リトアニア語
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また、かつてのインド・ヨーロッパ祖語奪格は、リトアニア語ではこの属格に吸収された[7]。そのため、元来は奪格で表していた物体からの分離を表す「?から」という意味も、前置詞とともにこの属格で表される。そのほか、否定文において直接目的語を表すときにも用いられる。

与格 (naudininkas, datyvas) - 間接目的語を表すときに用いられ、日本語の助詞「に」の意味に近い。

対格 (galininkas, akuzatyvas) - 肯定文において直接目的語を表すときに用いられ、日本語の助詞「を」の意味に近い。また時間を表すときにも用いられる。

具格 (?nagininkas, instrumentalis) - 手段などを表すときに用いられ、日本語の助詞「で」の意味に近い。

位格 (vietininkas, lokatyvas) - 場所を表すときに用いられ、日本語の「において」の意味に近い。

呼格 (?auksmininkas, vokatyvas) - 人や動物に対する呼びかけのときに用いられる。

以上の日本語訳はあくまで目安にすぎず、実際は単語や文脈によって異なる日本語に訳される。

また、古いリトアニア語には入格 (iliatyvas) 、接格 (adesyvas) 、向格 (aliatyvas) も存在していた。現代でも方言などで見られる。
戦間期リトアニアで発行されていた2リタス硬貨。「DU LITU」と双数形で表記されている(現在の標準語では複数形で「du litai」)。

に関して言えば、現在の標準語では1つの物を表すときに単数形 (vienaskaita) が、2つ以上の物を表すときに複数形 (daugiskaita) が用いられる。ただし、不可算名詞については単数形もしくは複数形のみしか存在しない。また、可算名詞であっても単数形が存在しない名詞もある(例えば、metai(「年」)、durys(「ドア」)、d?insai(「ジーンズ」)、など)。

なお、かつてのリトアニア語には単数形や複数形のほかに2つの物を表す双数形 (dviskaita) も存在していた。現在では方言などでは双数形が残っている地域もあるが、(代名詞以外では)[8] 標準語では一般には用いられない。
代名詞

リトアニア語の代名詞 (?vardis) には以下のものがある。
人称代名詞

リトアニア語における人称代名詞 (asmeninis ?vardis) は、以下の通りに格変化する。2人称を表す代名詞のうち、tu は単数で親称(「君」)、j?s は単数で敬称(「あなた」)もしくは複数(「君たち」、「あなた方」)を表す。また、3人称を表す代名詞は、「彼」「彼女」「彼ら」「彼女ら」といった人に関するもののほか、物に関しても用いられ、「それ」「それら」とも訳される。

人称代名詞の格変化単数複数再帰
代名詞

1人称2人称3人称1人称2人称3人称
男性女性男性女性
主格a?tujis(ai)ji(nai)mesj?sjiejos(なし)
属格man?stav?sjojosm?s?j?s?j?j?sav?s
与格mantaujamjaimumsjumsjiemsjomssau
対格manetavej?j?musjusjuosjassave
具格manimitavimijuojamumisjumisjaisjomissavimi
位格manyjetavyjejamejojemumysejumysejuosejosesavyje
日本語私君彼/
それ彼女/
それ私たちあなた/
君たち/
あなた方彼ら/
それら彼女ら/
それら自分

なお、「あなたの(もの)」「彼女の(もの)」といった所有代名詞所有限定詞)は、1人称単数、2人称単数および再帰代名詞を除いて人称代名詞の属格と同じ形となる。1人称単数、2人称単数、再帰代名詞はそれぞれ mano 、 tavo 、 savo である。日本語には「…の」あるいは「…のもの」と訳され、英語の my にあたる語と mine にあたる語を区別しない(リトアニア語ではいずれも mano )。区別する場合にはmanas, mana '私の', tavas, tava 'あなたの', savas, sava '自分の'という形容詞的変化をする語(ただし稀用)、あるいはmani?kis, mani?k? '私の親族、友人', tavi?kis, tavi?k? 'あなたの親族、友人', m?si?kis, m?si?k?, '私達の親族、友人', j?si?kis, j?si?k? 'あなた達の親族、友人' という単語を使うことがある。[9]

所有代名詞単数複数再帰
代名詞

1人称2人称3人称1人称2人称3人称
男性女性男性女性
所有
代名詞
manotavojojosm?s?j?s?j?j?savo

また、2人を表す場合、「2」を表す数詞が組み合わされた別の人称代名詞で用いられることがある。これを双数 (dviskaita) の人称代名詞と解することもできる。格変化は以下のとおりとなる。

双数の人称代名詞の格変化1人称2人称3人称
男性女性男性女性男性女性
主格mudumudvijudujudvijuodu / jiedujiedvi
属格mudviej?mudviej?judviej?judviej?j?dviej?j?dviej?
与格mudviemmudviemjudviemjudviemjiedviemjodviem
対格mudumudvijudujudvijuodujiedvi
具格mudviemmudviemjudviemjudviemjiemdviemjodviem
位格mudviesemudviesejudviesejudviesejuodviesejiedviese
日本語私たち2人君たち2人/
あなた方2人彼ら2人/
それら2つ彼女たち2人
/それら2つ

疑問代名詞

リトアニア語の疑問文には以下の疑問代名詞 (klausiamasis ?vardis) が用いられる。と物は区別されないため、日本語では「何」や「誰」と訳される。ただし、位格を問う疑問文では、以下に示した kame はほとんど用いられず、「どこ」を表す kur が用いられる場合がほとんどである。

疑問代名詞疑問代名詞
主格kas
属格ko
与格kam
対格k?


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