ラーメン
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同一の小麦粉で作った麺でも、日本のうどんや中国の多くの他の麺料理やイタリアパスタと異なる独特の色・味・食感をもつ。但し、地域によっては無かん水麺の秋田十文字ラーメン、かん水以外のアルカリ液で製麺する麺を用いる長崎ちゃんぽんの一部や沖縄そば、鶏卵によりコシを出す卵麺などもある。

この小麦粉に水を加えて、細長い麺とする。多くの場合は「製麺機」で製麺し、製麺会社が製造する麺を使用する店も多いが、1990年代以降小型の圧延機などが流通し、ラーメン専門店は自家製麺を行う店が増えている。

麺の太さにより「細麺」「中細麺」「中太麺」「太麺」などとも区分される。麺の縮れ具合も考慮する。これを組み合わせてラーメンマニアが麺を評する際に「中細ストレート麺」などと称することもあるが、あくまでも感覚的な呼称である。博多ラーメンの細い麺から、うどんより太い麺まで多種多様である。

切刃番手の数字により麺の太さが決まり、18番・20番・22番・24番・26番・28番の麺が多く使われる[18][19][20]。札幌ラーメンは太麺の22番が使われる[18]

またラーメン店において麺を食べた後の、麺のみの追加注文を替え玉という。
スープ

ラーメンの汁は「スープ」と呼ぶ。丼に入れたタレを出汁で割ってスープを作る。出汁を「スープ」と呼ぶこともあるが、本項では混同を避けるため、区別して記述する。

スープはラーメンの味を決定する非常に重要な要素であり、手間暇をかけて工夫したスープを使用する店がほとんどである。調味するタレは長時間の加熱で香りが飛んだり味の変化が起こるため、ダシとタレは分けて仕込む。自前で出汁を調理せず、業務用の出汁やスープを用いる店もある。水で希釈する濃縮タイプ、冷凍パックやレトルトパウチを湯煎するストレートタイプなどがある[21]
出汁
スープの素となる。出汁は複数の素材から取ることが多く、日本のラーメン原点ともされる醤油ラーメンでは、鶏ガラを基本に、野菜と鰹節などの削り節煮干しで味を整えたものが主流である。鶏ガラ・豚骨牛骨削り節昆布干し椎茸など様々な材料が、ダシの素材として使用されている。臭み消しや風味づけにタマネギ長ネギ生姜ニンニクなどの香味野菜を使う。牛骨や削り節・煮干し焼き干しあごなど魚介をベースにする店もある。色々組み合わせる場合が多く、昆布と削り節の組み合わせは旨みの相乗効果がある[22]うま味調味料化学調味料)は複数のダシをまとめる時、味を整えるために大きな役割をはたすが、無化調(化学調味料不使用)をアピールする店もある。2010年代後半にイスラム圏の客へ向けたダシに豚骨を使わないラーメンも話題になった[23]
タレ
風味の基礎となる味噌・塩・醤油などの調味料に香辛料や砂糖・塩・旨味調味料・味醂清酒などの調味料や、野菜・海藻・果物・肉類など素材のペーストや粉末やエキスを混ぜ込み馴染ませたものである。タレを出汁で割ってスープを完成させる。タレ(かえし)を出汁で割る技法は、日本蕎麦の技法の応用である。かえしとも呼ばれる。味噌の場合はペースト状、塩の場合は粉末状もあり、必ずしも液状ではない。
香味油
コクや旨味を強調する。旭川ラーメン酒田ラーメン燕三条背脂ラーメン熊本ラーメンなどで用いる。ネギやニンニクを用いたねぎ油やマー油、辛味油、ラードまたは焼きラード、鶏油、エビ油、オリーブゴマなどなどの特徴の強い植物油、ハーブや香味野菜を漬け込んだ油など多種ある。2000年前後に、醤油ラーメンのスープに豚の背脂の塊を浮かべる「背脂チャッチャ系」が流行した。バターも用いられるがトッピング要素が強い。また油・塩分・糖分の組み合わせが「マイルドドラッグ」と呼ばれ、ラーメンの中毒性(やめられない止まらない)の原因にもなっている。
日本蕎麦店が提供する「五目そば」(五目ラーメン)。肉や野菜、ゆで卵、キクラゲ、鳴門巻きなど具が豊富である。

