして冒険家。生まれつき蛇が大嫌い(本作時点での設定。後にインディ・ジョーンズ/最後の聖戦にて若いころは蛇嫌いではなかったと判明する)。美術品は美術館に収められるべきというポリシーを持つ。


マリオン・レイヴンウッド
(英語版)(Marion Ravenwood)
演 - カレン・アレンインディの恩師であり、かつてシカゴ大学で教鞭を執っていたアブナー・レイヴンウッド教授の娘。またインディのかつての恋人でもあった。ネパールで酒場を営んでいるが焼かれてしまう。アークを見つける鍵となる「ラーの杖飾り」を父から譲り受けており、インディと共にエジプトへ向かう事となる。酒に極めて強い。インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国でも事実上のヒロインとして再登場する。


サラー
(英語版)(Sallah Mohammed Faisel el-Kahir)
演 - ジョン・リス=デイヴィスインディの友人で、エジプトの発掘屋。ディートリッヒ率いるドイツ国防軍聖櫃発掘部隊によって発掘作業に徴用されているが、インディに採掘に関する情報を与えるなど、その活動を支援する。ファヤー(Fayah)という妻がおり、9人の子供を授かっている。家族は劇中にも登場している。


マーカス・ブロディ(Marcus Brody)
演 -
デンホルム・エリオットインディの務める大学の副学部長で、友人であり上司でもある。


ルネ・ベロック(Rene Emile Belloq)
演 -
ポール・フリーマンフランスの考古学者で、インディのライバル。インディとは違って狡猾な現実主義者で、インディが苦労して手に入れた宝を横から奪っていく、ハイエナのような男でもある。聖櫃を求めナチスと組んではいるものの、内心では考古学に無知なディートリッヒやトートを軽蔑しており、同じ理由からアドルフ・ヒトラーも見下している。マリオンに好意を抱いており、しばしばディートリッヒやトートの手からマリオンを遠ざけようとする。


アーノルド・エルンスト・トート
[注釈 2](Arnold Ernst Toht)
演 - ロナルド・レイシーゲシュタポのエージェント。常に黒いレインコート姿で薄笑いを浮かべており、手荒な拷問を得意とする。ナチスの古参党員らしく、襟には黄金ナチ党員バッジがある。ラーの杖飾りを手に入れるべく、マリオンの酒場に現われるが、火事の火によって高温になった杖飾りをつかんだため右掌に火傷を負い、紋章の跡が刻まれる。


ヘルマン・ディートリッヒ(Herman Dietrich)
演 -
ヴォルフ・カーラーナチス・ドイツ聖櫃捜索隊の司令官。所属・階級はドイツ国防軍大佐。ベロックと手を結び、卑怯な手段も使う。


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