ラリー・サンガー
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これはいわゆる2000年問題に関心をもつ者のためのリソースサイトであった[18]

2007年から、サンガーはオンライン教育の可能性を検討し始めている。「一方的な伝達行為ではなく、脱中心的で、自己決定的で、非同時的で、完全にデジタルで、遠隔的にオーガナイズされる教育について考えてみた」と述べ、「いくつかの基本的なルールの他には強制力をもつ官僚的機構がなく、意思決定は完全に教師と学生の手によって行われるものになるだろう」と語っている[19]

『ミネソタ・デイリー』紙のインタビューで「アカデミックな世界にCitizendiumが寄与できると考えていますか」と問われ、「もちろんです。これは教師たちが学生に積極的に利用を勧め、学生がそこから信頼できる情報を得られるものになりうると考えています。多くの学生が何かについて調べる手がかりとしてWikipediaを使っていることは知っています。手がかりにすることは問題ないですし、実際にその用途では非常によくできたリソースになっていると思いますが、Citizendiumの査読を経た記事はWikipediaに載っている記事よりもいっそう信頼性の高いものになるとなるでしょう」と応えている[20]
オンライン百科事典
NupediaとWikipedia

Nupediaウェブ・ベースの百科事典で、専門家によって執筆された記事をフリーなコンテンツとして提供するものだった[21]ジミー・ウェールズによって設立され、ドット・コム企業Bomisの賛助を得た。編集主幹として雇用された[22]サンガーは、他の編集者を募り、記事のレビューのプロセスを考案した[21]。Nupediaの遅々とした進行に疑問を抱いたサンガーは[23]、2001年1月にウィキを用いて執筆編集作業を効率化することを提案する[24]。この提案を形にしたものが2001年1月15日に公式発足した英語版ウィキペディア(以下、単に「ウィキペディア」)である[25][26][27][28]

サンガーはNupediaの活動の中心的存在であったため、ウィキペディア立ち上げの際には先頭にたってプロジェクトを進行し、名付け親となり、基本的な方針の大部分の構想を行った。この中には「あらゆるルールを無視せよ」および「中立的観点」というポリシーも含まれている[29][30][31]。サンガーは2001年1月15日から2002年3月1日までの期間、ウィキペディアで唯一の報酬を受け取る編集者だった。2002年2月にBomis社がサンガーの給与支払いを停止するまでNupediaとウィキペディア双方で働くとともに宣伝活動も行い[31]、3月1日にNupediaの編集主幹およびウィキペディアのチーフ・オーガナイザーの職を辞した[32]。サンガーは両プロジェクトでボランティアとして参加することをやめた理由として、パートタイムのボランティアでは満足に参加することができないからだと語っている[32]。 Nupediaはその翌年閉鎖した[33]

2004年12月、サンガーはウェブサイトKuro5hinにおいて、「プロジェクト内部に社会的・政治的に有害な雰囲気が存在」しており、そのことも彼の離脱の原因となっていると述べた批判記事を発表した[34]。「ウィキペディアのメリットは十分に評価する」として「その使命と基本的なポリシー」はよく理解しており支持する、としながらも、このプロジェクトには深刻な問題があると述べている。彼によれば、このプロジェクトは信頼性において一般的な認知がなく、「問題のある人々、荒らし行為をする人々、そしてその機会を与える人々」に檜舞台を提供するものになっている。こうした問題(→ウィキペディアへの批判[35]は、このプロジェクトの「反エリート主義、換言すれば専門的知見に敬意を払わないこと」の帰結であると述べている[34]。この記事はブロゴスフィアにおいてさまざまな反響を呼び、ニュース・メディアでも取り上げられることとなった[36][37]
ウィキペディアの立ち上げについて

現在、ウィキペディアの事実上のリーダーを務めている[38]ジミー・ウェールズは、2004年以来、サンガーがウィキペディアの創設に参加したことを積極的に認めない言説を行っている[39]。サンガーは一職員であり[6]、ウィキペディアの共同設立に関しては「当初、同僚の中で(設立を)笑い話以外のものとして考えた者は一人もいなかった」とウェールズはいう[40]。一方、少なくとも2001年9月時点ではサンガーは共同設立人と認知されていた[41]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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