即ち付属語・擬音語以外の和語で「ら行」音で始まるものは、殆ど存在しない。これは、確認し得る最も古い日本語(上古日本語)の時代からの極めて古い特徴である。また、朝鮮語やアルタイ諸語(トルコ語・モンゴル語・満州語など)に共通する特徴でもあり、これを一種の地域特徴として捉えたり、言語の系統論に関連づけようとする試みもある。「ら行」で始まる和語の数少ない例外かも知れないものに、サメ(鮫)の一種の名称「ラブカ(羅鱶)」があるが、この語は明治時代以前には見られない語であり[要出典]、和語と外国語のいずれに由来があったとしても経歴的に異色である。皮膚が滑らかで肌触りが毛織物のラシャに似ていることからそのように呼ばれ始めたとする説[6]が有力ではあるが、「鰓(えら)の目立つ、フカ(鱶。大型サメ類の俗称)」を意する「エラブカ」から語頭音が落ちたものとする異説もある[要出典]。 「ら行」で始まる日本の元号は「霊亀」「暦仁」「暦応」「令和」の4例しかなく、非常に珍しいものとなっている。2019年(平成31年)5月1日に行われた改元では新元号が「令和」になったが、これは「暦応」以来680年ぶりの「ら行」始まりの元号であった。 発音表母音/a//i//u//e//o/ 語頭や撥音の後かそれ以外かで、発音の表記が大きく異なる。いずれも有声音であり、清音・濁音の区別が存在しない。
ラシャブカ説の語構成[ ja: ラブカ(羅鱶。生物の和名の一つ) < ラシャブカ(含意:羅紗のような肌触りの鱶)< ラシャ(羅紗。ポルトガル産の毛織物[7]。< pt: raxa{ラサの、ラサ産の})+ フカ(鱶{大型サメ類の俗称[8] }) ][6]
エラブカ説[要出典]の語構成[ ja: 羅鱶(当て字)< ラブカ(生物の和名の一つ) < エラブカ(含意:鰓の目立つ鱶)< エラ(鰓)+ フカ(鱶) ]
ら行の元号
音声学的分類
ら行ラ /?a//?i/ル /?u/レ /?e/ロ /?o/
りゃ行リャ /??a/リ /??i/リュ /??u//??e/リョ /??o/
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 字引:“るんるん
^ 青森県八戸市にある「ルイケ(類家)」(江戸時代における陸奥国三戸郡類家村、幕藩体制下の奥州八戸藩知行類家村)を挙げる資料もあるが、典拠不明である。
出典^ 小学館『デジタル大辞泉』、小学館『精選版 日本国語大辞典』. “ら行
^ 北海道庁 アイヌ政策推進局 アイヌ政策課 (OAMP) (2018年4月4日更新). “ ⇒アイヌ語地名リスト”. 公式ウェブサイト. 北海道. 2020年4月12日閲覧。
^ a b c d 北海道庁 アイヌ政策推進局 アイヌ政策課 (OAMP) (2018年4月4日更新). “ ⇒モク?リ - アイヌ語地名リスト” (PDF). 公式ウェブサイト. 北海道. 2020年4月12日閲覧。
^ a b c 北海道庁 アイヌ政策推進局 アイヌ政策課 (OAMP) (2018年4月4日更新). “ ⇒ル?ワ - アイヌ語地名リスト” (PDF). 公式ウェブサイト. 北海道. 2020年4月12日閲覧。
^ 更科源蔵・更科光 1976, pp. 447?448.
^ a b 日立デジタル平凡社『世界大百科事典』第2版. “羅鱶”. コトバンク. 2020年4月12日閲覧。
^ 『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』. “ラシャ”. コトバンク. 2020年4月12日閲覧。
^ “鱶”. コトバンク. 2020年4月11日閲覧。
参考文献
更科源蔵、更科光『コタン生物記〈2〉野獣・海獣・魚族篇』法政大学出版局、1976年。ASIN B000J9WHHQ。
更科源蔵、更科光『コタン生物記〈2〉野獣・海獣・魚族篇』(新装版)法政大学出版局〈教養選書 78〉、1992年7月。 ISBN 4-588-05078-8、ISBN 978-4-588-05078-7。
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