レイジー
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同年7月、RVC(現:ソニー・ミュージックレーベルズ)のRCAレーベルよりデビュー。本来はハードロック志向のバンドだったにもかかわらず、制作サイドの意向によりベイ・シティ・ローラーズのようなイメージを要求されることになり(景山によると「上京してすぐに美容室に連れて行かれ、髪を切られた」とのこと)、ニックネームとお揃いのコスチュームを与えられた。かまやつはポール・ロジャースにデビュー曲を書かせるという約束をしていたのだが実現せず、実際のデビュー曲『Hey! I Love You!』は森雪之丞(作詞)、馬飼野康二(作曲)のコンビによるものとなった。以降、音楽プロダクションとしてはトライアングル・プロダクションに所属するが、プロデューサーはその後角松敏生オメガトライブ等を手掛ける元アウト・キャスト藤田浩一と元ザ・タイガース森本太郎が務め、ディレクターは元パープル・シャドウズの岡村右が務めるなどグループ・サウンズ系の人物が深く関わっていた。この方針はメンバーを困惑させることになった。しかし、「売れれば好きなハードロックができる」との説得を受け、これに応じることになる。後に景山は「生き残るということを考えれば(アイドル路線は)妥当なものだったと今なら思えるが、当時はショックの方が大きかった」と、高崎は「ロックは弾けてもポップは弾けないと分かったので、将来のことを考えて音楽性を広げるために真面目に練習したが、ストレスは溜まった」と語っている。

1978年、3枚目のシングル赤頭巾ちゃん御用心』がオリコン32位にランクインし、レイジーの名を一躍有名にする。しかし、自分たちが望まない路線でのヒットはメンバーの苦悩をさらに強くするものであった。
音楽性の追求

シングルではポップなアイドル路線を歩む彼等だったが、ステージではロックナンバーも演奏する等、自分達の原点であるロックへのこだわりを見せていた。特に高崎のギタープレイは同世代のギタリストからも注目され、1979年には遠藤賢司が会長となって「レイジー男だけのファンクラブ」が結成された。デビュー曲を作詞した森雪之丞も参加している。その後、シングルでもアルバムでもハードロック調の楽曲を発表していき、4thアルバム『Rock Diamond』では全10曲中8曲をメンバー自身が作曲している。

しかし、その一方で依然としてアイドル路線の曲の発表も続いており、彼等は「やりたい音楽」と「求められる音楽」のギャップを感じ続けていた。
ヘヴィー・メタル宣言?解散

この頃新たに事務所の紹介でプロデューサーとなった伊集院静からの提案を受けて[1]1980年7月から始まったツアー『DOMESTIC TOUR IN SUMMER』で「ヘヴィー・メタル宣言」が行われた。これは彼等が「本当にやりたい音楽」をやるための、宣戦布告とも呼べるものだった。ただしその代償として、事務所から樋口が解雇されかけるなどの問題も発生し、しまいには「レコーディングにスタッフが誰も来なくなった」ほどに事務所から見放された[1]。その後、シングル『感じてナイト』を経て発売されたアルバム『宇宙船地球号』はハードロック調の曲で統一され、それまでのアイドルバンドとしての彼等のイメージを根底から覆した。

本来ハードロック志向だった彼等にとっての原点回帰となったのが『宇宙船地球号』であり、これが本当のスタートになるかと思われたが、より本格的なヘヴィメタルを追求したかった高崎と田中と樋口、ハードロックより過激なヘヴィメタルという新しい音楽性に付いて行けなくなった影山と井上とのメンバー間の音楽性の違いが浮き彫りになっていった[2][3]。そのため、景山の20歳の誕生日である1981年2月18日調布グリーンホールで行われたライブで解散宣言が行われ(その模様はライブ・アルバム『燃えつきた青春』に収録されている)、同年5月31日、正式に解散した。
解散後

高崎と樋口は、ヘヴィメタルバンド「LOUDNESS」を結成(初期は田中も参加していたが正式なデビューの前に脱退)、1981年11月に『THE BIRTHDAY EVE ?誕生前夜?』でデビュー。1985年には『THUNDER IN THE EAST』で世界進出を果たし、ビルボード総合チャートで74位を記録した。1993年に所属事務所の契約トラブルにより樋口が一度脱退し、自身のバンド「SLY」を結成。2000年からLOUDNESSに復帰。

井上はトライアングル・プロダクション所属の3人組コーラスグループ「トロワ」とのユニット「BIG BANG」に参加するも、デビュー準備段階だった角松敏生とのユニット結成をめぐる藤田との確執により事務所を離脱[4]


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