醤油ラーメンでは叉焼(チャーシュー)とメンマ(シナチク)とネギ、豚骨ラーメンでは叉焼とネギと キクラゲがよく用いられる。具はトッピングとして追加するか、もしくは追加される具によって「野菜ラーメン」「ネギラーメン」など別個のメニューとなっていることが多い。特殊ではあるが出汁やタレや麺に厳選した素材を使い、具を全く入れないラーメンもある。
叉焼(チャーシュー)
多くの場合は煮豚を使用するが焼き豚(中華焼豚も含む)を使う場合もある。二郎など一部の店では「ブタ」と呼ぶ。ラーメンの具の中では花形とされ、多くの店ではその店の標準より多くトッピングした物はチャーシューメンと呼ばれ高価なメニューとなっている。比較的短時間で加熱の硬めのチャーシューや、じっくり煮込んで崩れる寸前まで煮込んだ柔らかいチャーシュー、それを炙った物など多様である。チャーシューやチャーシューなども存在する。徳島県など一部のラーメンなどでは、塊で煮込まずにスライスした豚肉を味付け火入れした物がチャーシューの代わりに用いられる場合もある。

ゆで卵半熟卵が使われるほか、これらを調味液に漬けて味付けした「味玉」(煮卵)や燻製液に漬けた「薫玉」が使われることもある。丸ごと入れるほか、半分に切った状態でトッピングされることが多い。生卵を割り入れて月見とする徳島ラーメンなどもある。
ネギ
おもに薬味として用いられる。東日本では薄く小口切りした白ネギが多く、ほかに白ネギを繊切りした「白髪ネギ」、それをさらに豆板醤コチュジャンなどで和えた「辛ネギ」もある。博多ラーメンなど、西日本では小ねぎ九条ねぎなどの青ネギを用いることが多い。地域に関係なく、出汁などによってネギの種類を変えることもある。八王子ラーメン竹岡ラーメンなど、一部ではタマネギも用いる。
メンマ(支那竹/シナチク)
マチク(麻竹)などの発酵させ、水で洗った後塩漬けにし、塩抜きして用いる。塩抜きのまま用いる店と、煮汁で煮込んで柔らかくして使う店がある。
青物(単独で用いる)
醤油ラーメンでよく用いられる。ホウレンソウコマツナチンゲンサイなどの葉野菜を茹でたり炒めたりした物や、カイワレ大根ワカメなどをそのまま乗せる場合もある。香りと歯触りを添える。近年では豆板醤などに漬けたニラを入れることもある。
鳴門巻き蒲鉾
鳴門巻きは渦巻き模様の蒲鉾。通常の蒲鉾を具にする場合もある。彩りを増し食味上のアクセントにもなる。
海苔
青海苔や板海苔、岩海苔(バラ海苔)、生海苔などを使い独特の風味を加える。
野菜
味噌ラーメンでよく用いられる。モヤシキャベツニンジンタマネギなどの野菜炒めが使われるほか、コーンや茹でモヤシが単独で使用されることもある。時期限定ではあるがグリーンアスパラガスも使う店がある。あんかけで、とろみが付けられることもある。
キクラゲ紅生姜ゴマ高菜・小梅
いずれも九州系の豚骨ラーメンや博多ラーメンで用いる。キクラゲはトッピング感覚で使われる。紅しょうがや小梅の酸味は豚脂のしつこさを軽減する。ゴマは薬味として用いられ、醤油ラーメンなどでのコショウに相当する。高菜は漬け物にした「高菜漬け」の古漬けを細かく切って油炒めにしたものを用いるほか、唐辛子を一緒に漬け込んだり、炒める際に唐辛子を加えた「辛子高菜」を用いる。若い高菜漬けを軽く塩抜きしてそのまま青菜のように用いる店もある。
ニンニク
ニンニク絞りで潰したもの、刻んだもの、すり下ろしたもの、揚げたもの、パウダーが使われる。
チーズ
古くは酪農学園大学の酪農ラーメンが用いた。1977年当時は味噌ラーメンにスライスチーズを入れた。その後、全国で粉チーズやおろしチーズをトッピングに用いるラーメンが登場している。
魚介類
甲殻類貝類を乗せたものがある。乾燥魚介なども使われる。店舗や家庭の好みなどによって多岐にわたる。
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