ラップ
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

1970年代以前の日本の曲の中にもラップのような事例もあるが[出典 34]、日本には昔から「五七調」や「阿呆陀羅経」「オッペケペー節」、トニー谷や、早口言葉のようなラップに似たリズムを持つ言葉遊びのようなものがあり[出典 35]、ラップの起源については諸説有るが、一般的に1970年代後半にニューヨークで生まれ[出典 36]、商業的にも初めて成功を納めたラップと言われるシュガーヒル・ギャングの「Rapper's Delight」のリリースが1979年9月16日であり[出典 37]、前述のように70年代のラップはアメリカでも音源がほとんどないとされ[出典 38]、ラップはすぐにはアメリカでも市民権を得られなかったとされることから[出典 39]、これ以前の日本に海外のラップの影響を受けたラップがあったとは考えにくい[24]。音楽ライター・二木信は「ラップは1980年代初頭にアメリカのNYから日本に輸入されたもの」と述べている[33]

1980年代以降、欧米ではラップをフィーチャーしたヒット曲が続々生まれた[31]

1984年3月25日発売のスーパー・エキセントリック・シアターのアルバム『THE ART OF NIPPONOMICS』に収録された「BEAT THE RAP」(作詞:高橋幸宏ピーターバラカン、SET、作曲・編曲:高橋幸宏)は、明らかにラップミュージックを意識して制作されていると評価される[26]佐野元春は1984年6月21日リリースのシングル「COMPLICATION SHAKEDOWN」、11月21日リリースのシングル「NEW AGE」でラップへの接近を試み[出典 40]吉幾三がアメリカのラップを参考にして制作した「俺ら東京さ行ぐだ」は、1984年11月25日にリリースされ、オリコンシングルチャート4位のヒットを記録した[出典 41]。また同年12月21日のシングル「涙のtake a chance」で、ブレイクダンスを導入した風見しんごは、1985年4月24日リリースのシングル「BEAT ON PANIC」で一部ラップを取り入れた。1980年代前半にラップミュージックを意識して制作された楽曲には他に、1984年のイラマゴ「TYOロック」がある[26]。但し1980年代前半の日本語ラップは「五七調」のような、いかにも日本的なリズムという評価もある[26]。以後ラップはJ-POPなど日本ポピュラー音楽にも取り入れられる手法となった。

いとうせいこう早稲田大学に入学してすぐ1980年か1981年くらいに極東放送(FEN)から流れてきた間のすごくあるビートの上に言葉が乗ってくるファンキーな曲を、まだラップとは知らなかったがカッコよくて認識はしていた[出典 42]、それで大学の「FEN研究会」でラップの真似事のようなことをやった[26]、また1982年12月にオープンした六本木インクスティック[39]、1984年10月にオープンした「クラブD」でDJをやっていた藤原ヒロシにステージに呼ばれ、マイクを持たされラップの真似事やった[26]、「それが初めてクラブから発生した日本語のヒップホップだったんじゃないかな」「スクラッチもヒロシとK.U.D.O.とか数人くらいしかできなかったと思う」等と話している[40]。いとうのラップを今日音源で確認できるのは1985年12月21日リリースされたアルバム『業界くん物語』となる[26]。いとうは「日本語ラップは80年代後半に生まれたもの」と述べている[39]。1980年代半ばから藤原ヒロシらがラップに取り組み[17]近田春夫1986年にビートに乗せてしゃべりまくるラップを始めて[41]、「日本語はロックに向かない」との定説に挑戦した[41]

アメリカではパブリック・エネミー、エリックb&ラキームといったヒップホップ・グループが続々登場し、エアロスミスのシングル「ウォーク・ディス・ウェイ」をヒップホップ・グループ・Run-D.M.C.カバー、1986年7月4日にシングルリリースして世界的に大ヒットした[出典 43]。Run-D.M.C.はこの年に来日している[25]。1986年に日本で初めてのヒップホップ専門のクラブ「HIP HOP」が渋谷にオープンした[25]。同店の当時のDJZOLA、こと長峰弘樹は「当時のヒップホップといっても一般的には馴染みが薄く、ジャンルとしても確立されたものではありませんでしたが、Run-D.M.C.の『ウォーク・ディス・ウェイ』のヒットにより注目を集め始めた頃でした。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:144 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef