リモコン
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[2]ソニー製のリモートコマンダーを表す表示

無論、日本に限らず世界の家庭で使われており、英語圏では近年、remote control(s)と呼んでいる。アメリカでは1970年代などゼニスエレクトロニクスの装置が売れていたころは「(スペース)コマンダー」と呼んでいた。

「リモコン」という略語は和製英語であり、英語としては通じない。英語ではremote controlといい、「遠隔操作」と「遠隔操作機器」の両方の意味で用いられる。“remote controller”も「遠隔操作機器」の意味で用いられるが、“remote control”のほうがはるかによく使われる。
原理など

リモートコントロールが成立するには次の装置が必要である。

指令を受け取り、指令に応じた動作をする装置

指令を送る装置

どちらも欠かせない。

方式としては基本的には次のようなものがある。

赤外線方式(赤外線リモコン。IRリモコン) -- 主流。エアコンやAV機器など広く使われている。

無線方式(無線リモコン)

有線方式(有線リモコン) -- 携帯音楽プレーヤーなどで使われている

赤外線方式は指向性があり隣室や隣家の装置の誤作動を引き起こさないというメリットがあり、無線方式は電波が壁を通過してしまい隣室や隣家の装置の誤作動を引き起こすことがあるというデメリットがある。

家庭内の機器でリモートコントロール機能が搭載されることがあるのは次のようなものである。

AV機器

テレビ受像機

HDDレコーダーBDレコーダー

携帯音楽プレーヤー

コンポーネントステレオ

ラジカセ


カメラ

エアコン扇風機

照明器具

ゲーム機PS3PS4PS5、任天堂Wiiなど)

玩具

ロボット掃除機

自動車(のドアのロックやエンジン始動など)

なお2014年以降はAmazon EchoAmazon Alexa)やGoogle NestGoogle アシスタント)などのスマートスピーカーが販売されており、「アレクサ」や「OK、グーグル」などと呼びかけることでIoT対応の機器をリモートコントロールすることも可能になっており、インターネット経由でも作動し、たとえば数千キロメートル離れたところから自宅のIoT対応機器を操作することも可能である。またスマートフォンをIoT対応機器に指令を送る装置としても使える。
歴史
草創期Zenith Space Commander 600テレビの超音波リモコンの受信側の回路(Nordmende社のもの)

最も初期のリモコンは、有線で操作を行うものであった。1955年アメリカ合衆国の音響機器メーカーであるゼニス・エレクトロニクス社のユージン・ポーリーによって世界初の無線リモコンである「フラッシュマティック」リモコンが発明されたが、可視光を使っていたため太陽光で誤動作する欠点を有していたので製品化には難があった。1956年には同じくゼニス社の研究開発部門にいたロバート・アドラーによって超音波方式のテレビ・リモコン「スペース・コマンド」が製品として開発され、これはゼニス社の看板商品ともなった。→ゼニスエレクトロニクス#リモコンも参照。

日本での家庭用のリモコンとしては、まずは昭和30年代にテレビ用に有線式のものが実用化された[3]。1971年には三洋電機が(アメリカのゼニスエレクトロニクス同様に超音波式で、だが随分と年月を経てから)超音波式リモコン(愛称「ズバコン」)付きのテレビを発売し[4]。三洋のリモコンは、テレビ本体の回転式チャンネルと同様のインターフェースを有していた。当時のテレビのチャンネル切り替えは回転式つまみで切り替える方式だったので、リモコンもアップ・ダウンボタン(ダイレクト選局ではなかった)と音量調節用のボタンを備える程度の単純なものであった。

超音波式は身近な音(鍵のガシャという音)などに反応して誤作動を起こしやすかったので、1977年に赤外線式リモコンが開発された[5]。これのインタフェースはボタン式であった。1970年代末頃から普及し始め、現在ではこの方式が広く一般的に使われている。
ビデオ装置のリモコンの登場Gコード用リモコン ビデオ・プラス

1975年にソニーからベータマックスビデオテープレコーダーが発売され、翌1976年に日本ビクターからVHSのものが発売され徐々に普及していったわけだが、このビデオテープレコーダーの録画予約操作は複雑だったが、複雑な予約の操作を本体パネルの垂直面に配置されたボタンで行うことは困難であり、番組表を見ながら手元で操作できるリモコンの必要性が高まった。

とりわけ、録画予約を簡易化することが各社の命題となり、1986年にナショナルマックロードでバーコード予約を採用、1991年にナショナルがマックロードでボイス予約を採用した。他にもリモコンに液晶画面を搭載する試みもなされた。1990年代初め頃からはGコード式のリモコンがは各社に採用され、広く普及した。

1980年代初めには着脱式のリモコンもあった。テレビ等の操作部分を取り外すことでリモコンとして使用でき、本体に取り付ければそれ以前の製品と同じ感覚で使用できるものであった。エアコンのリモコン
多様化・多機能化

現在では、テレビ放送の多様化やAV機器の多様化に伴い、リモコンには複数の機器の数多くの操作を行うことが求められている。このため、各社の種々の機能の操作信号をプリセットしたリモコンや学習リモコンが普及している。


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