ラヴクラフト
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ハワード・フィリップス・ラヴクラフト(: Howard Phillips Lovecraft、1890年8月20日 - 1937年3月15日)は、アメリカ合衆国小説家[1]怪奇小説幻想小説の先駆者の一人[1]。生前は無名だったが、死後に広く知られるようになり、一連の小説が「クトゥルフ神話」として体系化された[1]

ラヴクラフトの創造した怪神、異次元の神、神話体系は世に広まり、現代のコリン・ウィルソンたちや「SF宇宙冒険物」に大きな影響を与えている[2][3]ゴシック小説エドガー・アラン・ポーなどの系譜に連なる、独特な恐怖小説や先駆的サイエンス・フィクション(SF)の作者として、近年顕著に再評価されつつある[4][5]
概要

ラヴクラフトは一生の間、ロードアイランド州プロビデンスに住み、昼はブラインドを降ろしランプを灯して、無気味な物語を書き続けた[2]。主な舞台はニューイングランド地方であり、入念な文体と悪魔的雰囲気で怪奇現象を描いた短編が高評価される[6]。当時流行したブラバツキー神智学に影響を受け、人間と異次元の怪物との抗争を好んで描いたといわれ、魚神ダゴンの巣食う奇怪な寒村の歴史を描いた「インスマウスの影」(1936年)などがある[2]

ラヴクラフトは怪奇小説でも随一だったが、発表誌の多くはパルプ・マガジンだったため、必ずしも文運に恵まれなかった[3]。無名のまま腎炎で死没したが、友人たちがアーカム・ハウス社を設立し、ラヴクラフトの作品集を出版したことで世に知られ出した[2]。そしていくつかのアンソロジーの遺作選集が出たことに伴い、絶大な人気を得た[3]

ラヴクラフトの作品はほとんどがパルプ雑誌で発表された、いわゆるパルプ作家の作品である上に、社会では忌避されがちな「死」「破滅」「狂気」などを強烈に描いている[7]にもかかわらず、世界中で読まれ続けている[7]。さらには彼が創出した作品世界は「神話」と呼ばれ、後続の作家たちに書き継がれている[7]。日本でも、彼の世界を用いた作品やアンソロジーを著す作家は多数見られる[7]
略歴

ロードアイランド州出身で早くから創作活動を始めていたが、病弱で大学進学を断念[3]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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