リチャード・ロジャース_(作曲家)
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映画作品は他にジョージ・M・コウアン主演の『お化け大統領(英語版)』(1932)、アル・ジョルソン主演の『Hallelujah, I'm a Bum』(1933)、2人がハリウッドを離れた後に急遽戻ることとなったビング・クロスビーとW・C・フィールズ主演の『ミシシッピ (映画)(英語版)』(1935)などがある。

1935年、ブロードウェイに戻り、1943年にハートが亡くなる直前まで、数多くのヒット・ミュージカルを作詞作曲した。中でも有名なのは『Jumbo』(1935)、ジョージ・バランシン振付のバレエ「10番街の殺人」が使用された『On Your Toes』(1936)、『Babes in Arms』(1937)、『I Married an Angel』(1938)、『The Boys from Syracuse』(1938)、『Pal Joey』(1940)、そして彼らの最後のオリジナル作品『By Jupiter』(1942)である。またロジャースはこれらの作品のうちいくつかの脚本にも貢献していた。

これらの公演で使用された楽曲の多く、「The Most Beautiful Girl in the World」、「My Romance」、「Little Girl Blue」、「I'll Tell The Man In The Street」、「There's a Small Hotel」、「Where or When」、「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」、「ザ・レディ・イズ・ア・トランプ」、「恋に恋して」、「Bewitched, Bothered and Bewildered」、「Wait Till You See Her」などが今も歌い継がれている。

1939年、ロジャースは振付師マーク・プラットと共にバレエ・リュス・ド・モンテカルロのバレエ『Ghost Town』の作曲を行なった[9]
ロジャース&ハマースタイン詳細は「ロジャース&ハマースタイン」を参照1945年、左からロジャース、ハマースタイン

ハートへの信頼が下がり、健康上の理由によりロジャースとハートのパートナーシップは問題が置きはじめていた。ハートより前から共に作曲したことのあるオスカー・ハマースタイン2世と活動を始めた。彼らの革新的ヒットを遂げたミュージカル第1作目『オクラホマ!』(1943)はアメリカのミュージカル史上最も成功したパートナーシップの幕開けとなった。彼らの作詞作曲はミュージカル様式に革命をもたらした。これ以前のミュージカルは楽曲、ダンス、コメディ・シーンが希薄な脚本で寄せ集めであったが、ロジャース&ハマースタインにより完全に融合された。

さらにミュージカル史上最も人気のある作品に数えられる4作を作り出した。『回転木馬』(1945)、『南太平洋』(1949)、『王様と私』(1951)、『サウンド・オブ・ミュージック』(1959)はそれぞれ映画化されヒットした。1950年、『南太平洋』がピューリッツァー賞 戯曲部門を受賞した。『フラワー・ドラム・ソング』(1958)はややヒットし、『Allegro』(1947)、『Me and Juliet』(1953)、『Pipe Dream』(1955)は失敗作に近いものであった。また映画『ステート・フェア』(1945)、スペシャル・テレビ・ミュージカルの『シンデレラ』(1957)の作詞作曲も行なった。

ロジャース&ハマースタインの楽曲「Oh, What a Beautiful Mornin'」、「People Will Say We're in Love」、オクラホマ州州歌となった「Oklahoma!」、「It's A Grand Night For Singing」、「If I Loved You」、「ユール・ネヴァー・ウォーク・アローン」、「It Might as Well Be Spring」、「魅惑の宵」、「Younger Than Springtime」、「Bali Hai」、「Getting to Know You」、「私のお気に入り」、「The Sound of Music」、「Sixteen Going on Seventeen」、「Climb Ev'ry Mountain」、「ドレミのうた」、ハマースタインの最後の曲「エーデルワイス」など多くが有名になった。1952年のエド・サリヴァンの2部構成のスペシャル番組「Toast of the Town」に取り上げられた。

