小林はラーメンズを「笑いの要素の強い演劇的パフォーマンス」と称し、あえて「お笑い」という枠に自分達を嵌め込まなかった[19]。ボケとツッコミがあるという固定観念から外れて、笑わせるためにはどのような方法があるだろうか考え、ゼロからラーメンズのスタイルを作っていった[80]。一人が全く喋らないコントなどで新しいお笑いと言われたこともあるが、「他の人はどうしてここに手をつけてないんだろう?」と本人たちは普通にやっているつもりで、自分達が作ったルールの中で1番になれると思っていた[9][80]。
片桐はラーメンズ以外の芝居にも参加する中で求められるものがストーリーだと感じ、翻ってラーメンズに求められるものはやっぱりお笑いなのではないかと感じていた[76]。それを受けて小林は、それは目的の話であり、一般的なお笑いのイメージにはやっぱりラーメンズはいないんじゃないかと返答している[76]。 一般的なコントは冒頭に状況説明や登場人物の紹介があるが、省略しているラーメンズのコントを岡崎太威は「いきなりサビが始まるかのよう」と表現している[15]。インタビューで小林は「ジグソーパズルが最後に嵌まる気持ちよさを味わってほしい」と答えており、物語の全容が見えてこない構成も意図したものである[15]。小林は、人物がいて関係性があり、キャラクターが会話すれば自然に発生するラーメンズの笑いの作用を、科学より数学や物理に近いとし、100を越えるラーメンズのコントのなかで、20本は他者が演じても面白く成立するマスターピースになったと自信を持っている[20][81]。 「現代片桐概論」は、架空の生物である「カタギリ」の教材用模型に扮した片桐が、直立不動で黙ったまま進んでいくコントである[82][9]。架空の生物学を真面目に講義する教員役の小林が、あるあるネタのように所作や話し方をリアルに演じる落差がコントの魅力になっている[82][83]。元々はシアターDのオールスターライブ用に作られたネタで、片桐のパフォーマンスに納得していなかった小林の「じゃあ何もさせなければいいじゃないか」という思惑が反映されている[34]。 井山弘幸が大学の講義で片桐概論を扱った際、実際にカタギリという生物が存在すると勘違いしてしまった学生がいた[84]。そのことから、架空の生物について書かれたとネタ晴らしをせず、学術書の体裁を崩さない鼻行類との類似点を指摘している[84]。 「読書対決」はそれぞれが朗読する本の面白さを競っているが、いつの間にか本の内容から逸脱しエスカレートしていくというネタである[85][86]。「ロミオとジュリエット」と「鼻」の対決では、「あなたはどうしてロミオなの?」という有名なセリフに「ああ鼻、どうして前についているの?」と返し、最後は「ミミオとハナエット」ともじり耳鼻科の由来だと勝ち誇る、シュールな性質が強いオチとなっている[86][87][88]。 「日本語学校」は、とある語学学校の教師役の小林のセリフを生徒役の片桐が復唱するコントで、フランス編やイタリア編などシリーズ化されている[89]。アフリカ人がでたらめな日本語を学ぶニュースを見たことに加え、小林がヤン・シュヴァンクマイエルに会いにチェコを訪れた際に、電車内で外国人が「日本語」という本を持ち「コレハリンゴデスカ」と練習していた光景から着想を得ている[34]。 歴史上の単語が語感が似たものに置き換わっていく言葉遊びのような「日本語学校アメリカン」から、普通の会話をいかにも意味ありげに朗読することによって、不穏な空気を演出しているフランス編とシリーズの中でも幅がある[90][91][92]。イタリア編では都道府県名をイタリア語風に読み上げたり、組み合わせて奇妙な言葉を生み出しており、アスキーアートキャラを用いた動画化によって人気コンテンツになっていた[93]。 インディーズで発売された「日本語学校」のCDはプレミアがつくほどの貴重さで、新しいバージョンを追加し「ラーメンズの新日本語学校」として新たに発売された[94]。
作品構造
現代片桐概論
読書対決
日本語学校
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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