ラーメン
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台湾中華民国)や中国(中華人民共和国)では、日本のラーメンは日式拉麺(: 日式拉?/: 日式拉面)や日本拉麺(: 日本拉?/: 日本拉面)と呼ばれる。
欧米諸言語

欧米を中心に英語などラテン文字表記では、Ramen[12][13]、Chinese noodles[14][13]、Fideos chinos(スペイン語)[15][16]
語源

ラーメンの語源については諸説[4]あり、以下で記述する:
中国の「拉麺」由来:中国西北部に位置する蘭州の麺の一種「拉麺(.mw-parser-output .pinyin{font-family:system-ui,"Helvetica Neue","Helvetica","Arial","Arial Unicode MS",sans-serif}.mw-parser-output .jyutping{font-family:"Helvetica Neue","Helvetica","Arial","Arial Unicode MS",sans-serif}?音: l? mian ラーミェン)」(繁体字で「拉?」、簡体字で「拉面」)が由来という説である。中国語の「拉」とは「手で引き延ばす」という意味で、拉麺は蕎麦うどんのように刃物で切り分けて細長い形にするのではなく、手で引っ張り伸ばして細長い麺の形を形成する手打ちの技法で作られる。この拉麺は麺生地を延ばし何層か折りたたんで包丁で細い麺状に切る「桿麺」とともに日本のラーメンの原型となったが、日本では各地にラーメンが広まった時期と製麺機が登場・普及した時期が近かったため、麺の手打ち職人が育つ間もなく製麺機での製麺が一般的になったという[10]。各種辞典の「ラーメン」項にも「拉麺」は記載されている。

中国の「老麺」由来:老麺(ラオミェン)とする説では、一部の辞典はラーメンの項目で「拉麺」とともに「老麺」という漢字表記も採用している[4]

日本の中華料理屋由来:1922年大正11年)北海道札幌市に開店した「竹屋」という食堂(店主・大久昌治、後に支那料理竹家に改称)が由来という説。竹屋食堂は後に中華料理も扱う店となり、そこで店主の妻(大久たつ)が厨房の中国料理人の王文彩が大声で「好了(ハオラー、出来ましたという意味)」と告げるアクセントを気に入って印象に残り、「ラーメン」とした[17]

麺・スープ・具
麺詳細は「中華麺」を参照生麺

小麦粉を原材料とし、アルカリ塩水溶液かん水(鹹水)を添加することが大きな特徴である。同一の小麦粉で作った麺でも、日本のうどんや中国の多くの他の麺料理やイタリアパスタと異なる独特の色・味・食感をもつ。但し、地域によっては無かん水麺の秋田十文字ラーメン、かん水以外のアルカリ液で製麺する麺を用いる長崎ちゃんぽんの一部や沖縄そば、鶏卵によりコシを出す卵麺などもある。

この小麦粉に水を加えて、細長い麺とする。多くの場合は「製麺機」で製麺し、製麺会社が製造する麺を使用する店も多いが、1990年代以降小型の圧延機などが流通し、ラーメン専門店は自家製麺を行う店が増えている。

麺の太さにより「細麺」「中細麺」「中太麺」「太麺」などとも区分される。麺の縮れ具合も考慮する。これを組み合わせてラーメンマニアが麺を評する際に「中細ストレート麺」などと称することもあるが、あくまでも感覚的な呼称である。博多ラーメンの細い麺から、うどんより太い麺まで多種多様である。

切刃番手の数字により麺の太さが決まり、18番・20番・22番・24番・26番・28番の麺が多く使われる[18][19][20]。札幌ラーメンは太麺の22番が使われる[18]

