ラジオ
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太平洋戦中は規制されており、戦後に主流となる。
ダイレクトコンバージョン
受信した周波数に近い高周波を発生させ、直接、音声信号を取り出す。近年、技術革新により安定して高周波を作り出すことが容易となり、中間周波数に変換する部品が省け小型化できるメリットから携帯電話などに盛んに用いられるようになった。
デジタル信号処理(DSP)
受信した周波数を一定の周波数(中間周波数)に変換し増幅・復調をデジタル信号処理して再びアナログ信号に変換してから音声信号を取り出す。近年、ソフトウェアラジオなどに用いられている。
チューニング方式による分類

チューニング(tuning、同調、選局)方式による分類は以下の通りである。
アナログ
アナログラジオ回路の例可変容量コンデンサ(バリコン)や可変インダクタンス(μ同調器)やバリキャップと可変抵抗、などで選局するもの。大まかに振られた目盛りを頼りに(「コリンズ」のように精密なものもあるが)選局する。昔からあるタイプ。
デジタル表示式アナログ
同調回路はアナログと同様であるが、デジタル表示の周波数カウンタが内蔵されたもの。デジタルのように周波数を数字で確認しながらの直感的な選局が可能だが、テンキーやメモリによる選局は出来ない。また、中間周波の周波数をカウントし定数を足して(または引いて)受信周波数として表示するものであるから、調整がズレていると正確ではない。PLLシンセサイザが安価になる以前に、高級機やBCLラジオなどで採用が見られたが、次に述べるデジタル式の普及により1980年代末期にはほとんど見られなくなった。しかしPLLシンセサイザは消費電力が多くコスト高になるため、この方式を選択した商品が近年に入り再度見られるようになってきている。2018年から発売された中国製マルチオーディオプレイヤーの複数の機種(Bearmax、とうしょう など)は、これで表示されている。
アナログ表示式デジタル
2021年、東芝エルイートレーディングはデジタル表示の周波数カウンタは備わっていないが、手回しで選局するタイプのデジタルチューナーラジオを発表した[7]。FMのみならずAMにも同調表示が出現する。
デジタル(PLLシンセサイザ
基準周波数を元に、一定ステップの周波数を合成して同調回路を構成するもの。高級機や、近年は薄型機にも多く使われる。民生機では1970年代後半頃から登場している。オート選局機能が備わったラジオもある。
形態による分類

