ルパン三世_PART5
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中編エピソードの脚本は「EPISODE I」「EPISODE III」「EPISODE IV」を大河内、「EPISODE II」を雑破業、1話完結型エピソードの脚本は大河内や副監督の酒向大輔をはじめ、野島一成大倉崇裕綾奈ゆにこ時雨沢恵一西田シャトナーがそれぞれ務めた。1話完結型エピソードではそれぞれのルパン像が描かれ、キャラクターデザインや背景イメージには当時のスタッフが参加するなど、エピソードに合わせて異なる演出を盛り込んでいる[4][5]

上述の通り、主要スタッフの多くは『TV第4シリーズ』から引き継がれた。キャラクターデザインも引き続き横堀久雄が起用されたため『TV第4シリーズ』から大きな変更はないが、現代を描くにあたって『TV第4シリーズ』における強弱のある線から少しスッキリした線に変更された[9]

アフレコに関して、初代ルパン三世役である山田康雄は映像が完成していないと「仮に録音した台詞と後からニュアンスや長さの違う絵が完成しても、リテイクの時間的余裕は無くそのまま放送される。その場合、演技で恥をかくのは役者である」との考えから収録を共演者と共にボイコットしたという逸話を持っており、そうした声優側の意向を「役者さんに100%の演技をしてもらおう」と山田の没後もスタッフが可能な限り守っていることから、近年では珍しく映像は毎週完成された状態で収録された[2]

音楽はこれまでのシリーズと同様大野雄二が担当。180曲以上の書き下ろし曲[11]のほかに、「デンジャラス・ゾーン」や「マグナム・ダンス」、「恋はサンパウロ」など過去作のアレンジ版BGMや『TV第4シリーズ』のBGMも使用されている。
あらすじ

ここではメインエピソードに当たる中編4本について記載し、本編と直接関係ない短編については省略する。
EPISODE I

フランスへやってきたルパン達の今度の狙いは、闇のサイト「マルコポーロ」から仮想通貨を盗み出すこと。そのためにシステム作成者がいるというツインタワーの地下へ向かうが、そこにいたのはアミ・エナンという14歳の少女であり、ネット界では「アンダーワールド」として有名なハッカーであった。アミを連れ出したルパン達は彼女の手で仮想通貨を盗むことに成功するが、被害を受けたマルコポーロの幹部達はその腹いせに「ルパン・ゲーム」を考案。ルパン達はネットやSNSを通じてその行動を逐一把握され、世界中の人々から追い回される羽目になる。ブワンダ共和国へ逃亡したルパンはそれを逆手に取り、自らの行動をSNSにアップすると、世界中の人々はルパンに興味を失い、ルパン・ゲームは終息していく。ところが、マルコポーロの幹部達は次なる企画として、ターゲットの死亡日を予想してかけを行う「ハッピー・デス・デイ」を企画。ルパン達は今度は暗殺者たちに狙われることになる。暗殺者を次々と躱すルパン達であったが、最後に現れた不二子がルパンに銃口を向ける。そこに銭形が現れ、ルパンとアミを連れ出す。3人はブワンダの軍人に追われた挙句、国境を目指して砂漠を超えることになるが、国境付近で待ち構えていた殺し屋「ドローン・ファイター」に頭を撃ちぬかれる。その後、アミはマルコポーロの幹部の1人であるピーカブーに面会しようとして追い詰められるが、実はドローンに細工をして死亡したように見せかけていたルパンの策略であり、ピーカブーは敗北。残る幹部であるチャップチップとムームーも次元と五ェ門に取り押さえられ、マルコポーロは壊滅。ドローン・ファイターとしてゲームに参加していた不二子は賞金を独占し、アミはアヌシー学院に編入して人生をやり直すことになった。
EPISODE II

