列車やバスと同様に、航空機にも機体をラッピングする広告が施されることがあり、『アドカラー』と呼ばれる。特に運賃以外での収益拡大が求められる格安航空会社などでこの傾向が顕著である。
日本でもスカイマークエアラインズ(現:スカイマーク)など新規参入会社で、初期の頃に機体全体を使った広告機[12][13][14] が存在したが、2015年時点で機体全体を使用した広告塗装機は日本には存在していない。
機体広告は、機体が大きいだけに塗装費用が膨大になり広告料が高くなるわりには、飛行中は広告を見てもらえない、あるいは見えても小さすぎる、また空港に駐機中も空港に来る人の中で一部の人にしか見てもらえないなど、宣伝効果が小さいため広告主が少ない現状にある。
純粋な広告とは言いにくいが、航空会社と外部企業などとの提携によるイベント的な塗装(オリンピックやFIFAワールドカップなど国際的なスポーツイベントに関連するもの、ポケットモンスター、ディズニーなどのキャラクターをあしらったものが多い)がされることがある。
機体に直接塗装する方法と、あらかじめ印刷されたフィルムを貼る方法があり、ANAの『お花ジャンボ』は塗装で18日間かかった。フィルムは住友スリーエムが大手メーカーで、『JAL悟空』はフィルム210枚を使用している。
フィルム貼り付けの場合、飛行中は空気抵抗のほかに気圧や温度の変化で機体が膨張・収縮するためフィルムが緩む・裂ける・剥がれることから採用されることは少ない。採用されても空気抵抗や機体の膨張・収縮の影響が小さいところに部分的に用いられる。
エアレースなどスカイスポーツにおいても、自動車レースと同様にスポンサーのロゴやチームカラーに塗装した機体が多い。 機体を広告として用いるもの、またはある特定のキャンペーンの一環として塗装されるもの。
広告型・キャンペーン連動型
東亜国内航空→日本エアシステム
DC-9 『キャプテン・ハーロック』(1982年7月 )映画「キャプテン・ハーロック わが青春のアルカディア」の公開キャンペーン。ミステリーツアーとして目的地を事前に明かさず、広告機で鹿児島空港まで飛行し、種子島でのキャンプを行うという企画が実施された。
エアバスA300 『ポカリスエット号』(1997年9月)日本初の本格的な旅客機ラッピング広告展開、1998年11月運航終了。
スカイマーク
ボーイング767(1998年-2004年)Yahoo!JAPAN、ディレクTV、J-PHONE、ヤマト車検、usen、マイクロソフトといった全面広告デザインを実施。
ボーイング737(2016年-)阪神タイガース、福岡ソフトバンクホークス、B.LEAGUE、北海道日本ハムファイターズ、ヴィッセル神戸といったプロスポーツチームのラッピングを実施。
AIRDO ボーイング767・ボーイング737旧塗装時代に前方部に「試される大地北海道」「世界一夜景の美しい街 はこだて」「あ、雪の匂い あさひかわ」「世界自然遺産知床」といった北海道内の自治体PRロゴを入れたほか、2000年にはじゃらんによる大型広告「北海道へ行こう!」デザインを実施。また1999年からは機体中央から後部にかけての上方にカルビー・白い恋人・NTTドコモ・じゃらん北海道・ほしのゆめ・きらら397・SSAWS・札幌ドームといった複数の企業広告ロゴの掲出を行い2003年から2005年の白い恋人のみのデザインを最後に消滅、新塗装後も「元気です北海道」「旭川空港50周年記念」の自治体広報ロゴを期間限定で入れている。
ソラシドエア ボーイング737(2012年 - )地域振興・機体活用プロジェクト「空恋?空で街と恋をする?」として九州・沖縄の市町村のPRを行うラッピングステッカーを施している。
ピーチ・アビエーション エアバスA320(2016年 - )フォルクスワーゲン・ザ・ビートル、ケツメイシ、艦隊これくしょん -艦これ-、2025年大阪・関西万博誘致、かんぽ生命等といったラッピング広告を機体後方に展開。