チャゼルは1901年創立のトロリーであるエンジェルス・フライトなど、まだ残る、あるいは失われゆく「古き良きロサンゼルス」を探した。このケーブルカーは修復および再開を目指していたが叶わず、2013年に脱線後廃止された。しかし映画製作チームは1日だけの使用許可を得ることができ、撮影の計画を立てた[30]。
ミアはチャゼルがハリウッドの記念碑と考える撮影所近くの喫茶店で働いている。ワスコは多くの作り物の映画ポスターを制作した。時折チャゼルはその映画の題名を考えており、1枚のポスターに1930年代のミュージカル映画として自身の第1作『Guy and Madeline on a Park Bench 』(2009年)の題名を使用している[30]。
6分間に及ぶ「A Lovely Night」のシーンは日没のマジックアワーの短時間に撮り終えねばならず、2日間かけ8テイク撮影した[34][16]。ストーンはこのシーンの撮影が成功した時について「皆とても盛り上がった」と語った[51]。ゴスリングもストーンもミュージカル俳優ではなく、特にシングル・テイクの長い曲などで多くのNGを出した。しかしチャゼルは彼らに同情的で、経験が少ないことに理解があり、ミスを全く気にしなかった[36]。セバスチャンとミアの最初のダンス・シーンで、ストーンはベンチの後ろでつまづいたが、すぐに立ち上がってそのまま撮影を続けた[36]。
約1年かけてチャゼルは編集技師のトム・クロスと共に編集を行った[28]。
音楽詳細は「ラ・ラ・ランド (サウンドトラック)」を参照
映画音楽はチャゼルのハーバード大学時代の同級生であるジャスティン・ハーウィッツが『Guy and Madeline on a Park Bench 』、『セッション』に引き続いて担当した[65]。ジョン・スティーブンス、ハーウィッツ、マリウス・デ・ヴリーズ(英語版)、アンジェリーク・シネルによって作詞された「Start a Fire」を除いて、ベンジ・パセック、ジャスティン・ポールが作詞を担当した。
2016年12月9日にインタースコープ・レコードによってハーウィッツの映画音楽とキャストによってパフォーマンスされた歌が収録されたサウンドトラックのアルバムがリリースされた。
映画冒頭(ラジオから流れて来る設定で)最初に聴こえて来るチャイコフスキー作曲の祝典序曲『1812年』はナポレオン失脚の切っ掛けにもなったフランス軍のロシア遠征を描く機会音楽である。武蔵野音楽大学の学生オーケストラをカールマーン・ベルケシュが指揮したHungaroton盤が使用され、OSTには収録無し。 2015年4月、ライオンズゲートからアメリカ合衆国での配給権を獲得したサミット・エンターテインメントは本作の北米公開日を2016年7月15日とした[40]。2016年3月、サミット・エンターテインメントは本作の北米での限定公開日を2016年12月2日に変更し、16日から拡大公開を開始すると発表した。これは第89回アカデミー賞をはじめとする賞レース参戦を念頭に置いての変更である[66]。 アカデミー賞の前哨戦で善戦したことを受けて、ライオンズゲートは2017年1月13日から本作をIMAXシアターでも上映すると発表した[67]。 日本では2017年2月24日より全国ロードショー公開された。公開に先立って監督のデミアン・チャゼルと主演のライアン・ゴズリングが1月に来日して記者会見を開き、その席でチャゼルは「1965年の日本映画『東京流れ者』(製作:日活、監督:鈴木清順、主演:渡哲也)を隠れたオマージュにした」旨を語っている[68]。興行収入はおよそ1週間後の同年3月2日に10億円を突破し、この年の公開作品で最速記録となった[69]。 第73回ヴェネツィア国際映画祭で上映された際には、極めて高い評価を受けた[70][71]。Deadline.comのピート・ハモンド
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