リネゾリド
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注釈^ 細菌のリボソームに作用する抗菌薬には、様々な系統が知られている。カナマイシンやゲンタマイシンなどのアミノグリコシド系抗菌薬は、30Sサブユニットの16S rRNAに結合してタンパク質合成を阻害する。エリスロマイシンやクラリスロマイシンなどのマクロライド系抗菌薬は、50Sサブユニットの23S rRNAに結合してペプチドの伸長を阻害する。マクロライド系抗菌薬と交叉耐性を生じ易いリンコマイシンとクリンダマイシンの2種類が知られるリンコマイシン系抗菌薬は、50Sサブユニットに結合してペプチドの伸長を阻害する。チアンフェニコールとクロラムフェニコールの2種類が知られるクロラムフェニコール系抗菌薬も、50Sサブユニットに結合してペプチドの伸長を阻害する。ドキシサイクリンやミノサイクリンなどのテトラサイクリン系抗菌薬は、30Sサブユニットに結合してアミノ酸を運んできたtRNAの結合を妨害してペプチドの伸長を阻害する。他にも、50Sサブユニットに不可逆的に結合するキヌプリスチンや、リボソームから伸長中のペプチドを遊離し易くするダルホプリスチンなどが挙げられる。これらの細菌のリボソームに悪影響を与える抗菌薬は、基本的にペプチドの合成過程を妨害している。これに対してリネゾリドは、50Sサブユニットに結合する事で、ペプチドの合成開始前に、リボソームが組み上がる事を妨害する点で機序が異なっている。
出典^ a b “医療用医薬品 : ザイボックス (ザイボックス注射液600mg)”. www.kegg.jp. 2022年12月18日閲覧。
^ a b 上野 芳夫・大村 智 監修、田中 晴雄・土屋 友房 編集 『微生物薬品化学(改訂第4版)』 p.233 南江堂 2003年4月15日発行 ISBN 4-524-40179-2
^ a b c ⇒2014年8月改訂(第13版)「医薬品インタビューフォーム」日本病院薬剤師会のIF記載要領(1998年9月)に準拠して作成- オキサゾリジノン系合成抗菌剤
^ ⇒感染制御のために必要な 多剤耐性菌の基礎知識 厚生労働省 (PDF)
^ ⇒リネゾリド 宮崎大学病院 (PDF)
^ 世界初、リネゾリド耐性MRSAのアウトブレイクの詳細が明らかに 日経メディカルオンライン 記事:2010年6月18日
^ 小児科病棟から分離されたLinezolid 耐性Enterococcus faecalis の分子疫学解析 小児科病棟LZD 耐性腸球菌 感染症学雑誌 Vol.86 (2012) No.5 p.555-562
^ Linezolid 耐性 Enterococcus faecium が検出された難治性後腹膜膿瘍の1症例 医療薬学 Vol.33 (2007) No.2 P125-131
^ 透析患者に発症したリネゾリド耐性メチシリン耐性黄色ブドウ球菌によるペースメーカーリード感染の 1 例 感染症学雑誌 Vol.86 (2012) No.6 p.778-783
^ a b 上野 芳夫・大村 智 監修、田中 晴雄・土屋 友房 編集 『微生物薬品化学(改訂第4版)』 p.160 南江堂 2003年4月15日発行 ISBN 4-524-40179-2
^ リネゾリドが原因と思われる遷延性血小板減少症を認めた一例 日本集中治療医学会雑誌 Vol.16 (2009) No.2 P203-204
^ 臨床的にバンコマイシンが無効であった感染性心内膜炎にリネゾリドが有効であった1例 日本心臓血管外科学会雑誌 Vol.38 (2009) No.4 P280-283
参考文献
リンコサミド系,オキサゾリジノン系,ストレプトグラミン系 メルクマニュアル
北村正樹:抗菌薬-リネゾリド- 耳鼻咽喉科展望 Vol.49 (2006) No.4 P196-199
入野田一彦、野村俊治、橋本宗弘:新規クラス抗菌薬リネゾリド(ザイボックスR)の抗菌作用および臨床効果 日本薬理学雑誌 Vol.120 (2002) No.4 P245-252
外部リンク
⇒ファルマシア社の新規抗菌薬リネゾリド
⇒ファイザー株式会社、効能追加を取得
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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