生化学、塗装・印刷など微量の液体を扱う分野では、マイクロリットル (μL)、ナノリットル (nL)、ピコリットル (pL)、フェムトリットル (fL)、アトリットル (aL) も使われる。立方ミリメートル (mm3)、立方マイクロメートル (μm3) 等は、単位の間が9桁も開いていて使いづらいからである。これより小さなSI接頭語を付けた単位も一応は考えられるが、実際に用いられた例はない。 倍量単位としてはリットルの1000倍であるキロリットル (kL) がよく使われ、1立方メートル (m3) に等しい。これより大きなSI接頭語をつけることも許されているが、実用上メガリットル (ML) 以上はほとんど使われない。また10倍および100倍を表すSI接頭語であるデカおよびヘクトを付けた、デカリットル (daL) およびヘクトリットル (hL) といった単位も一応は考えられ、後述のようにこれらを表す漢字(和製漢字・国字)も作られたが、これらも現実的には用いられていない。 倍量名称記号SI単位分量名称記号SI単位 漢字圏では「立脱耳」や「立突」という漢字が当てられ、日本では「立」と略すようになった。それを使って下記のような国字が作られた。現在ではこれらの表記は計量法上は全く認められていない。 ちなみに、「立米」は「りゅうべい」と読み、立方メートルのことである。 中華人民共和国では、尺斤法の升が偶然にもほぼ1リットルだったため、尺斤法をメートル法で再定義する際、升を1リットルと定義し、リットルを表すにも升を使うようになった。 記号UnicodeJIS X 0213文字参照名称 Unicodeには、リットルとその分量・倍量単位を表す上記の文字が収録されている。このうち、文字様記号である ? 以外はCJK互換用文字であり、既存の文字コードに対する後方互換性のために収録されているものであって、使用は推奨されない[45][46]。 JIS X 0213における図形文字「? 」の追加は、リットルの記号として L や l の使用の制限を意図するものではない(#? から L へ)。
倍量単位
100 LリットルL103 cm3(1 dm3)
101 LデカリットルdaL104 cm3(101 dm3)10?1 LデシリットルdL102 cm3
102 LヘクトリットルhL105 cm3(102 dm3)10?2 LセンチリットルcL101 cm3
103 LキロリットルkL1 m310?3 LミリリットルmL1 cm3
106 LメガリットルML103 m3(1 dam3)10?6 LマイクロリットルμL1 mm3
109 LギガリットルGL106 m3(1 hm3)10?9 LナノリットルnL106 μm3
1012 LテラリットルTL1 km310?12 LピコリットルpL103 μm3
1015 LペタリットルPL103 km310?15 LフェムトリットルfL1 μm3
1018 LエクサリットルEL106 km310?18 LアトリットルaL106 nm3
1021 LゼタリットルZL1 Mm310?21 LゼプトリットルzL103 nm3
1024 LヨタリットルYL103 Mm310?24 LヨクトリットルyL1 nm3
1027 LロナリットルRL106 Mm310-27 LロントリットルrL106 pm3
1030 LクエタリットルQL1 Gm310-30 LクエクトリットルqL103 pm3
漢字
竏 - キロリットル (kL)
竡 - ヘクトリットル (hL)
竍 - デカリットル (daL)
竕 - デシリットル (dL)
竰 - センチリットル (cL)
竓 - ミリリットル (mL)
竗[注釈 6] - マイクロリットル (μL)
符号位置
ℓU+21131-3-63ℓ
ℓリットル
㎕U+3395-㎕
㎕マイクロリットル
㎖U+3396-㎖
㎖ミリリットル[注釈 7]
㎗U+3397-㎗
㎗デシリットル
㎘U+3398-㎘
㎘キロリットル
㍑U+33511-13-40㍑
㍑全角リットル
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 日本の基準書類においてliterと綴られることはない(リットル#英語表記)。
^ 最大密度となる温度は 3.98 °C である。
^ 手動式タイプライターの一部の機種では、数字「1」のキーを省略し、Lの小文字「l」のキーで代用したものがあったほどである(タイプライター#キーの省略)。
^ 第53回(令和3年度)宮崎県統計グラフコンクール審査結果
^ 小数点をもつ数字は、小学校3年生の段階で学習する。
^ 「立+少」で組み合わされた字形。
^ ⇒http://www.unicode.org/versions/Unicode4.1.0/erratafixed.html Unicode4.0およびUnicode2.0の例示字形は誤って「M?」の形になっていた。また、XP以前WindowsにバンドルされているMS明朝およびMSゴシックでも、字形が誤って M? (メガリットル)の形になっており、Windows 10の後期で直るまでMS-IMEでは「みりりっとる」でなく「めがりっとる」でのみ当文字が変換できた。
出典^ 国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版
^ 食品表示基準