大半の作品では原作同様、アルセーヌ・ルパンの孫という設定が使われている。ただし、作品が公開された時期に生きているという設定になることが多いため、1990年以降の作品では年齢的な問題から孫ということに関して言及されることは少なくなった[2]。また、脚本家の三井秀樹はルパンが他の孫を探しに行くストーリーを書き上げたところ、「ルパンはアルセーヌ・ルパンの孫ではない」と放送局サイドの意向で没になったことを後に明かしている[3]。性別はほとんどの作品では男として扱われるが、稀に性別不明と扱われることもある。
長年に渡って制作されているゆえに数々のアニメーターが作画を担当しており、上述の基本は守られているもののキャラクターデザインは作品ごとに大きく異なる。OVA『GREEN vs RED』のオープニングでは「同じルパンなのに皆顔が違う」という旨の台詞で歴代テレビシリーズ・劇場・OVA作品のルパンが次々登場する。また、2011年からアニメ化40周年を記念して各地で開催されている「ルパン三世展 ?This is the world of Lupin the 3rd?」ではパイロット版から時系列順にルパンの顔を並べたパネル展示が行われた。
『TV第2シリーズ』以降、初代担当声優だった山田康雄が独特の節回しやアドリブを多用し、制作も彼がルパンを演じることを大前提とした体制に変化して[4][要ページ番号][5] 山田の個性がルパンのキャラクターに反映されたため、原作とやや異なるコミカルな存在となっている(詳細は「山田康雄#ルパン三世」を参照)。また、山田の後任となった栗田貫一も、基本的には山田が確立させたルパン像を踏襲してルパンを演じている(詳細は「栗田貫一#ルパン三世・山田康雄との関係」を参照)。
服装はジャケットにネクタイが定番。ジャケットの色は作品によって変わっており、シリーズを識別する目印となっている。
緑[注 8](『TV第1シリーズ』・『PART6』など)
赤(『TV第2シリーズ』・テレビスペシャルなど)
ピンク(『PARTIII』など)
青(『TV第4シリーズ』・『PART5』など)[注 9]
これ以外では白(『ルパン三世 トワイライト☆ジェミニの秘密』)、黒(『ルパン三世 グッバイ・パートナー』[注 10])の着用例がある。下着は縞柄のトランクス。
容姿について、『TV第1シリーズ』第16話オープニングにおいて銭形警部がルパンを「容姿端麗」と発言しており、当初は美男子という設定であった。普段の顔も変装であるという原作の設定は、ルパンが「これは生まれつきのモンキー面」と自称する[ep 1] などアニメでは長らく出てこなかったが、『PART5』最終回にて、マスクを脱いで本当の姿を峰不二子に見せるシーンで初めて使われた。ただし、後ろ姿や影が差した形で描写されており、本当の顔は原作と同様に不明のままである。なお、同作にある回想シーンではルパン襲名前からモンキー面をしていた。
劇場版『バビロンの黄金伝説』では頭髪の中に小型ボンベを仕込んでおり、カツラ着用であることをほのめかす描写が存在する。
『PART5』では、より謎に包まれた人物として描かれており、3代目アルセーヌ・ルパンの襲名をアルベール・ダンドレジーと競っていたが、彼がそれを放棄したためにルパンを襲名したという設定になっている。それゆえ、アルセーヌ・ルパンの血縁者なのかは不明であり、過去のTVシリーズやTVスペシャル、劇場版などでの設定と整合性が取れなくなっている。 女たらしで三枚目。しかし本人は容姿に自信を持っている[注 11]ため、自分を誰よりもイケている男と勘違いしている節があり、そこを仲間達や銭形に突っ込まれる場合がある。しかし三枚目という設定が確立したのは『TV第2シリーズ』以降であり、上述の通り『TV第1シリーズ』では銭形がルパン三世のプロフィールとして「容姿端麗」と語っている[注 12]。また、一人称は一貫して「俺」である。 愛嬌たっぷりの憎めない性格だが、抜け目のない狡知も持っている。 原作とアニメ・映画では性格が大きく異なる。原作では暴力や殺人もいとわず[注 13]、性行為も頻繁に描写される。 アニメ版では基本的には弱い立場にいる人間の金には手をつけず[注 14]、不必要な暴力及び殺人を避けている[注 15]。「拳銃の1発目はいつも催眠弾である」と本人が語っている話や[ep 2]、催眠弾入りの銃と実弾入りの銃の2丁を携帯している[ep 3] 話もある。普段は市民は勿論、犯行の邪魔をする警察官や悪党であっても殺しはしないが、相手によっては原作と同様に躊躇なく殺す場合もある[注 16]。性行為についてはテレビアニメの制約により描写されないだけで、性行為をほのめかす、あるいは臨もうとして未遂に終わる描写はしばしば見られる[注 17]。
人物
原作とアニメの相違