ハート、ハマースタイン双方とのロジャースの作品の多くはロバート・ラッセル・ベネットが編曲した。26エピソードによる第二次世界大戦についてのテレビ・ドキュメンタリー『第二次世界大戦全史』(1952?53)のためのオーケストラ・スコアの準備のためにロジャースが作曲した12曲のテーマ曲を使用した。NBCの制作は「コンピレーション・ドキュメンタリー」の先駆者となり、番組は数十カ国で放映された。人気曲「No Other Love」のメロディが『第二次世界大戦全史』のテーマ曲「Beneath the Southern Cross」に使用された。ABCのドキュメンタリー「Winston Churchill: The Valiant Years」でロジャースが作曲してエディ・ソーター、ハーシー・ケイ、ロバート・E・ドーランが楽譜を作成し、エミー賞を受賞した。1963年から1964年に放送された30エピソードのテレビ・ドラマ『The Greatest Show on Earth』のテーマ曲「March of the Clowns」を作曲した。1963年から1964年、歴史アンソロジーのテレビ番組『The Great Adventure』のメイン・テーマ曲を作曲した。

1960年、ロジャース&ハマースタインはThe Hundred Year Association of New Yorkよりニューヨーク市への貢献を称えられ金メダル賞を受賞した。ロジャース、ハマースタイン、ジョシュア・ローガンは『南太平洋』でピューリッツァー賞 戯曲部門を受賞した[10]。1944年、ロジャース&ハマースタインは『オクラホマ!』でピューリッツァー賞特別賞を受賞した[11]

1954年、ロジャースはコロムビア・レコードからリリースされた『第二次世界大戦全史』の抜粋「10番街の殺人」、「Carousel Waltz」が収録されたスペシャルLPでニューヨーク・フィルハーモニックを指揮した。

ロジャース&ハマースタインのミュージカルは、37のトニー賞、15のアカデミー賞、2つのピューリッツァー賞グラミー賞エミー賞を獲得するなどの成果をおさめた。
ハマースタイン没後

1960年にハマースタインが亡くなった後のロジャースにとって最初のブロードウェイ・ミュージカル『No Strings』(1962)において「The Sweetest Sounds」などで作曲だけでなく作詞も手掛け、中程度にヒットした。1962年、この作品はトニー賞楽曲賞、振付賞、ミュージカル主演男優賞を受賞した。

あまり知られてはいないが、映画『アラビアのロレンス』(1962)の製作者サム・スピーゲルによると、本編の90%の作曲を依頼したものの、ロジャースの曲は物足りないもので、結局モーリス・ジャールが、全曲を担当した[12][13][14]

ロジャースは映画版『サウンド・オブ・ミュージック』(1965)で新曲2曲の作詞作曲を行なった。本作の他の楽曲はロジャース&ハマースタインのものが使用された。

ロジャースは、ハマースタインが保護者となっていた作詞家スティーヴン・ソンドハイムと共に『Do I Hear a Waltz?』(1965)を作詞作曲した。他にマーティン・チャーニンと共に『Two by Two』(1970)、『I Remember Mama』(1979)、シェルドン・ハーニックと共に『Rex』(1976)の作詞作曲を行なった。

1978年、バーナード・カレッジの卒業式において、ロジャースはその高い功績を称えられバーナード特別功労賞を受賞した。同じ年、第1回ケネディ・センター名誉賞を受賞した。1979年、亡くなる6ヶ月前、トニー賞授賞式においてロジャースはLawrence Langner Memorial Award for Distinguished Lifetime Achievement in the American Theatreを受賞した。
死およびレガシー

1979年、顎のガンを克服した後、心臓発作および咽頭切除により77歳で亡くなった。火葬され、遺灰は海に撒かれた。ロジャースが亡くなった晩、ブロードウェイの全ての劇場は、灯りを消してその死を悼んだ。

1990年、46th Street Theatreはロジャースの功績を記念してリチャード・ロジャース・シアターと改名した。1999年、ロジャース&ハートの追悼記念切手が発売された。2002年、ロジャース生誕100周年を記念して世界中で書籍発売、回顧展開催、上演、音楽リリースが行なわれた他、『オクラホマ!』のブロードウェイ再演が行なわれた。BBCプロムスにおいて、『オクラホマ!』のコンサートを含みロジャースの音楽が一晩中演奏された。ボストン・ポップス・オーケストラはロジャースのトリビュート・アルバム新CD「My Favorite Things: A Richard Rodgers Celebration」をリリースした。


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