『ルパン三世』の実写化は、2009年に池田宏之(当時KADOKAWA在籍)が企画したが、企画当初の段階では、原作者のモンキー・パンチもプロデューサーの山本又一朗も実写化には否定的だった[4][5]。山本は「『ルパン三世』のファンを失望させるだけ」と反対したが、池田からの数度に渡る説得と、現代のCGI技術の進歩を見て、アニメ版のような演出も可能と考えるようになり、実写化に前向きになっていった[4]。モンキー・パンチも、40年来の親交を持つ山本からの「新しい『ルパン三世』を作りたい」という説得を受け、「任せるから良い作品を作ってくれ」と実写化を許可している[5][6]。
監督には、「どうせ作るのならば、世界で通用する作品にしたい」という山本の意向で、ハリウッドを拠点に活動している北村龍平が起用された[7]。オファーを受けた2012年当時、北村はニコラス・ケイジ主演の映画の企画を進めていたが、「師匠」と慕う山本からのオファーを受け本作の監督を引き受けることになった[8]。実写化の企画を聞かされた際には「やめておけばいいのに」と否定的だったが、山本や主演の小栗旬の熱意を聞きオファーを受けることにした[4]。スタッフには日本人の他に海外のスタッフが多数集められ、前述の映画で撮影監督を担当する予定だったペドロ・J・マルケスを起用した他、映画界で高い評価を受けている韓国のアクションチーム・VFXチームを起用している[9]。 脚本は、山本がプロデューサー兼任で担当している。山本と北村は脚本を練る際に「アニメの痛快さ、原作のハードボイルド、実写のリアリティ」を重視し、舞台にはアジアを設定している[9]。また、山本は「モンキー・パンチさんに喜んでもらうこと」を第一に執筆したと語っている[7]。 舞台をアジアに設定した理由の一つとして、北村は石川五ェ門の存在を挙げている。北村は「現代日本を舞台にした場合、和服で日本刀を持った五ェ門のキャラクターが成立しない」と考え、アジアを舞台とした無国籍な世界観を設定している[10]。舞台をアジアに設定する以前は、五ェ門がビジュアル系の扮装でギターケースに斬鉄剣を忍ばせているという設定も検討していたが、「そんな五ェ門は誰も見たくない」という考えになり、原作通りの五ェ門を登場させることになった[9]。
脚本