ラジオドラマ
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このほか映画関係者によって『ハリウッド・プレミア』、『アカデミー賞シアター(英語版)』、『ドレフト・スター劇場(英語版)』、『ハリウッド・スタータイム(英語版)』、『映画監督劇場(英語版)』などのラジオドラマの番組が設けられた[1]
日本

日本では、単に演劇の音声を放送波に乗せた、という意味でなら、1925年のラジオ放送の開始と同時にその歴史が始まったといっていい。声優#ラジオドラマ参照。試験放送の第一日目(3月1日)および本放送の第一日目(3月22日)には、来日中だったイタリア歌劇団(正式名称不明)による『フィデリオ』『リゴレット』『魔笛』の歌唱部分がそれぞれ放送されている[2]。また、試験放送期間中の3月11日には、活動弁士の熊岡天童が「映画物語」と称して、『噫無情』をひとりで演じている[2]。同年7月12日、5代目中村歌右衛門5代目中村福助3代目中村時蔵らが坪内逍遥作の歌舞伎桐一葉』の一部を「ラジオ劇」と称して演じた[3]。その翌週には、新派井上正夫初代水谷八重子による『大尉の娘』が放送された[3]。いずれにせよ、これらの「ラジオ劇」は舞台の演技や演出をそのままスタジオ内で再現しただけのもので、演出には改良の余地があった。

日本において、初の「本格的ラジオドラマ[4][5]」とみなされているのは、同年8月13日[3]放送の『炭坑の中』である。イギリスのBBCで放送されたリチャード・ヒューズ脚本の『危機』を小山内薫が翻訳し[6]、小山内率いる築地小劇場のメンバーが出演した[3]。本格と評されるゆえんは、聴者に臨場感をもたらす音響効果がふんだんに用いられるという、現代に通じる演出要素が備わっていたことである。この演出は、築地小劇場の舞台音響を担当していた和田精が担当した[5][6]。和田は、日本の演劇における音響効果の第一人者であり、それまでに様々な装置[6]を開発するなどした実績を持ち、ラジオスタジオにおいてその技術を応用した。

『炭坑の中』の放送では、前説でアナウンサーが「電気を消してお聴きください」と言うと、当時のNHK局舎のあった愛宕山から見える町の明かりがポツリポツリと消えていったという逸話が残っている。

『炭坑の中』は大きな反響を呼び、ラジオドラマが放送のコンテンツとして重要な位置を占めると確信した社団法人日本放送協会は、主要な小説家に500円の原稿料を与え(当時の500円は1930年換算で現在の約100万円である)単発作品の脚本執筆を次々に依頼した(これらは俗に「500円ドラマ」と呼ばれた[3])。演劇界では、これに呼応する形で上述の井上、小山内や、長田幹彦らを中心に「ラジオドラマ研究会」が結成された[3]。1950年代には、中村真一郎花田清輝のような、いわゆる純文学に属する作家たちが多くラジオドラマを手がけ、単なる台詞を語るのではなく、音楽も含めた抽象的な表現の可能性を探った。この試みは外国からも注目され、東ヨーロッパ諸国の放送局では、中村たちの脚本を翻訳して、放送したり、研究材料にしたりしたという。

NHKではラジオドラマ専門の俳優である「ラジオ俳優」を養成して、東京放送劇団を発足させ、これが声優の始まりとされている。1970年代後半に始まる第2次声優ブームに、ニッポン放送などの民間放送が呼応し、漫画アニメーションコンピュータゲームなどを原作としたメディアミックス展開をなすコンテンツとしてのラジオドラマが盛んに制作されるようになった。2000年代中期以降は、漫画やゲームを原作とする作品がアニメ化される際、その前段階にラジオドラマが制作される傾向がある。

近年、いわゆるネット声優と呼ばれるアマチュアによる、インターネット上に限定して公開されるオリジナルオーディオドラマが作られるようになっており、それらは同人文化のボイスドラマの一環であるといえる。
技術
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