ルトガー・ハウアー
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シルヴェスター・スタローン主演の『ナイトホークス』(1981年)で、ついにアメリカで本格的デビューを果たす。冷血なテロリスト役で強い印象を残し、翌年、リドリー・スコットSF映画ブレードランナー』(1982年)でハリソン・フォードと対決するレプリカント(アンドロイド)のリーダーという大役を得た。

ニコラス・ローグの『錆びた黄金』(1981年)ではジーン・ハックマンの娘役テレサ・ラッセルに求愛するプレイボーイを演じた。サム・ペキンパーの『バイオレント・サタデー』(1983年)ではジョン・ハートを相手に事件記者を演じた。リチャード・ドナーの中世ロマンス『レディホーク』(1985年)ではミシェル・ファイファーの恋人の騎士を演じた。ハウアーは観客に強烈な印象を与え続けた。特に印象に残る役として『ヒッチャー』(1986年)の謎のヒッチハイカーが挙げられる。ひとりで自動車旅行をしている主役のC・トーマス・ハウエルを殺すためしつこく付きまとう。簡単に死なない点もレプリカントの片鱗をうかがわさせる。名声の頂点では、旧友バーホーベンの『ロボコップ』にロボコップとして出演すると発表されることさえあった。

イタリア人監督エルマンノ・オルミは『聖なる酔っぱらいの伝説』(1988年)で、ハウアーの優しく神秘的で情熱的な面を掘り下げた。教会で借りた無証書借金を返そうとする間にパリで酒で死んだ、失われた魂の物語である。『座頭市血煙り街道』(1967年)をベースにしたアクション映画『ブラインド・フューリー』(1989年)でフィリップ・ノイスもハウアーの精神的な資質を利用しようとしたが、映画は成功しなかった。世紀末後の世界を舞台とした『サルート・オブ・ザ・ジャガー』(1989年)でジョアン・チェンの相手役としてSF映画に戻り、かつてのチャンピオンを演じた。ハウアーとチェンは、さらに2つのSF映画『ウェドロック』と『アウターゴールド』で共演した。1990年代までにハウアーは、映画での役と同様に、ギネスビールのコマーシャルでのユーモラスな登場でも知られるようになった。地球温暖化のため水没したロンドンを舞台にした『スプリット・セカンド』(1992年)に出演。『New World Disorder』(1999年)ではタラ・フィッツジェラルドの相手役を務めた。これらの低予算映画の合間に、カイリー・ミノーグの『On a Night Like This』のミュージックビデオに出演した。

21世紀に入ってからは大作で小さな役を演じた。『コンフェッション』(2002年)、『シン・シティ』(2005年)、『バットマン ビギンズ』(2005年)など。

2019年7月24日に公式サイトにおいて「ルトガーは非常に短い闘病生活の後、2019年7月19日金曜日にオランダの自宅で静かに息を引き取った」と発表された[3]
プライベート

ハウアーは環境保護論者としても活動した。ポール・ワトソン(初期のグリーンピースに一時期所属し、その後シーシェパードを設立して代表者になった、国際指名手配中の環境保護テロリスト)がノルウェーの非合法な捕鯨船を沈めたことで1994年に有罪判決を受けたときは、釈放のために戦った[2]。また、ルトガー・ハウアー・スターフィッシュ・アソシエイションというエイズ研究所を設立した[2][4]

1985年に2番目の妻 Ineke と結婚し、ひとりの娘をもうけた[2]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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