リヤカー
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ヤマト運輸のリヤカー2006年6月に道路交通法が改正され、自動車オートバイの駐車違反に関する違反確認手続きの簡略化で、短時間駐車でも摘発されるといった事情に絡み、ヤマト運輸は住宅地の小荷物配送などで、特製の小型リヤカーを電動アシスト自転車で牽引する活用を開始した[5]。なお、佐川急便ではリヤカー状の荷台を備えた、特製の電動アシスト三輪車で対応している[6]。宅配に類似した配達を伴う大手業者では、酒のカクヤスもリヤカーを頻繁運用している。
日本における法律上の扱い詳細は「軽車両」および「歩行補助車」を参照

日本の道路交通法では、リヤカーを含む荷車や台車は、たとえ歩行者が通行させているものであっても、一部を除いて軽車両の扱いである。
小型のリヤカー

ただし、「レール又は架線によらないで通行させる車であって、他の歩行者の通行を妨げるおそれのないものとして長さ 190cm以下かつ幅 60cm以下であって、車体の構造が、歩きながら用いるものとして通行させる者が乗車することができない車」は、軽車両ではなく歩行補助車等に該当し、歩行者の扱いとなる。

そのため、歩行者扱いになるリヤカーは、「長さ190cm以下、幅60cm以下の小型のリヤカー」が想定される[注 1]

ただし、条件に該当するものであっても、歩行者が通行させているものに限られる。他の車両に牽引されているものは、当該他の車両の一部として扱われ、歩行補助車等には該当せず、歩行者扱いには原則としてならない。
動力あり

ただし、電動機内燃機関付きのリヤカーは、原則として原動機付自転車または自動車扱いとなる。詳細は、当該原則および例外も含めて「原動機付自転車#電動の小型車両等に対する規制」を参照。

ただし、一定の基準を満たす電動リヤカー等は、歩行補助車または軽車両扱いとなる(「軽車両#原動機を用いる軽車両」参照)。
交通方法

前述の歩行者扱いとなる小型のものを除いて、リヤカーを単独(人力)で通行させる場合は、軽車両の扱いとなるので車道を通行しなければならない。自転車普通自転車扱いではないため、歩道の徐行ないし通行、自転車道の通行はできない。ただし路側帯(二重線の歩行者用路側帯を除く)、車道の自転車レーンについては普通自転車専用通行帯も含めて、通行適用となる。

リヤカーを自転車により牽引して通行させる場合は、通行方法については自転車に準ずるが、普通自転車には該当しないため歩道の徐行ないし通行ができない。つまり、歩道上の自転車レーンを通行できないし、また運転者が12歳以下の子供、高齢者・障害者であったり、「車道等の状況に照らして自転車の通行の安全を確保するため、歩道を通行することがやむを得ないと認められる」場合であっても、歩道の徐行ないし通行は認められない。他の車両を牽引しているため、自転車道も通行できない。ただし、歩道等のない道路や、路側帯(二重線の歩行者用路側帯を除く)、車道の自転車レーンについては普通自転車専用通行帯も含めて、自転車単体の場合と同等である。

その他、灯火や積載制限については軽車両#通行方法などを参照。
重量制限

なお、リヤカーの積載物重量制限(車両重量を含まず)は以下のとおり(東京都の場合)。

荷台の面積が1.65平米以上の場合は、750kg以下。1.65平米未満は、450kg以下。

自転車または原動機付自転車(125cc以下)により牽引する場合、120kg以下。

オートバイトレーラーとして

なお、全国において、原動機付自転車(125cc以下)により牽引する場合の最高速度は25km/h(法定速度)である。また、この場合の牽引されるリヤカーは「付随車」扱いとなるため[7]ナンバープレート登録や車検の必要はない(夜間は後部反射器が必要)。なお自動車車両法)によるリヤカーの牽引は認められない。詳細は次を参照のこと。「オートバイ用トレーラー」および「ライトトレーラー」も参照
日本国外への進出南京で使われているリヤカー状のカート

中国をはじめとするアジア諸国では一般にリヤカーが浸透しており、自転車と同程度の技術で製造できるリヤカーは庶民レベルの物流の一端を担っている。これらでは日本製オートバイとセットで現地社会に根付き、市場へ農作物を運搬したりあるいは移動販売の店舗に利用されたりといった活動も見られる。

また、リヤカーの製造と保守は途上国でも行えるため、1988年に国連を通じて日本からタンザニアへリヤカー製造の技術協力が行われた[8]
脚注
注釈^ 他の歩行者の通行を妨げるおそれのないものとして、歩きながら用いるものであること。なおかつ、普通自転車の乗車装置(幼児用座席を除く。)を使用することができないようにした車であって、通行させる者が乗車することができないもの、または、その他の車で、通行させる者が乗車することができないものに限る。

出典^ 富士市農協設立50年・富士市農協合併5周年記念誌「大地とともに」 12ページ 富士市農業協同組合 1998
^ホースカー 。東京サイレン(株)
^消防操法の基準 :: 総務省消防庁
^飲料水兼用貯水槽/震災対策初期消火資機材とは?/茨木市ホームページ
^リヤカー付き電動自転車で楽々集配、ヤマト運輸 。ジャパン・フォー・サステナビリティ Japan for Sustainability 2008/11/05
^【佐川急便】?関西圏で宅配専用自転車を導入?環境保全、渋滞緩和、駐車場問題などに有効 。佐川急便株式会社 。News2u.net 2009年08月26日
^ “道路運送車両の保安基準(昭和26年運輸省令第67号)第1条第14項”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局 (2018年12月26日). 2020年1月11日閲覧。
^エコ時代に飛躍する日本最後の“リヤカー職人集団”:日経ビジネスオンライン

関連項目ウィキメディア・コモンズには、リヤカーに関連するメディアがあります。リヤカー風サイドカー

大八車

サイクルトレーラー - 自転車でけん引する積載器具。

カーゴバイク - 自転車そのものに積載スペースを設けた物。

オートバイ用トレーラー - 牽引自動車

サイドカー

自主防災組織 - 防災倉庫

永瀬忠志 - リヤカーを引いて世界を旅する冒険家。別名リヤカーマン

自転車便(メッセンジャー)


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