リットル
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これは、教科用図書検定基準が改定され、計量単位の記号については、「SIと併用される単位」についても、SI文書の表記によることとされたためである[33][34]

現在では、日本の一般的な小売の商品の印刷面やスーパーマーケットなどでの表記でも、大文字立体の L が多く用いられるようになってきている。ただし、2019年時点でも店頭における商品のパッケージ上の記述は統一されていないため、小学校の教科書では、Lとは異なる記号が使われていることに注意を促しているものがある[35]

縦書き表記では、立体の l を使用することはほとんどなく、L が使用されることもまれで、もっぱら ? が使用されるか、SI接頭語の記号 + ?(m? 等)を縦中横にしたり、㍑ の形の組文字を使用することが多い。

文字コードでは、2000年に規格化された文字コード規格のJIS X 0213は、リットルを表す記号として面区点位置1-3-63に ? を追加採用した。ただし、この図形文字の追加は、リットルの記号として L や l の使用の制限を意図するものではないとしている[36]

Unicodeでは U+2113 に ? を SCRIPT SMALL L として liter (traditional symbol) の説明つきでリットル用の記号としてコードが割り当てられており[37]、数学用に使用される筆記体の l である U+1D4C1, 𝓁, MATHEMATICAL SCRIPT SMALL L[38] とは区別して定めている。
酒類の表示

国税庁は、酒類の内容量の表示について次のように指示している[39]。根拠は、「酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律」[40]第86条の5(酒類の品目等の表示義務) である。

「内容量」の文字に続けて、「L」、「ml」、「mL」、「?」、「m?」又は「リットル」、「ミリリットル」と表示しなければならない。

注)大文字「М」は「メガ」を表す接頭語のため使用しないこと[41]

上記の表示のうち、「リットル」、「ミリリットル」は計量単位の名称である。単位記号のうち、「L」、「ml」、「mL」の3つが、計量法が標準として定めている記法であるが、「?」、「m?」の2つはそうではない。
倍量・分量単位

リットルは非SI単位であるが、国際単位系の規定でも計量法の規定でもSI接頭語を付加することができる。
分量単位
ミリリットル

日本の日常生活では1000分の1リットルであるミリリットル (mL) がよく使われ、これは、立方センチメートル (cm3) に等しい。この二者は混用されることもあるが、製品の種別や場合によっては片方のみがもっぱら使われる。液状の医薬品化粧品、調理のレシピではミリリットルが用いられ、内燃機関の容積を細かく記述する際は立方センチメートルが用いられる(大まかに記述する際はリットルを用いる)。

なお、立方センチメートル (cm3) のことを cc(立方センチメートルフランス語: centimetre cubeの略)とも表記することがあるが、SIでは使用を認めておらず、いくつかの理由から、使わないほうがよい。詳細は「立方センチメートル#cc」を参照
デシリットル豆類の販売にデシリットルが用いられている。

日本では、10分の1リットルであるデシリットル (dL) は、実生活ではあまり使われていない[注釈 4]。しかし小学校2年生の算数の教科書で教えられている[42]。これは水筒(0.8 L程度)やペットボトル(0.5 L程度)の体積を示して体積(「かさ」としている。)の単位を教えるのであるが、小学校2年生の段階では、小数点を習っていないため[注釈 5][43]、0.8 L、0.5 L とは教えず、8 dL、5 dL として教えるためである。

この単位は、主として豆や穀類を小売りする際に用いられている(2005年9月現在)。計量法の施行により、従来使われてきた尺貫法ベースの計量単位が商取引に使えなくなったため、1(約 1.8039 デシリットル)に比較的近い2デシリットルを販売の基準としている(写真参照)。また、血糖値の単位として mg/dL(ミリグラム毎デシリットル)が用いられる。
センチリットル

ヨーロッパでは100分の1リットル (10 cm3) であるセンチリットル (cL) が、飲料の容量などによく使われる。「EUにおける食品ラベルに関する表示規則(理事会指令76/211/EEC)」において、液体の容量表示は、「cL」と規定されている(ただしワイン類については附則でmL表示が認められている)[44]
その他の分量単位

生化学塗装印刷など微量の液体を扱う分野では、マイクロリットル (μL)、ナノリットル (nL)、ピコリットル (pL)、フェムトリットル (fL)、アトリットル (aL) も使われる。立方ミリメートル (mm3)、立方マイクロメートル (μm3) 等は、単位の間が9桁も開いていて使いづらいからである。これより小さなSI接頭語を付けた単位も一応は考えられるが、実際に用いられた例はない。
倍量単位

倍量単位としてはリットルの1000倍であるキロリットル (kL) がよく使われ、1立方メートル (m3) に等しい。これより大きなSI接頭語をつけることも許されているが、実用上メガリットル (ML) 以上はほとんど使われない。また10倍および100倍を表すSI接頭語であるデカおよびヘクトを付けた、デカリットル (daL) およびヘクトリットル (hL) といった単位も一応は考えられ、後述のようにこれらを表す漢字(和製漢字国字)も作られたが、これらも現実的には用いられていない。

倍量名称記号SI単位分量名称記号SI単位
100 LリットルL103 cm3(1 dm3) 
101 LデカリットルdaL104 cm3(101 dm3)10?1 LデシリットルdL102 cm3
102 LヘクトリットルhL105 cm3(102 dm3)10?2 LセンチリットルcL101 cm3
103 LキロリットルkL1 m310?3 LミリリットルmL1 cm3
106 LメガリットルML103 m3(1 dam3)10?6 LマイクロリットルμL1 mm3
109 LギガリットルGL106 m3(1 hm3)10?9 LナノリットルnL106 μm3


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