ルパン三世_ヘミングウェイ・ペーパーの謎
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初回放送版では本編前に、水野晴郎山田康雄モンキー・パンチの3人による対談が行われた[2]

原作漫画の出版権が双葉社から中央公論社に移管したことに伴い、本作からは出版社のクレジットも同社に変更されている。

本作以降、テレビスペシャルでのルパン達は、登場するテレビスペシャルが放送される時期に生きているという設定になった。これは、この頃からルパンがアルセーヌ・ルパンの孫という設定に(いくら不詳といえど)年齢的な問題が発生するようになったためである[3]
あらすじ

ルパンは裏社会で知られる伝説の謎のお宝「ヘミングウェイ・ペーパー」の情報を得る。それはアメリカの文豪アーネスト・ヘミングウェイの遺稿のことであり、地中海での冒険で莫大なお宝を発見した彼は、それを小説に書こうとしたが途中で謎の死を遂げ、原稿も行方不明になったというものであった。ルパンが得た情報では地中海にある島「コルカカ島」に、原稿を納めた宝箱「パンドラの箱」があり、また箱を開ける唯一の鍵「黄金の鍵」はドイツの没落貴族が所有しているという。さっそく黄金の鍵を盗みに向かったルパンであったが一足遅く、「地中海の鮫」と恐れられる死の商人・マルセスの命令を受けた私設軍隊のリーダーであるクレイジー・マッシュに奪われた後であった。マルセスもまたヘミングウェイのお宝を狙っており、傍らには峰不二子がいた。

一方、コルカカ島は数年前から同じくヘミングウェイのお宝を狙って島外からやってきた傭兵部隊の長コンサノと大統領のカルロスの二大勢力による激しい内戦状態となっていた。次元大介はかつて自分と仲間たちを裏切ったマッシュに復讐すべく彼が現れるというコンサノ軍に雇われており、また石川五ェ門は斬鉄剣でも斬れぬという「パンドラの箱」の話を聞きつけ、カルロス軍に雇われていた。コルカカへとやってきたルパンは、一人だけ街に残って酒場を営む気丈な女性マリアの元に半ば強引に居候する。やがてマリアの正体はコルカカ島の民兵組織「サソリ」の生き残りで、島を滅茶苦茶にしたコンサノとカルロスに復讐しようとしていることがわかる。

伯仲していたコンサノ軍とカルロス軍であったが、最新鋭の戦車など、マルセスの助力を得たコンサノ軍が戦況を巻き返し始める。同時にコンサノ軍に加わったマッシュを殺害すべく次元が動き出すが、狡猾で悪運の強いマッシュによって逆に次元はコンサノ軍に捕まってしまう。また、次元の情報からカルロスの宝物庫にパンドラの箱があることを知った五ェ門は、箱に挑戦すべく部屋に侵入するが、箱を斬ることができず、失意の内に不法侵入でカルロス軍に拘束される。一方で不二子と手を組んだルパンは、パンドラの箱を盗み出した上に、マルセスの特別な貸金庫も破って黄金の鍵を手に入れる。箱を開けついにヘミングウェイ・ペーパーを手に入れたルパンであったが、事態を察知したマルセスとマッシュの奇襲を受け、箱ごと原稿を奪われてしまう。

マルセスは原稿に書かれたお宝を手に入れるため、コンサノを指揮下に収めようとするが、彼は既にマッシュと手を組んでおり、マッシュの裏切りでマルセスは射殺される。コンサノはカルロスに負けを認めるように迫り、カルロスはしぶしぶ受け入れるものの、お宝の分配比率を巡って互いの切り札による一対一の決闘を申し出る。こうして助命された次元と五ェ門は一騎討ちの決闘を行うが、五ェ門の機転とルパンの介入で2人は逃げ出すことに成功する。

原稿に記されたお宝の在り処は、島民たちも寄り付かない通称「死の谷」と呼ばれる荒れた峡谷であった。嵐の中、同地を行軍するコンサノ・カルロス両軍であったが道中でルパン一味を発見し、激しい砲撃を行う。この衝撃と雨で谷が崩れて洪水が発生し、両軍は全滅する。逃げ延びたルパンたちは谷の洞窟の奥にあり、原稿には「宮殿」と記された場所に到着する。鉛の壁を壊すとその向こうにはあたり一面が鮮やかな結晶で覆われた幻想的な光景が広がっており、これがヘミングウェイの見つけたお宝であった。しかし、ルパンはすぐにそれが高濃度のウランで、長く留まれば被曝する危険な場所だと気づく。そこに生きていたマッシュが現れ、独り占めにしようとするが、次元の早撃ちで眉間を撃ち抜かれ死亡する。直後に壁や天井が壊れて水が流入し、ルパンたちは洞窟から脱出する。

ルパンはマリアにコンサノたちは亡くなって平穏を取り戻すだろうと伝え、島を後にする。
コルカカ島

本作の舞台で、地中海にある島。かつてヘミングウェイが探索し、お宝を発見したという逸話が残る。このため、ヘミングウェイのお宝を捜して島外から山師たちが押し寄せ、島中に採掘の後がある。観光ヘリのパイロットによると、面積は約4万平方キロメートル(九州よりやや広い)と、現実の地中海最大の島であるシチリア島(約2.5万平方キロメートル)の1.6倍ほどある。

数年前に山師たちの有力者であったコンサノとカルロスが仲違いし、お宝と島の覇権をめぐって内戦状態にある。島の本来の住人たちは街を捨て島の端の方に疎開しており、少し前には民兵組織「サソリ」を立ち上げて抵抗した者たちもいたが、両軍に潰され現在は壊滅している。
登場人物
レギュラー
ルパン三世
世界的な大泥棒。泥棒業界では有名だが真偽もあやふやな「ヘミングウェイ・ペーパー」の情報を手に入れ、これを狙うも次元と五エ門から協力を拒否され、単身で挑むことになる。
次元大介
ルパンの相棒。かつて自分と仲間たちを裏切ったマッシュに復讐するため、彼が現れるという情報を聞きつけたコンサノ軍に用心棒として雇われる。
石川五ェ門
ルパンの仲間。修行中に聞いた斬鉄剣でも斬れぬというパンドラの箱を求めて、カルロスの外人傭兵部隊に加わる。物語のラストで改めてパンドラの箱に挑むも切れず、諦めて軽く叩いたところで箱が切れて拍子抜けする。
峰不二子
ルパンの仲間。死の商人マルセスに秘書として取り入り、ヘミングウェイのお宝を狙う。
銭形警部
ルパンを追うICPOの刑事。ルパンを捕まえるためマルセスの車のトランクに潜むがそのままコルカカ島に連れていかれてしまった上に、今度はコンサノ軍に捕まってしまう。
ゲストキャラクター
マリア
本作のゲストヒロイン。コルカカ島の住人で酒場の女主人。内戦の被害から街を捨てた島民たちの中で、一人だけ残って酒場を切り盛りする気丈な美女。


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