厳密な線引きは必ずしもないが、形態によりおおよそ以下に分類できる。
大型
部屋などに置いて使う大型のもの。
真空管時代は殆どこれに属する。コンポーネントオーディオとして製品化されたチューナーの一例。AM放送とFM放送に対応している。周波数を選択するためのダイヤルや、信号強度、同調の具合を示す計器などが付属している(SANSUI製 TU-307)。
チューナー
コンポーネントオーディオのコンポーネントのひとつ。ラジオの受信機能のみ。アンプを通してスピーカーを鳴らす。
ポータブル
VHSカセット - タバコの箱位の大きさ。乾電池で動作可能。真空管時代にも電池管という電池で動作するミニチュア管やサブミニチュア管を使い、数十ボルト程度の積層乾電池を用いたものがあったが、消費電力の少ないトランジスタの登場により電池管ラジオは急速に衰退し、代わってトランジスタラジオが急速に普及していった。
薄型
シャツの胸ポケットに入る程度のもの。スピーカーを内蔵していないイヤホン専用のものもある。
受信周波数による分類
1バンド
多くは中波(530 - 1605kHz)AMのみ、またはFMのみの製品で、安価な
携帯ラジオやライトバン・トラックなどの商用車のカーラジオに多い。その他、ラジオNIKKEI受信専用の短波ラジオも市販されていて(受信周波数が固定されておりスイッチ切り替えだけで済む代わり、周辺の局を聴くことは出来ない)、数は少ないが、製造は続いている。近年はチップセットに実装されたFM放送受信音声出力機能を使用可能にした携帯電話機(特にスマートフォン)がある。
2バンド
中波+FMが多い。アナログチューニングの機器のFM受信周波数範囲は76 - 108MHzまでのものが主流である。FM放送の周波数範囲は76 - 90MHzだったが、隣接する周波数帯を利用するアナログテレビ放送1チャンネルから3チャンネルまでの音声を受信することを想定して108MHzまで受信できるように設計されていた。しかし、アナログテレビ放送の終了した2011年7月以降は90MHzまでのラジオが増えてきた。その後、2015年頃からFM補完中継局用にFM放送の周波数割り当てが拡大されたことにより108MHzまで、あるいはFM補完中継局の当初の割り当てである95MHzまで受信できるものが再び出始めている。FMステレオが受信できるものや、わずかではあるがFM・AMともにステレオで受信できるものがある。デジタルチューニングのうち、一部の携帯ラジオやラジカセなど90MHz以降が「テレビ(TV)1ch - 3ch」のようにチャンネル(音声周波数)が決まっているものは海外では受信できない。なお、FM放送開始以前の1960年代前半[注 3]までは中波+短波(3.9 - 12MHz)が多かった。現在でも、中波+短波(ラジオNIKKEI受信用)のラジオは市販されている。中波+FMのホームラジオ、ポケットラジオ、クロックラジオは2019年以降も新製品がどこかのメーカーから投入され、需要に衰えがない。
3バンド
3バンドラジオかつては中波+FM+テレビの1 - 12chの音声が受信できるもの、または中波+FM+短波の3バンドを搭載したホームラジオが多く市販された。中波+FM+複数の周波数域の短波(3.9 - 12MHzが主であるが、メーカーによってはBCL向け短波ラジオとして、それよりも上の22MHz、あるいは30MHzまでの後述「4バンド以上」に準じたものもある)が、現在OEMの形態で市販されている。現在は中波+FM+短波(ラジオNIKKEI受信用)のラジオが市販されているほか、2012年に入ってからは中波+FM+テレビUHF(ワンセグ)の音声が受信できるラジオも、少数市販されている。短波を搭載した3バンドラジカセ、という商品もかつてはあったが、現在では希少な存在になっている。
4バンド
4バンドラジオ中波+FM+短波放送のバンド75 - 13Mの各バンド、あるいは長波・中波・短波の150 - 530 - 30000kHzを連続受信可能な、「ゼネラルカバレッジ」と呼ばれるもの。2019年現在の日本ではAIWAほか。他にはソニーのICF-890V(生産終了)や、一部のラジカセなどで中波+FM+テレビVHF(1 - 12ch)+テレビUHF(13 - 62ch)というタイプもあったが、1 - 3chを除く(ハワイ及びアメリカ本土では88 - 108MHzまでが放送バンドである。超短波放送参照)VHFバンドとUHFバンドは2011年7月24日(岩手・宮城・福島の各県は2012年3月31日)に地上デジタルテレビ放送への完全移行による地上アナログテレビ放送の終了で受信できなくなるため生産が打ち切られ、中波+FM+テレビVHFの - 12chの音声が受信できる3バンドラジオや中波+FM+短波(ラジオNIKKEI受信用)+テレビVHFの4バンドラジオも同様の理由で生産が打ち切られた。このため4バンドラジカセは絶滅した。厳密な意味の4バンドとは、FM+中波+短波+長波を搭載したラジオを指す。他のメーカーで5バンド以上を謳う社は存在するが、短波を周波数帯で細かく割っている[8]だけである。
5バンド
中国のメーカーTECSUN、XHDATA、RADIWOWには中波+FMステレオ+エアバンド+長波+短波の5バンドに対応しているものが複数発売[9][10][11]されており、流通量は少ないが入手は可能である。日本メーカーの5バンドはELPAの2014年発売機種のみ入手できる[12]
ワイドバンドレシーバ
基本的に無線電波通信広帯域受信機で、ラジオ放送・TV放送以外の業務用無線電波通信などの受信再生に対応し、受信可能電波帯域が広いだけでなく、多様な変調方式にも対応する事を目指している。前述の「ゼネラルカバレッジ」の概念を更に押し広げた物である。バンド数というより、対応広帯域バンドの一部が技術的理由で途切れているか、自主規制でマスクされていると理解すべき。
通信用受信機

送信機と組にする無線設備としての性能を重視したもので、外観としてはチューニング・ダイヤルが大きく操作しやすい、読みとりやすい周波数目盛りがあるかデジタル表示になっている、感度や選択度を可変できるつまみ類が付いている、電波型式を切り替えるスイッチがある、外部アンテナ端子があるなどの特徴がある。ただし必ずしもこれらすべてを満たしているとは限らず、また機能が豊富なものではよりたくさんのつまみ、スイッチ、接続端子を備えているものもある。一般に「レシーバー」とも呼ばれ、ラジオ放送帯域外にも対応する事が多い。出力音質は重視されない事が多い。
歴史
無線電話の始まり

1900年、歪みはひどいものの世界で初めて電波[注 4]に音声を乗せることに成功したのは、カナダ生まれでエジソンの会社で技師として勤めたこともある電気技術者レジナルド・フェッセンデンであった。これが無線電話の始まりである。

フェッセンデンは引き続き、ヘテロダイン検波方式や、電動式の高周波発振器を開発して改良に取り組み、1906年12月24日に、アメリカ・マサチューセッツ州の自己の無線局から、自らのクリスマスの挨拶を無線電話で送信した。フェッセンデンはこの日、レコードヘンデル作曲の「クセルクセスのラルゴ」と、自身が演奏するヴァイオリンと歌唱で“O Holy Night”をそれぞれ流し、聖書を朗読した。この実験はあらかじめ無線電信によって予告されたもので「世界初のラジオ放送」であっただけでなく「最初のクリスマス特別番組」でもある。フェッセンデンは「史上初のラジオアナウンサープロデューサー」と言える。
ラジオ放送の始まり

しかし、ヒューゴー・ガーンズバックが1905年11月より一般人向けて通信販売を始めた大衆無線機「テリムコ」の受信機は電波から音声を復調できないコヒーラ検波器[注 5]によるものである。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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