ラヴ・ネヴァー・ダイズ_(ミュージカル)
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しかし彼はまだ舞台化が可能とは思えなかった[14]。2007年初頭、ロイド・ウェバーの『ビューティフル・ゲーム(英語版)』の脚本家ベン・エルトンに連絡し、ロイド・ウェバーの当初のアイデアを基にした続編の物語形成の助けを求めた。エルトンの物語への助言は『オペラ座の怪人』のオリジナルの登場人物により焦点を当てたものとなり、ロイド・ウェバーとフォーサイスが作り上げた新たな登場人物は排除した[14]。ロイド・ウェバーはエルトンの助言に感謝し、続編製作に本格的に取り掛かった[13]。2007年3月、計画の進展を発表した[15]

2007年5月、『デイリー・メール』は、ロイド・ウェバーの生後6か月のターキッシュバンの子猫オットーが電子ピアノクラビノーバによじ登り、記憶されていた楽譜を全消去したため、として続編公開の延期を報じた。消去された楽譜を完全復旧することはできなかったが、最終的に再構築することができた[16][17]。2008年、ロイド・ウェバーは仮題として "Phantom: Once Upon Another Time" となること[18]、初演は毎年行われるロイド・ウェバーの「シドモントン・フェスティバル」となることを発表した。ラミン・カリムルーがファントム役、アリステア・ロビンスがラウル役に配役された[19]。2008年9月、ロイド・ウェバーの60歳を祝うBBCのコンサート『バースデイ・イン・ザ・パーク』にてロイド・ウェバーは題名を『ラヴ・ネヴァー・ダイズ』とすることを発表した[20]。他の読み合わせワークショップにてラウル役がアーロン・レイザー、クリスティーヌ役がエレナ・シャドウとなった[21]

2009年7月3日、ロイド・ウェバーは、『オペラ座の怪人』ウエスト・エンド公演でファントム役を演じたカリムルー、ラスベガス公演でクリスティーヌ役を演じたシエラ・ボーゲスが同じ役に配役され、メグ・ジリー役にサマー・ストラレン、マダム・ジリー役にリズ・ロバートソン、ラウル役にジョセフ・ミルソンが配役されたことを発表した[22][23]。『I'd Do Anything 』決勝出場者ニア・ペリーがフレック役に配役された[24]

ロイド・ウェバーは2009年秋にロンドン、ニューヨーク、上海で同時上演を予定していた[21][22][25]。2009年3月までに、彼はロンドンのアデルフィ・シアター、その後トロントのロイヤル・アレキサンドラ・シアター、2010年にブロードウェイのニール・サイモン・シアター、その後上海で上演することを決めた[25]。2009年8月から3ヶ月かけてロンドンにて主要3役のリハーサルが行われることとなった[25]。その直後、2009年10月26日にロンドン公演、11月にトロント公演、2010年2月に上海公演、その後オーストラリアのメルボルン公演が行われることが発表された[26]。もしトロント公演が成功すれば、ブロードウェイ公演が行われることとなった[27]。5月、ロイド・ウェバーが編曲をし直し、アルバムを再収録するためロンドン公演開幕が2010年3月まで延期された[28][29]。クリスティーヌのロボットによる特殊効果の技術的問題、同時期の公演のキャスティングの問題も延期の理由となった[22]。2009年10月までに、オーストラリア公演に集中するため上海公演は取り消された[30]

2009年10月8日、ロイド・ウェバーは1986年から『オペラ座の怪人』が上演されているハー・マジェスティーズ劇場で行われた記者会見にて、ボーゲスがクリスティーヌ役、カリムルーがファントム役に正式に配役されたことを発表した。カリムルーは報道陣、業界関係者、ファンに向けて "Til I Hear You Sing" および "The Coney Island Waltz" を歌唱した[31][32]。ロイド・ウェバーは2010年2月10日からロンドン公演プレビュー公演を行ない、11月11日からブロードウェイ公演を予定していることを発表した。しかしブロードウェイ公演はのちに延期され[33]、その後さらに無期限延期となった[34]。2010年1月からリハーサルが始まった[35][36]
音楽

『オペラ座の怪人』同様、『ラヴ・ネヴァー・ダイズ』でもロイド・ウェバーがその時代の様式の音楽を作曲した。コンセプト・アルバムから "Bathing Beauty" のみが残った。

架空のオペラ作品ではオペラ風に、ファンタズマでの音楽はバーレスクやコミック・オペラで演じられたサヴォイ・オペラなどの作品を基にして作曲された。バーレスク曲の多くは現存のフランス・オペラを基にしている。ヴィクトリア朝時代、人気オペラのほとんどがバーレスク化された[37]

ウィリアム・S・ギルバートのオペラ風バーレスク『悪魔ロバート』は、『オペラ座の怪人』のオープニングでに言及するジャコモ・マイアベーアのロマンティック・グランド・オペラ『悪魔のロベール』のパロディである。これらは下層階級にはとても人気であったが、通常のオペラを鑑賞する上流階級には浸透していなかった。イギリスの舞台史家のW・J・マクイーン・ポープによると:初心者向けの1幕物である。何もない舞台で演じられ、1階席および2階特等席から徐々に埋まる。これらの舞台は貴重な作品は少ない。彼らは若い俳優女優に名を上げる機会を与える。1階席およびボックス席の観客は前座劇を観るよりディナーの方が重要である。[38]

多くのバーレスク同様、『悪魔ロバート』は露出の高い衣裳を着た女性やズボン役がメインで登場する。オペラではこれらの役は脇役となる。クリスティーヌのオペラ2作目の役は『フィガロの結婚』の伯爵の小姓ケルビーノのようなズボン役であった。しかしバーレスクにおいてズボン役は主役になることもある。

これらの前座の多くは現存する情報がとても少ない。しかし1878年のコミック・オペラ『軍艦ピナフォア(英語版)』の前座は『Beauties on the Beach 』と呼ばれていた[39]


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