またラーメン店において麺を食べた後の、麺のみの追加注文を替え玉という。
スープ

ラーメンの汁は「スープ」と呼ぶ。丼に入れたタレを出汁で割ってスープを作る。出汁を「スープ」と呼ぶこともあるが、本項では混同を避けるため、区別して記述する。

スープはラーメンの味を決定する非常に重要な要素であり、手間暇をかけて工夫したスープを使用する店がほとんどである。調味するタレは長時間の加熱で香りが飛んだり味の変化が起こるため、ダシとタレは分けて仕込む。自前で出汁を調理せず、業務用の出汁やスープを用いる店もある。水で希釈する濃縮タイプ、冷凍パックやレトルトパウチを湯煎するストレートタイプなどがある[21]
出汁
スープの素となる。出汁は複数の素材から取ることが多く、日本のラーメン原点ともされる醤油ラーメンでは、鶏ガラを基本に、野菜と鰹節などの削り節煮干しで味を整えたものが主流である。鶏ガラ・豚骨牛骨削り節昆布干し椎茸など様々な材料が、ダシの素材として使用されている。臭み消しや風味づけにタマネギ長ネギ生姜ニンニクなどの香味野菜を使う。牛骨や削り節・煮干し焼き干しあごなど魚介をベースにする店もある。色々組み合わせる場合が多く、昆布と削り節の組み合わせは旨みの相乗効果がある[22]うま味調味料化学調味料)は複数のダシをまとめる時、味を整えるために大きな役割をはたすが、無化調(化学調味料不使用)をアピールする店もある。2010年代後半にイスラム圏の客へ向けたダシに豚骨を使わないラーメンも話題になった[23]
タレ
風味の基礎となる味噌・塩・醤油などの調味料に香辛料や砂糖・塩・旨味調味料・味醂清酒などの調味料や、野菜・海藻・果物・肉類など素材のペーストや粉末やエキスを混ぜ込み馴染ませたものである。タレを出汁で割ってスープを完成させる。タレ(かえし)を出汁で割る技法は、日本蕎麦の技法の応用である。かえしとも呼ばれる。味噌の場合はペースト状、塩の場合は粉末状もあり、必ずしも液状ではない。
香味油
コクや旨味を強調する。旭川ラーメン酒田ラーメン燕三条背脂ラーメン熊本ラーメンなどで用いる。ネギやニンニクを用いたねぎ油やマー油、辛味油、ラードまたは焼きラード、鶏油、エビ油、オリーブゴマなどなどの特徴の強い植物油、ハーブや香味野菜を漬け込んだ油など多種ある。2000年前後に、醤油ラーメンのスープに豚の背脂の塊を浮かべる「背脂チャッチャ系」が流行した。バターも用いられるがトッピング要素が強い。また油・塩分・糖分の組み合わせが「マイルドドラッグ」と呼ばれ、ラーメンの中毒性(やめられない止まらない)の原因にもなっている。
日本蕎麦店が提供する「五目そば」(五目ラーメン)。肉や野菜、ゆで卵、キクラゲ、鳴門巻きなど具が豊富である。

醤油ラーメンでは叉焼(チャーシュー)とメンマ(シナチク)とネギ、豚骨ラーメンでは叉焼とネギと キクラゲがよく用いられる。具はトッピングとして追加するか、もしくは追加される具によって「野菜ラーメン」「ネギラーメン」など別個のメニューとなっていることが多い。特殊ではあるが出汁やタレや麺に厳選した素材を使い、具を全く入れないラーメンもある。
叉焼(チャーシュー)
多くの場合は煮豚を使用するが焼き豚(中華焼豚も含む)を使う場合もある。二郎など一部の店では「ブタ」と呼ぶ。ラーメンの具の中では花形とされ、多くの店ではその店の標準より多くトッピングした物はチャーシューメンと呼ばれ高価なメニューとなっている。比較的短時間で加熱の硬めのチャーシューや、じっくり煮込んで崩れる寸前まで煮込んだ柔らかいチャーシュー、それを炙った物など多様である。チャーシューやチャーシューなども存在する。徳島県など一部のラーメンなどでは、塊で煮込まずにスライスした豚肉を味付け火入れした物がチャーシューの代わりに用いられる場合もある。

ゆで卵半熟卵が使われるほか、これらを調味液に漬けて味付けした「味玉」(煮卵)や燻製液に漬けた「薫玉」が使われることもある。丸ごと入れるほか、半分に切った状態でトッピングされることが多い。生卵を割り入れて月見とする徳島ラーメンなどもある。
ネギ
おもに薬味として用いられる。東日本では薄く小口切りした白ネギが多く、ほかに白ネギを繊切りした「白髪ネギ」、それをさらに豆板醤コチュジャンなどで和えた「辛ネギ」もある。博多ラーメンなど、西日本では小ねぎ九条ねぎなどの青ネギを用いることが多い。


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