リトル・グリーン・マン
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想像上の小さな緑色の存在の他の例は、1936年の新聞の、医師とその診察を皮肉ったコラムに見ることができる。そこでは、彼らは中年期に衰退し、「大きな耳を持つ小さな緑の男」の幻覚を起こし始めているとしている。コラムニスト、シドニー・J・ハリス(英語版)は1948年に、子供の想像上の友人(イマジナリーフレンド)を指すのに「リトル・グリーン・マン」という言葉を使用し、子供にブギーマンの話をして怖がらせる古い伝統を強く非難した。

これらの例は、「リトル・グリーン・マン」という言葉が、空飛ぶ円盤の時代よりずっと前から様々な超自然的な、架空の、または神話的な存在を表すのに使用されており、英語の日常語(英語版)に深く浸透していたことを示している。また、『オズの魔法使』の俳優や迷彩を施した日本人兵士への言及など、想像上のものから実在のものに容易に拡張されているようである。同様に、Aubeckらは、1947年に空飛ぶ円盤が登場すると、自然に即座に現代の用法へと遷移したと考えている。1950年代初めまでに、この用語は空飛ぶ円盤の搭乗者への言及としてすでに一般的に使用されていたことからも明らかである。1954年までに、リトル・グリーン・マンのイメージは、国民の集団意識に刻まれた。

さらに電子検索によれば、この用語は1960年代にはますます一般的になり、常に嘲笑的またはユーモラスな方法で使用されていた。1960年のシカゴ・トリビューンでは、宇宙人の外見と性交に関するハーバード大学の人類学者の推測についての記事を1面に掲載した。この記事の書き出しは、「宇宙に本当に『リトル・グリーン・マン』がいる場合、おそらくリトル・グリーン・ウーマンと性交するだろう」という文章から始まる。そこには漫画が添付されていて、2人の愛し合っているケンタウロスのような容姿の男性と女性の宇宙人が描かれており、彼らの頭からはアンテナが突き出ている。この記事は、「リトル・グリーン・マンの命名は、アメリカ国立電波天文台ウェストバージニア州グリーンバンク)のオットー・シュトルーベ台長による。おそらく地球外から来た人たちが『自分たちの間で』そう呼び合っていたと、彼は言った。」という謎めいた一文で終わっている。

この言葉はウォール・ストリート・ジャーナルの解説にも登場する。同紙で最初に使われたのは、1960年、NASAの委託を受けたブルッキングス報告書(英語版)の記事である。この報告書は、地球外生命の発見による社会への影響を研究したものである。同紙は、報告書が「揺れるアンテナを持ったリトル・グリーン・マン」が敵対的であると仮定して、過度に悲観的になっているとコメントしている。同紙で他に使われた例は、計画されていたUFOに関する議会の調査について述べた1968年の社説の中である。筆者は、議員らがいかにして「リトル・グリーン・マン」に対し召喚状を発するつもりなのかと皮肉っている。1969年、同紙は、空軍から委託されたコンドン委員会(英語版)のUFO調査がお金の無駄であるとコメントした。社説では、たとえ彼らが「UFOにリトル・グリーン・マンがいる」ことを証明したとしても、私たちはそれについて何をすべきであるか?と述べている[11]

1965年、テレビアニメ『原始家族フリントストーン』にリトル・グリーン・マンが繰り返し登場した。第145話から登場したグレート・ガズー(英語版)は、背が低く、体が緑色で、ヘルメットにアンテナがついており、典型的なリトル・グリーン・マンの表現となっている。しかし、1960年代には、人々が想像する典型的な宇宙人の姿は変わっていた。宇宙人による誘拐(英語版)の話では、彼らは身長は小さいが、体は緑色ではなく灰色(グレイ)となっている。アーサー・C・クラークの『2001年宇宙の旅』(1968年)では、宇宙人の姿は目に見えない。
現代の用法
宇宙人Graphic depiction of a green alien.

現代では、小さな緑色の宇宙人像と「リトル・グリーン・マン」という用語は、まじめなSF関係者の間では使われなくなっており、SFについての十分な知識を持たない人によって、または「宇宙人が存在する」という概念を嘲笑するために使用される。ただし、スター・ウォーズシリーズヨーダなどの一部の例外は除く。

その代わりに、小さな緑色の宇宙人像は、主に子供向けのメディアの世界に移行したように見える(例えば、1995年の映画『トイ・ストーリー』とその続編に登場する「リトル・グリーン・メン」など)。

ポケットモンスター』に登場するポケモンの一種「リグレー」(英語名"Elgyem")は、デザイン、特性、および英語名がリトル・グリーン・マン(LGM=エルジーエム)に基づいている。

宇宙開発シミュレーションゲーム『Kerbal Space Program』では 、ゲーム内に登場する唯一の種である「カーバル」は、体に比べて大きな頭を持つ小さな緑色の人型の生物である。
「未確認防衛物体」

ウクライナ東部紛争の際、ロシア軍の武器や装備品[12]を装備し徽章を付けていない覆面兵士が作戦に参加した。彼らはメディアによって「火星人(martians)」[13]または「リトル・グリーンメン」と呼ばれた[14][15][16][17]
天文学

1967年、イギリスケンブリッジ大学ジョスリン・ベル・バーネルアントニー・ヒューイッシュが、史上初めて発見されたパルサーに、リトル・グリーン・マンにちなんで"LGM-1"と名付けた。それは、その天体から発せられる信号の規則的な振動が、知的生命体によるものだと考えたためである。その天体は後に"CP 1919"に改称され、現在はPSR B1919+21と呼ばれている。
関連項目

ベム

地球外生命体

フェアリー

グリーンマン

グレイ (宇宙人)

インベーダー・ジム

ジン (アラブ)

レプラコーン

メン・イン・ブラック

ヒト型爬虫類

脚注^ a b Chris Aubeck. “ ⇒Chris Aubeck website summarizing search for early use of little green men term”. 2007年7月6日閲覧。
^ “ ⇒1910?1919 Humanoid Sighting Reports”. Ufoinfo.com. 2013年6月17日閲覧。
^ “Our Mysterious World-a collection of weirdness”. Web.archive.org. 2007年12月11日時点の ⇒オリジナルよりアーカイブ。2013年6月17日閲覧。
^ Corpus Christi Times, November 1, 1938, page 1, available at electronic newspaper archives of Ancestry.com
^ “ ⇒Cover illustration”. Ufopop.org. 2013年6月17日閲覧。
^Cover illustration;Excerpt of book & author background
^Scifipedia: Behind the Flying Saucers Archived 2007-11-15 at Archive.is
^ Wichita Eagle, June 30, 1950, reproduced in USAF Project Blue Book report ⇒[1]
^ “ ⇒Re: 'Little Green Men'?”. Ufoupdateslist.com. 2013年6月17日閲覧。
^ Example column in Austin (Texas) Statesman, November 9, 1957; referenced at ⇒Ufoupdates
^ “ ⇒More details on LGM quotes and other examples”. Ufoupdateslist.com. 2013年6月17日閲覧。


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