ラスベガス
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ラスベガスは東海岸ニュージャージー州アトランティックシティと並んで、カジノなどのギャンブルで有名である。また、ラスベガスを含むネバダ州法人税・個人所得税などが無い上に、他の税金も非常に税率が低いため、シティグループを始めとする大企業が進出していることでも知られる。
歴史詳細は「en:History of Las Vegas」を参照
発見

1820年代後半にソルトレイクシティからカリフォルニアを目指すモルモン教徒によって発見された。ネバダ砂漠の中にあってこの付近は窪んだ地形となっており、オアシスとなっていた。ベガとはスペイン語で「肥沃な土地」を意味する女性名詞[3]、ベガスはその複数形である。これに女性定冠詞(複数形)を付けてラスベガスとなり、それが固有名詞となった。
ゴールドラッシュと鉄道の開通

1840年代末に現在のカリフォルニア州でが発見され、ゴールドラッシュが起こると、カリフォルニアに向かう砂漠の中の貴重な中継地点として定住する者が現れた。1905年5月15日にラスベガスが設立され、同年にユニオン・パシフィック鉄道の開通に伴って、水の便の良いラスベガスは蒸気機関車の給水地となり、現在のダウンタウンに駅が造られた。
フーバーダムの建設

金鉱ブームも去った頃、1929年株式大暴落に端を発した大恐慌が起り、さしたる産業の無いネバダ州では、税収確保のため1931年3月19日に賭博を合法化した。1931年に近郊(街の南東48キロメートル)にフーバーダムが着工され、ルーズベルト大統領のニューディール政策の時代の1936年に完成した。労働者の流入と安価な電力の供給で、街は大きく発展した。1940年代に入るとダムから得られる豊富な電力を利用して、第二次世界大戦中にはネバダ砂漠に軍事基地核実験場(ネバダ核実験場)が続々と建設され、その関係者が町に住むようになった。
「カジノの都」ラスベガス・ストリップの南側にある「Welcome to Fabulous Las Vegas」の看板

第二次世界大戦終結後の1946年ベンジャミン・シーゲル(バグジーとして知られる)がフラミンゴホテルを建設し、カジノが収益を上げることが判ると、マフィアが続々とホテルを建設するようになり、それらのホテルは同時に集客のためにフランク・シナトラサミー・デイヴィス・ジュニアリベラーチェなどのショーを定期的に行うようになった。街の建設資金は大半をモルモン教徒が融資した。

しかし1960年代後半頃から当局の取り締まりが厳しくなるにつれてマフィアは次々とホテルの経営権を手放すようになり、合法的な不動産会社、ホテルチェーン、ハワード・ヒューズのような大富豪などがこれらのホテルやカジノの経営権を引き継いだ。
ホテルラッシュ

その後も資金融資などの形で限定的なマフィアの介入はあったが、ゲーミング・ライセンス(カジノ開設・運営の権利を定める一連の州法など)の厳格化に伴いその影響力は漸減し、1990年代にはほぼ払拭されたと考えられている。それに伴って投機ブームが起こり、より広い土地が必要となったこともあって市街は南方に大きく拡張した。そして1980年代の末頃から巨大テーマホテルブームが起こり、現在に至っている。また、この頃より各ホテルの広大な敷地を使ってのコンベンションなどが多数開かれるようになった。なお客室数ベースで世界の12大ホテルのうち11軒がラスベガス地区に存在する。ホテルが多い理由の1つとして、一定規模以上のカジノの建設は、客室数200室以上のホテルの付帯施設としてしか認可されないことが挙げられる。
新型コロナウイルス感染症の影響

2020年に入ると全米で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が拡大して各都市に外出禁止令が発出された。ラスベガスも影響を避けられず、同年3月15日に目抜き通りに並ぶ数々のカジノやホテルが一斉に営業を休止すると発表した。このため4月に開催予定であったNFLドラフトの一般参加イベントが中止されたほか[4]、5月に予定されていたアメリカ最大の旅行商談会IPW2020も中止された[5]
地理ラスベガス地域周辺の典型的な砂漠

ラスベガスは北緯36度11分39秒、西経115度13分19秒(36.194168, 115.222060)[6]に位置している。

アメリカ合衆国統計局によると、この都市は総面積293.6km2(113.4 mi2)である。このうち293.5km2(113.3 mi2)が陸地で0.1km2(0.1mi2)が水地域である。総面積の0.04パーセントが水地域となっている。に囲まれたネバダ砂漠の中の盆地に市街地が広がっている。北西に約105キロメートルの距離にはネバダ核実験場がある。行政的にはラスベガス市は現在ダウンタウンと呼ばれる地域一帯のみで、一般にラスベガスとして知られているのは、ラスベガス市を含むクラーク郡(ラスベガス都市圏)である。
気候

ケッペンの気候区分では砂漠気候(BWh)に属する。夏は暑く、日中の気温は40度を超えるが、湿度10パーセント以下と非常に乾燥しているのでそれほど不快ではない。一方、冬は冷え込みが強く、気温が氷点下を記録する日もある。

ラスベガス(マッカラン国際空港)の気候
月1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年
最高気温記録 °C (°F)25
(77)31
(87)33
(92)37
(99)43
(109)47
(117)47
(117)47
(116)45
(113)39
(103)31
(87)26
(78)47
(117)
平均最高気温 °C (°F)14.4
(58.0)16.9
(62.5)21.3
(70.3)25.7
(78.3)31.6
(88.9)37.1
(98.7)40.1
(104.2)38.9
(102.0)34.4
(94.0)27
(80.6)19.1
(66.3)13.7
(56.6)26.7
(80.1)
平均最低気温 °C (°F)4.1
(39.4)6.3
(43.4)9.7
(49.4)13.4
(56.1)18.8
(65.8)23.7
(74.6)27.2
(80.9)26.3
(79.3)21.7
(71.1)14.7
(58.5)8.1
(46.5)3.7
(38.7)14.8
(58.7)
最低気温記録 °C (°F)?13
(8)?9
(16)?7
(19)?1
(31)3
(38)9
(48)13
(56)12
(54)6
(43)?3
(26)?9
(15)?12
(11)?13
(8)
降水量 mm (inch)13.7
(0.54)19.3
(0.76)11.2
(0.44)3.8
(0.15)3
(0.12)1.8
(0.07)10.2
(0.40)8.4
(0.33)6.4
(0.25)6.9
(0.27)9.1
(0.36)12.7
(0.50)106.5
(4.19)
降雪量 cm (inch)2.3
(0.9)0.3
(0.1)0
(0)0
(0)0
(0)0
(0)0
(0)0
(0)0
(0)0
(0)0.3
(0.1)0.3
(0.1)3.2
(1.2)
平均降水日数 (?0.01 in)3.14.02.91.61.20.62.52.61.61.71.73.026.5
平均月間日照時間244.9248.6313.1345.0387.5402.0390.6368.9336.0303.8246.0235.63,822
出典1:NOAA(extremes 1937?present)[7]
出典2:HKO(sun only, 1961?1990)[8]

人口動勢

2000年現在の国勢調査で、この都市は人口478,434人、176,750世帯および117,538家族が暮らしている。人口密度は1,630.3/km2(4,222.5/mi2)である。649.9/km2(1,683.3/mi2)の平均的な密度に190,724軒の住宅建っている。この都市の人種的な構成は白人69.86%、アフリカン・アメリカン10.36%、先住民0.75%、アジア4.78%、太平洋諸島系0.45%、その他の人種9.75%および混血4.05%である。


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