ルパンはかつて「偽造の名人」として名をはせた旧友のガストンから一枚の絵を盗み出す依頼を受ける。その絵画はガストンの孫が描いた絵で、ピカソのサインを書いたらミスターBに買われてしまったという。ルパンは首尾よく絵を盗み出すことに成功するが、その絵を治安総局局長のギョームに狙われる。絵の中には「黒い手帳(カルネ・ノワール)」というフランスの司法・警察官僚の幹部がこれまで行ってきた不正や犯罪のすべてが記述されている手帳が隠されていることが判明し、ギョームら治安総局の狙いはその黒い手帳だった。ルパンは依頼の真意を尋ねにガストンの元へ赴くが、ガストンは1ヶ月前に死亡しており、ルパンに依頼したガストンは「アルベール」という人物の変装で、ルパンはアルベールに利用されていたことを悟る。ガストンの墓地で彼と旧知だというカミーユ・バルドーと知り合うが、彼は元フランス司法警察局の捜査官で、一度見ただけで、すべてを一瞬で記憶できる「瞬間記憶術」の持ち主だった。ギョームの差し向けた殺し屋に追われカミーユと共に逃亡するルパン達だったが、逃亡の最中カミーユは殺し屋の凶弾に倒れて亡くなる。その後、ルパンはアルベールとテレヌブ橋で面会するが、事前にすり替えてあったはずの銃で腹部を撃たれて黒い手帳を奪われ、最後の手段としてアルベールの車を爆発させようとするも既に取り外されていたために失敗し、ルパンは気を失う。しかしアルベールも、ギョームが差し向けた殺し屋のジョゼに襲われ黒い手帳を奪われる。次元と五ェ門に救出されたルパンは、アルベールという人物は、かつてルパンと「ルパン三世」の座をかけて争った「ルパンを棄てた男」アルベール・ダンドレジーだと打ち明ける。一方、ジョゼはギョームを裏切り、手を組んでいた大統領候補のカルヴェスの支持を促すために殺し屋仲間達と共にテロ行為をするようになる。ルパンはアルベールと手を組み、ジョゼ一派の本拠地へと向かう。ジョゼの部下たちはルパン達に次々と倒され、ジョゼの元にたどり着いたルパンは彼の腕を撃ち抜いて優位に立つもそれが義手だったために追い詰められるが、そこに現れたアルベールがジョゼを射殺しジョゼの一派は壊滅。カルヴェスは大統領候補を辞退し、ギョームは更迭されることになった。ルパンと別れたアルベールは黒い手帳をかすめ取った気になったが、それはルパンがすり替えた偽物。本物はルパンによりガストン本人の墓に備え付けられたのだった。
EPISODE III

アミはアヌシー学院に編入していたが、自身が「アンダーワールド」というハッカーであることを周囲に隠そうともせずに中々友達が出来ずにいた所、烏を射る等の奇行で同じく周囲から敬遠されていた少女ドルマと親しくなる。彼女は南アジアにある「パタール王国」の王女であり、王家継承の証である宝石「血と涙の滴」を所有していた。しかしそこへテロ組織が現れて学院を制圧する。教師に変装していた不二子や学院に向かったルパン達により組織は壊滅したが、ルパン一味は血と涙の滴が狙いだった。そこにCIAが現れる。不二子と親しげだった教師の正体はCIAの捜査官マクガイアであり、今回のテロもCIAが糸を引いていたのだ。マクガイアはドルマを連れてパダール王国へと逃げ去る。

パダール王国は、国のIT化を推進する国王率いる改革派、とそれに反発する大司教率いる伝統派に割れていた。パダール王国に入国したルパン達は伝統派のクーデターの計画を察知する。一方のアミも不二子と共にパダール王国へ潜入し、ドルマの元へ向かう。アミはドルマの監禁場所にたどり着くもマクガイアに見つかり追い詰められた所をルパンに助けられるが、そこへ現れたドルマはルパンを弓で射る。負傷したルパンはアミや不二子と共に逃亡する。パダール王国は戒厳令が敷かれ、内戦状態へと突入するが、改革派を支援していたエンゾ・ブロン率いるSHAKEHANDS社の介入により事態は一転。大司教はドルマを傀儡の女王に仕立て、自分が権力を得る事だけが目的だった。回復したルパンは偽のドルマに変装したアミと共に、王位継承式が行われる王宮へ向かう。大司教は国外へ逃亡を図るが、そこにルパンとアミが現れる。部下たちも変装していた次元と五ェ門により全滅させられ、大司教はルパンに取引を持ち掛けようとするもアミによりその模様をネットを通じて全国民に中継され、その野望を晒す羽目になる。パダールの軍人はドルマも国を欺いていたのかと疑うが、そこでマクガイアはドルマを人質にとる。マクガイアは軍人に撃たれて命を落とすが、マクガイアの意図を察したドルマは敢えて彼を敵扱いし、「パダールの敵は伝統派でも改革派でもない!国を食い物にする欧米列強である!パダールの民よ、武器を捨て、手を取り合うのだ!」と国民に宣言。ルパンから「大悪党になる覚悟がある」と認められる。事態の収束後、ドルマはアミだけにマクガイアが初恋の人物だったと打ち明け、アミもまたドルマに初恋の人物を告げた後、ルパンに対して「私はルパンに恋している」と断言する。
EPISODE IV

SHAKEHANDS社の提供する「ヒトログ」は、ネットやSNSからAIが膨大なデータを解析し、あらゆる人間に関する情報を割りだす革新的なサービスである。ウィーンで盗みを働こうとしたルパン達はヒトログによってその行動を逐一把握され、フランスで借りたアジトまでも割り出されてしまう。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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