リシ・スナク
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

2022年4月、新型コロナウイルス対策のロックダウン期間中に規制違反のパーティーを開いたとして、ジョンソン首相と共に警察から罰金を命じられている[26][27]

2022年7月5日、ジョンソン首相との経済政策の相違を辞表の理由に財務大臣を辞任した[28]。スナク財務相の辞任は、サジド・ジャヴィド保健相の辞任も相まってジョンソン首相の辞任を招いた。
2度の保守党党首選挙出馬スナク内閣の閣議(2022年10月26日)スコットランド首相のニコラ・スタージョンと(2022年11月10日)キーウ初訪問にてウクライナウォロディミル・ゼレンスキー大統領と(2022年11月19日)

ジョンソンが辞意を表明した直後の翌7月8日に、党首選挙へ立候補することを表明した[29]。庶民院議員による予備選挙の5回の投票では全て1位となり、リズ・トラス外相との党員全員による決選投票に進んだ[30]。9月5日に結果が発表され、スナクは6万399票にとどまり、8万1326票を獲得したトラスに敗れ落選した[31]

2022年10月23日、トラスの辞任表明を受け行われる保守党党首選挙へ再立候補することを表明した[32]。10月24日午後1時半時点で、スナクは保守党議員357人のうち193人の支持を得ていた。有力候補とも見做されていたジョンソン前首相、ペニー・モーダント庶民院院内総務が立候補受付の10月24日までに相次いで出馬を断念したため、同日午後2時に1922年委員会のグレアム・ブレイディー委員長がスナクの無投票当選を宣言した[33][34][35]

スナクは午後4時過ぎから、保守党本部で新党首として初めて演説をした。開口一番トラス首相に感謝し、「多大な変化と、国の内外がきわめて難しい状況」の中、「威厳ある」指導力を示したとたたえた。続けて、同僚議員たちの支持を得て党首に選ばれたことについて「身が引き締まる思いで、名誉に思っている」とした上で、「愛する党に仕え、多大な恩義のある国に恩返しができるのは、人生で最高の栄誉だ」と話した。イギリスは「偉大な国」だが、「まぎれもなく経済的に甚大な課題に直面している」と指摘し、「私たちはいま安定と団結が必要だ」、「この党とこの国をひとつにまとめることを、自分の最優先課題にする。課題を乗り越え、子供や孫たちのためにより良い、豊かな将来を築くには、それしか方法がないからだ」と述べた。最後に「誠実に、そして謙虚に、皆さんに仕えると誓います」「イギリスの人たちのため結果を出すよう、昼夜を問わず働きます」と約束し、演説を締めくくった[33]
初の非白人・アジア系、ヒンドゥー教徒の英国首相日本岸田文雄首相と、ロンドン塔にて(2023年1月11日)

2022年10月25日、与党党首としてバッキンガム宮殿へ参内し国王チャールズ3世に謁見して組閣を命じられ、リズ・トラスの後任である首相に就任した。イギリスでは20世紀以降、就任時年齢が42歳5ヶ月で最も若年でかつ、同国史上で初の非白人・アジア系、ヒンドゥー教徒の首相の誕生となった。下院初当選から7年での首相就任は、現代イギリスで最速[33][12][13][14]。また、同年9月8日に即位したチャールズ3世が任命した最初の首相である[15]

新首相としてバッキンガム宮殿からダウニング街10番地に移動したスナクは、午前11時50分ごろから就任演説を行った。トラス前首相による間違いがあったことを認め、「これまでいろいろなことがあったので、信用回復が重要だ」と述べ、「経済安定と信用をこの政府の中心課題にする」、「言葉ではなく行動で国をまとめる」と約束。経済活性化や団結の重要性を強調し、自分が直面する巨大な課題を前に「臆していない」と述べ、「毎日を希望で満たす」と約束した後、首相として官邸に入った[33]。「スナク内閣」も参照

11月19日、首相就任後初めてウクライナを訪問し、同国首都キーウウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談した。ロシア軍ミサイルドローン(無人機)攻撃によりウクライナの電力危機が深刻化する中、スナクは対空砲や対ドローン兵器など5千万ポンド(約83億円)相当の追加支援を発表し、今後も支援を継続すると約束した。そして「ウクライナがこの野蛮な戦争を終わらせ、平和をもたらすために戦う限り、英国と同盟国は支援を続ける」と表明。ウクライナ国民に「残虐な空爆」を行っているとしてロシアを非難し、防空装備を追加供与すると発表した。ゼレンスキー大統領は同日にスナクと世界の安全保障問題などを協議したとし「戦争の初日以来、ウクライナと英国は最も強い連帯関係にある」と強調した。英国は米国とともにウクライナの主要支援国の一つで、これまでに多連装ロケットシステムや携帯型対戦車ミサイル「ジャベリン」、自走式155ミリ榴弾砲、防空ミサイルなど各種装備を供与し、ウクライナ軍の兵士に高度な戦闘訓練を施す支援も実施している[36]

2023年1月11日、訪英中の岸田文雄首相との間で日英円滑化協定への署名を行った。同協定は今後、自衛隊イギリス軍が艦船の寄港や共同演習といった協力活動を実施する際の手続を簡素化し、日英両国の安全保障・防衛協力の一層の活発化を目的として締結された[37]ダウニング街10番地(英首相官邸)は「1902年に締結された日英同盟以来、最も重要な日英間の防衛協定」と発表し、事実上の日英同盟復活とも言われた[38]

5月6日ウェストミンスター寺院にて執り行われた国王チャールズ3世と王妃カミラ戴冠式において(日本からは秋篠宮文仁親王同妃紀子が参列)、(自身はヒンドゥー教徒であるが)イギリス首相として聖書の一節を朗読した。

2024年5月22日、近く議会下院を解散し、7月4日に総選挙を行うと発表した[39][40]
政策・主張アメリカ合衆国ジョー・バイデン大統領と、バリでのG20サミットにて(2022年11月16日)インドナレンドラ・モディ首相と、G20バリサミットにて(2022年11月16日)


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:140 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef