リットル
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日本では、10分の1リットルであるデシリットル (dL) は、実生活ではあまり使われていない[注釈 4]。しかし小学校2年生の算数の教科書で教えられている[42]。これは水筒(0.8 L程度)やペットボトル(0.5 L程度)の体積を示して体積(「かさ」としている。)の単位を教えるのであるが、小学校2年生の段階では、小数点を習っていないため[注釈 5][43]、0.8 L、0.5 L とは教えず、8 dL、5 dL として教えるためである。

この単位は、主として豆や穀類を小売りする際に用いられている(2005年9月現在)。計量法の施行により、従来使われてきた尺貫法ベースの計量単位が商取引に使えなくなったため、1(約 1.8039 デシリットル)に比較的近い2デシリットルを販売の基準としている(写真参照)。また、血糖値の単位として mg/dL(ミリグラム毎デシリットル)が用いられる。
センチリットル

ヨーロッパでは100分の1リットル (10 cm3) であるセンチリットル (cL) が、飲料の容量などによく使われる。「EUにおける食品ラベルに関する表示規則(理事会指令76/211/EEC)」において、液体の容量表示は、「cL」と規定されている(ただしワイン類については附則でmL表示が認められている)[44]
その他の分量単位

生化学塗装印刷など微量の液体を扱う分野では、マイクロリットル (μL)、ナノリットル (nL)、ピコリットル (pL)、フェムトリットル (fL)、アトリットル (aL) も使われる。立方ミリメートル (mm3)、立方マイクロメートル (μm3) 等は、単位の間が9桁も開いていて使いづらいからである。これより小さなSI接頭語を付けた単位も一応は考えられるが、実際に用いられた例はない。
倍量単位

倍量単位としてはリットルの1000倍であるキロリットル (kL) がよく使われ、1立方メートル (m3) に等しい。これより大きなSI接頭語をつけることも許されているが、実用上メガリットル (ML) 以上はほとんど使われない。また10倍および100倍を表すSI接頭語であるデカおよびヘクトを付けた、デカリットル (daL) およびヘクトリットル (hL) といった単位も一応は考えられ、後述のようにこれらを表す漢字(和製漢字国字)も作られたが、これらも現実的には用いられていない。

倍量名称記号SI単位分量名称記号SI単位
100 LリットルL103 cm3(1 dm3) 
101 LデカリットルdaL104 cm3(101 dm3)10?1 LデシリットルdL102 cm3
102 LヘクトリットルhL105 cm3(102 dm3)10?2 LセンチリットルcL101 cm3
103 LキロリットルkL1 m310?3 LミリリットルmL1 cm3
106 LメガリットルML103 m3(1 dam3)10?6 LマイクロリットルμL1 mm3
109 LギガリットルGL106 m3(1 hm3)10?9 LナノリットルnL106 μm3
1012 LテラリットルTL1 km310?12 LピコリットルpL103 μm3
1015 LペタリットルPL103 km310?15 LフェムトリットルfL1 μm3
1018 LエクサリットルEL106 km310?18 LアトリットルaL106 nm3
1021 LゼタリットルZL1 Mm310?21 LゼプトリットルzL103 nm3
1024 LヨタリットルYL103 Mm310?24 LヨクトリットルyL1 nm3
1027 LロナリットルRL106 Mm310-27 LロントリットルrL106 pm3
1030 LクエタリットルQL1 Gm310-30 LクエクトリットルqL103 pm3

漢字

漢字圏では「立脱耳」や「立突」という漢字が当てられ、日本では「立」と略すようになった。それを使って下記のような国字が作られた。現在ではこれらの表記は計量法上は全く認められていない。

竏 - キロリットル (kL)

竡 - ヘクトリットル (hL)

竍 - デカリットル (daL)

竕 - デシリットル (dL)

竰 - センチリットル (cL)

竓 - ミリリットル (mL)

[注釈 6] - マイクロリットル (μL)

ちなみに、「立米」は「りゅうべい」と読み、立方メートルのことである。

中華人民共和国では、尺斤法が偶然にもほぼ1リットルだったため、尺斤法をメートル法で再定義する際、升を1リットルと定義し、リットルを表すにも升を使うようになった。
符号位置

