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「現代片桐概論」は、架空の生物である「カタギリ」の教材用模型に扮した片桐が、直立不動で黙ったまま進んでいくコントである[82][9]。架空の生物学を真面目に講義する教員役の小林が、あるあるネタのように所作や話し方をリアルに演じる落差がコントの魅力になっている[82][83]。元々はシアターDのオールスターライブ用に作られたネタで、片桐のパフォーマンスに納得していなかった小林の「じゃあ何もさせなければいいじゃないか」という思惑が反映されている[34]

井山弘幸が大学の講義で片桐概論を扱った際、実際にカタギリという生物が存在すると勘違いしてしまった学生がいた[84]。そのことから、架空の生物について書かれたとネタ晴らしをせず、学術書の体裁を崩さない鼻行類との類似点を指摘している[84]
読書対決

「読書対決」はそれぞれが朗読する本の面白さを競っているが、いつの間にか本の内容から逸脱しエスカレートしていくというネタである[85][86]。「ロミオとジュリエット」と「」の対決では、「あなたはどうしてロミオなの?」という有名なセリフに「ああ鼻、どうして前についているの?」と返し、最後は「ミミオとハナエット」ともじり耳鼻科の由来だと勝ち誇る、シュールな性質が強いオチとなっている[86][87][88]
日本語学校

「日本語学校」は、とある語学学校の教師役の小林のセリフを生徒役の片桐が復唱するコントで、フランス編やイタリア編などシリーズ化されている[89]。アフリカ人がでたらめな日本語を学ぶニュースを見たことに加え、小林がヤン・シュヴァンクマイエルに会いにチェコを訪れた際に、電車内で外国人が「日本語」という本を持ち「コレハリンゴデスカ」と練習していた光景から着想を得ている[34]

歴史上の単語が語感が似たものに置き換わっていく言葉遊びのような「日本語学校アメリカン」から、普通の会話をいかにも意味ありげに朗読することによって、不穏な空気を演出しているフランス編とシリーズの中でも幅がある[90][91][92]。イタリア編では都道府県名をイタリア語風に読み上げたり、組み合わせて奇妙な言葉を生み出しており、アスキーアートキャラを用いた動画化によって人気コンテンツになっていた[93]

インディーズで発売された「日本語学校」のCDはプレミアがつくほどの貴重さで、新しいバージョンを追加し「ラーメンズの新日本語学校」として新たに発売された[94]
できるかな

「できるかな」はNHK教育できるかなパロディにしたコントで、本来は喋らないノッポさんが過激な発言をするという内容になっている[95]。ラーメンズのコントスタイルを決定づけた作品であり、初の単独ライブの開催へ踏み切るきっかけになった一本である[10]。小林は、業界独特の価値観を外側から観察して面白いと感じた部分をコントにしただけであり、業界を皮肉っているつもりはなかった[10]

2020年東京オリンピック開催直前に、コント中の「ユダヤ人大量虐殺ごっこ」というホロコーストをネタにしたセリフが問題視され、小林が五輪開閉会式ディレクターを解任された原因となった[96]。小林は謝罪コメントの中で、浅はかな方法だったと非を認めており、片桐も意識が低かったと謝罪コメントを出している[97][98]

歴史学者の濱田浩一郎東国原英夫カズレーザーらは、ホロコーストをネタにすることは不適切で許されるものではないと非難している[99][100][101]。一方、茂木健一郎はコントの文脈から問題部分を切り離して取り上げることに反対しており、太田光は解任は止む無しとしながらも、善と真逆の言葉を用いて「できるかな」という番組の偽善性を茶化すためのセリフだったと解説を付け加えている[95][102]
評価・影響

ラーメンズがシティボーイズイッセー尾形への尊敬を公言していることから、デザイナーの伊藤弘や高橋幸宏はその影響について論評している[37][76][103]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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