ラップ
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また、「ラップする者」を意味するラッパー(rapper)は、1979年、ファットバックの「キング・ティムIII」やシュガーヒル・ギャングシングル「Rapper's Delight」[19] が話題になってから広まった呼称である。人によってはこの呼称を嫌がる者もいる。彼らはRun-D.M.C.が名付けたMC(microphone controller)という呼称を使用する。1981年ブロンディはシングル「ラプチュア(Rapture)[:en]」の中で間奏部分にラップを取り入れて、ビルボード1位、年間チャート19位のヒットを記録した[20]。グランドマスター・フラッシュの「ザ・メッセージ」は社会問題についてラップした作品として、話題になった[注釈 3]。1986年にはランDMCがビッグヒットを出して、1989年にはビッグ・ダディ・ケイン、デラ・ソウルらのソウル・ヒットにより、ラップは黄金時代を迎えた。

2018年1月8日にNHK-FMラジオ今日は一日○○三昧』第189回で「今日は一日“RAP”三昧」 が約10時間に亘り放送された[出典 10]。出演は宇多丸RHYMESTER)、高橋芳朗、DJ YANATAKE(DJ・ディレクター・音楽ライター)、渡辺志保(音楽ライター)、ゲスト:いとうせいこう、Bose(スチャダラパー)、Zeebra漢 a.k.a. GAMIBAD HOP[出典 11]、日米のラップ史40年が紐解かれ、書籍化もされている[出典 12]。まずラップの前段階としてヒップホップがあり、ヒップホップ発祥の地は、ニューヨークウエスト・ブロンクスのモーリスハイツ地区セジウィック通り1520番地で、ここはニューヨーク市の史跡保存局によって公式に「ヒップホップ発祥の地」として認定されているという[出典 13]ジャマイカからの移民クール・ハークがここで曲のドラムの間奏部分を繋げてブレイクビーツという技術を発明し[出典 14]、当初は同地区の公営住宅の中の娯楽室で開催されたパーティでそれが演奏され、若者がそれに合わせて踊った[出典 15]。さらに客を煽るため、クール・ハークはMCを雇い、MCがマイクを持ち、ユーモアを交えたりリズミカルな喋りで客を沸かした[出典 16]。これがラップの誕生[出典 17]。クール・ハーク、グランドマスター・フラッシュアフリカ・バンバータが初期のヒップホップDJ三強が技術を改良[出典 18]。当時はあくまでパーティという感覚で音源化するという発想はなく、レコードはなく、パーティの様子を録ったカセットテープが出回った[出典 19]。これに「ラップが今、若者に流行ってるらしいから、レコードを出せば儲かるんじゃない」と発想したソウルシンガー・シルヴィア・ロビンソンが、ラップが出来そうなピザ屋で働いている連中とかを適当に集めて作ったのがシュガーヒル・ギャングで[出典 20]、彼らの1979年9月16日リリースのシングル 「Rapper's Delight」が世界で初めてのヒップホップ/ラップのレコードの大ヒット曲になった[出典 21]

ヒップホップの起源は前述のように比較的明らかとされ[13]、クール・ハークこと、本名:クライブ・キャンベル発祥である[13]ジャマイカキングストン生まれのクライブが[13]、家族でアメリカニューヨークのブロンクスに移り住んでからその歴史がスタートした[13]。重要なのはジャマイカキングストンでは巨大なスピーカーが積み上がったサウンド・システム、ソマーセット・レインからスカレゲエが大音量で流れ、それに合わせて自分のなどを朗読したり即興の語りを披露したりするスタイルが日常的に行われていたことで[13]、これは、ジャマイカではトースティングと呼ばれる一つの音楽スタイルになっていた[13]。12歳だったクライブの耳には、キングストンの音響システムとトースティングの体験がくっきりと脳裏に残っていた[13]。アメリカ移住後にブロンクスのラジオから流れてくるロックディスコのDJカズン・ブルージーやウルフマン・ジャックなどにも影響を受けた[13]。クライブ・キャンベルは15歳でブロンクスでハウス・パーティを定期的に開催し、まだ誰にも知られていない存在ながら、DJクール・ハークを名乗り自らDJを始めた[13]。DJクール・ハークのパーティーの評判は次第にブロンクス中に広まり、やがてジャマイカの移民仲間であるコーク・ラ・ロック、DJクラーク・ケントの3人で「ハーキュロイズ」を結成[13]。ジャマイカで体験したサウンドシステムをベースに、曲中のリズム・セッションやパーカッションだけのブレイクの部分を「メリーゴーラウンド」と呼ばれるテクニックで延々と引き延ばした[13]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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