ルーマニア
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国勢調査ではロマ人の人口は約61万9000人とされているが、NGOは、これを大きく上回る約200万人と試算しており[24]ロマ人はルーマニアの全人口の約8%[25]から約10%を占め[26]、約190万人[27]とも約200万人いるともいわれる[28]ロマ人は、すべての少数民族のうち、人口の算出がもっとも難しい民族であり、長きにわたって虐げられてきたロマ人に対する広範な差別は、雇用および住宅面などで依然根強いものがあり[24]、「ジプシー」という烙印を押されるのを免れようとして、多くのロマ人国勢調査で自らをルーマニア人と自己申告しており、事実、このようなロマ人の多くは身分証明書を所持していない[29]2002年国勢調査では、ロマ人と自己申告した者は53万5140人であり、ルーマニア全人口の2.5%に過ぎない[30]。しかし、ロマ人が多く住む東南ヨーロッパのなかでも、ルーマニアに住むロマ人の人口は群を抜いて多く、ルーマニアの社会学者の低めの推計では約100万人としている[30]。一方、マイノリティ・ライツ・グループ(英語版)の1995年の報告では、約180万人から約250万人と試算しており、ロマ人はルーマニア全人口の8%から11%を占めている[30]国勢調査ロマ人であると自己申告した者のうち、約半数がロマ語母語としていると申告しており、このことは、ルーマニア人への同化に段階性があり、同化が進行した者のなかには、その母語に従ってルーマニア人として自己申告している者が多数いる事実をうかがわせる[31]欧州評議会は、約185万人のロマ人がルーマニアに住んでおり、ルーマニア全人口の約8.32%がロマ人と推計している[32]世界銀行は、ルーマニアには約300万人のロマ人がいると推計している[33]ブカレスト大学のMarian Predaは、1998年ロマ人に関する研究をおこない、ロマ人の人口を150万人と割り出したが、そのうちの100万人は、公式の国勢調査においてロマ人と自己申告していなかった[33]。つまり、ルーマニアのロマ人の3分の2以上が、恐怖差別などの理由で出自を隠し、自らをルーマニア人と自己申告しており、ルーマニアのロマ人のせいぜい3分の1だけが自らをロマ人と自己申告していた[33]上院議員であるマダリン・ヴォイク(英語版)は、「ルーマニアだけで70万人から130万人の定住生活者がいる他、70万人程度の移動生活者がおり、結果、ルーマニアのロマ人の人口は200万人ほどになる」と述べている[33]国際連合開発計画は、「ルーマニアは、専門家の推定では、最低180万人から最大250万人のヨーロッパで最大、そしておそらく世界でも最大のロマ人を抱えている」と報告している[34]ニュージーランドの社会開発省(英語版)のアナリストであるChungui Qiaoは、「ヨーロッパのロマ人の人口は700万人から900万人と推定されています。ルーマニアは、ロマ人の絶対数が最も多く、100万人から200万人の範囲にある国です」と報告している[35]
言語

公用語はルーマニア語である。ルーマニア語はロマンス諸語の一つであり、古代ローマ帝国で話されていたラテン語の方言が変化したものである(なお、東欧ではロマンス系言語を公用語とする国家はモルドバとルーマニアだけである)。その他、ロマ語ハンガリー語ドイツ語フランス語なども使われている。
婚姻

ルーマニアの結婚は法的なもの、教会での結婚式、披露宴の3段階で進行されており、この流れが正式なものとなっている[36][37] 。だが、歴史上ではロマやジプシーなどの文化で少女の誘拐婚が正式な行為とされていたことから、その名残として(形骸化されつつも)現在も儀式的に児童婚が継続される問題点を持ち合わせている[38]。2020年時点でのセーブ・ザ・チルドレン・ルーマニアによる分析では、ルーマニアでは思春期の妊娠率が高いにもかかわらず、結婚している母親は殆どいなかったと述べられている。農村部の思春期の母親を対象とした調査によると、結婚している人は2%未満に止まるとのこと[39][40]
統計

2015年を例にとってみると、ルーマニアでは12万5,000組超の婚姻が登録された(ルーマニア国政府の統計局によるデータ)。そのうち18.2%は25 - 29歳の(の年齢帯に統計局によって分類された)男女であり、14.3%は20 - 24歳の男女である。2015年の統計では、婚姻時の女性の平均年齢は29.1歳で、男性の平均年齢は32.5歳であった(平均年齢は、この年、前年と比べてやや上昇した)[41]

離婚数は2015年には3万1,527件であり、この年は前年比で15.9%増加した[41]
行政的な結婚と宗教的な結婚

ルーマニア政府は、ルーマニア国民がそれぞれに住む地域の市役所で行う結婚式のみを法的に認知している。したがって、多くのカップルが市役所での結婚式を終えたあとに改めて宗教的な結婚式を行うことを選ぶ[42]

なお婚姻の際には、自己の姓を用い続ける(夫婦別姓)、相手の姓を用いる(夫婦同姓)、相手の姓を付加する、のいずれかを選択できる。「ルーマニア語の人名(英語版)」も参照
同性カップルの位置づけ

2019年時点で、ルーマニアでは同性婚を新たにすることは法的には認められていない(ただし、欧州連合においてすでに同性婚をしたカップルがルーマニアで暮らす場合は、婚姻関係にあると法的に認知される。en:Recognition of same-sex unions in Romaniaも参照)。

ルーマニアは、概して言えば、LGBTなどに関しては「保守的」である。LGBTなどの人々はルーマニアでは社会的な障壁に直面することになる。ただし、2000年以降にかなりの変化も見られ、この20年ほどの間に、ホモフォビアやそれに関連するヘイトクライムを禁止する法律が成立してきている(en:LGBT rights in Romaniaも参照可)。
宗教詳細は「ルーマニアの宗教」を参照

2011年の調査によれば、キリスト教正教会の一派ルーマニア正教会が81%、プロテスタントが6.2%、カトリックが5.1%、その他(その他のキリスト教、イスラム教(英語版)、エホバの証人ユダヤ教)が1.2%、無宗教が0.2%、無効データが6.2%である。
教育詳細は「ルーマニアの教育(英語版)」を参照

7歳から14歳までの8年間の初等教育前期中等教育義務教育であり、無償となっている。

主な高等教育機関としては、ブカレスト大学(1864年創設)などが挙げられる。
保健詳細は「ルーマニアの保健(英語版)」を参照

ルーマニアの死亡率はヨーロッパで5番目に高く、人口10万人あたり691人であり、他のEU加盟国に比べて外的要因および感染症寄生虫症による死亡者が多く見られる(4?5%)[43]

2004年のルーマニアでの主な死因は心血管疾患(62%)であり、次いで悪性腫瘍(17%)、消化器疾患(6%)、事故負傷および中毒(5%)、呼吸器疾患(5%)と続く[44]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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