記号UnicodeJIS X 0213文字参照名称
ℓU+21131-3-63ℓ
ℓリットル
㎕U+3395-㎕
㎕マイクロリットル
㎖U+3396-㎖
㎖ミリリットル[注釈 7]
㎗U+3397-㎗
㎗デシリットル
㎘U+3398-㎘
㎘キロリットル
㍑U+33511-13-40㍑
㍑全角リットル

Unicodeには、リットルとその分量・倍量単位を表す上記の文字が収録されている。このうち、文字様記号である ? 以外はCJK互換用文字であり、既存の文字コードに対する後方互換性のために収録されているものであって、使用は推奨されない[45][46]

JIS X 0213における図形文字「? 」の追加は、リットルの記号として L や l の使用の制限を意図するものではない(#? から L へ)。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 日本の基準書類においてliterと綴られることはない(リットル#英語表記)。
^ 最大密度となる温度は 3.98 °C である。
^ 手動式タイプライターの一部の機種では、数字「1」のキーを省略し、Lの小文字「l」のキーで代用したものがあったほどである(タイプライター#キーの省略)。
^ 第53回(令和3年度)宮崎県統計グラフコンクール審査結果 第1部(小学校1・2年生) 入選作品「かさしらべ」黒木志帆(宮崎市立東大宮小学校2年生)による調査結果[1]。「いえの中のL、dL、mLさがし」として、Lが4個、mLが11個に対して、dLは健康診断の結果(血糖値の単位と思われる。)のみに使われている。
^ 小数点をもつ数字は、小学校3年生の段階で学習する。
^ 「立+少」で組み合わされた字形。
^http://www.unicode.org/versions/Unicode4.1.0/erratafixed.html Unicode4.0およびUnicode2.0の例示字形は誤って「M?」の形になっていた。また、XP以前WindowsにバンドルされているMS明朝およびMSゴシックでも、字形が誤って M? (メガリットル)の形になっており、Windows 10の後期で直るまでMS-IMEでは「みりりっとる」でなく「めがりっとる」でのみ当文字が変換できた。

出典^ 国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版 p.114 産業技術総合研究所、計量標準総合センター、「表8 SI単位と併用できる非SI単位」、2020年4月
^ 食品表示基準 第三条(横断的義務表示)、内容量又は固形量及び内容総量の欄、「内容重量、内容体積又は内容数量を表示することとし、内容重量はグラム又はキログラム、内容体積はミリリットル又はリットル、内容数量は個数等の単位で、単位を明記して表示する。」
^The International System of Units (SI) (フランス語版+英語版) 8th edition 2006 の pp. 124, 130, 142, 146, 150, 151, 152, 159.
^The International System of Units (SI) (英語版) 8th edition 2006 の pp. 124, 130, 142, 146, 150, 151, 152, 159.
^RELEVANT IMPERIAL UNITS, CORRESPONDING METRIC UNITS AND METRIC EQUIVALENTS The Units of Measurement Regulations 1995, legislation.gov.uk における綴り。metre, litre, tonne となっている。
^ U.S. Government Publishing Office Style Manual U.S. Government Publishing Office, 2016 5. Spelling, p. 84, 最右欄
^Interpretation of the International System of Units (the Metric System of Measurement) for the United States 28433ページの左欄 II. a.
^The International System of Units (SI) pp. 32, 39, 51, 55, 60, 61, 69.
^The International System of Units (SI), NIST Special Publication 330, 2008 Edition, p.iii, 第3段落。
^Interpretation of the International System of Units (the Metric System of Measurement) for the United States 28433ページの左欄 II. b.
^ 国際文書第8版国際単位系 日本語版 (2006) p. 42、『5.1 単位記号』欄外など、p. 62。
^ 例えば、 ⇒JIS Z8000-3 量及び単位-第3部:空間及び時間 p. 7、3-4.b リットル (litre) など。
^Guide for the Use of the International System of Units (SI), NIST Special Publication 811, 2008 Edition, NIST, p. 51, 下欄注19 Between 1901 and 1964 the liter was slightly larger (1.000028 dm3); when one uses high-accuracy volume data of that time, this fact must be kept in mind.
^ 国際文書第8版国際単位系 日本語版 (2006) pp. 54?55、第3回 CGPM、1901年、『リットルの定義についての声明(CR, 38-39)』


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