ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日
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製作

アン・リーが監督し、デヴィッド・マギーが脚本を執筆した。脚本はヤン・マーテルの2001年の小説『パイの物語』を原作としている。リーに決定する以前に多数の監督や脚本家に声がかかっていた[8]。フォックス2000ピクチャーズ重役のエリザベス・ゲイブラーは2003年2月に『パイの物語』の映画化権を購入し、ディーン・ジョーガリスが脚本執筆のために雇われた。10月、フォックス2000はM・ナイト・シャマランを監督とすることを発表した。シャマランは特に小説の主人公が自分と同郷のポンディシェリ出身であることに魅了された。シャマランは『ヴィレッジ』の作業を終えた後に本作に取り組むつもりであり、また、ジョーガリスに代わって脚本家も兼任し、新たな脚本を執筆した[9]。だが最終的にシャマランは『ヴィレッジ』の後に『レディ・イン・ザ・ウォーター』を監督する道を選び、フォックス2000は別の監督を探し始めた。2005年3月、新監督としてアルフォンソ・キュアロンとの協議が始まった[10]

キュアロンが『トゥモロー・ワールド』の監督に決定すると、フォックス2000は2005年10月にジャン=ピエール・ジュネを雇った。ジュネはギョーム・ローランと共に脚本を執筆し、2006年中頃にインドで撮影を始める予定であった[11]。ジュネは最終的にプロジェクトから外れ、2009年2月にアン・リーが雇われた[12]。2010年5月、リーとプロデューサーのギル・ネッターは製作費に7000万ドルを要求し、スタジオが尻込みをしたためにプロジェクトが短期間保留された[8]

サバイバル技術のコンサルタントとして、実際に漂流経験があるスティーヴン・キャラハン(『大西洋漂流76日間』の著者)が起用されている。

脚本執筆にはデヴイッド・マギーが雇われ、リーは数ヶ月にわたってパイ役の俳優を探した。3000人に及ぶオーディションを行った結果、2010年10月にリーはパイ役に17歳学生で新人俳優のスラジュ・シャルマを選んだ。スラジュは泳げなかったが、空手とインドの伝統音楽を習得していたことと、その純粋で素朴な表情が気に入られた。ガールフレンド役も新人で、実際にインド伝統舞踏の学校に通う生徒である。撮影は2011年1月より台中市墾丁国家公園インドで開始された[13]。2012年9月、リーは国際色豊かなキャストにするという理由からトビー・マグワイアの出演箇所をカットした。マグワイアが演じたヤン・マーテルはレイフ・スポールに代わり、再撮影が行われた[14]
ロケ地

主に台湾とインドで撮影された。

台湾台北市の動物園

海洋でのシーンは台中市の古い飛行場に、各種の波を再現できる装置を備えた超大型(長さ70m、幅30m、深さ4m)の撮影用タンクを設置して撮影し、CGで空や水の動きを合成した。

台湾屏東県墾丁国家公園。同県はアンの故郷でもあり、公園内に手つかずのベンガルボダイジュ林が残されていることを聞き付け、撮影に採用。

インド・ポンディシェリポンディシェリ連邦直轄領)。元フランス領で、美しい教会が数多くあることで知られている。撮影されたのは主人公が通う学校のシーンである。

カナダケベック州モントリオール

CG

CG制作は、アメリカの
リズム&ヒューズ・スタジオ(R&H)が行なった。同社が手掛けたナルニア国物語を見て、リー監督が発注したもの。ナルニアのライオンよりリアルにしたいという依頼に、アーティスティックな仕事ができることにR&H社は喜び、調査研究と体制作りに一年かけたのち、制作に入った。


劇中に登場するベンガルトラは86%ほどがCGで作られており、人物や動物と同時に映らない、演技を要求されないシーン限定で本物のトラを用いて撮影を行った[15]

下記に述べられる通り興行が成功し、アカデミー賞にもノミネートされた品質の高さにもかかわらず、リズム&ヒューズは本作のオスカー受賞直前に倒産。受賞が決まった翌月に本作の制作費の6分の1に満たない金額で売却され、事業縮小と経営母体の変更を経て現在に至る。

公開

北米では2012年11月21日に3Dと2Dの両方で公開。元々は2012年12月14日を予定していたが、『ホビット 思いがけない冒険』が同日であったために1ヶ月前倒しされた[16]
興行収入

北米で11月21日水曜日に公開され、25日日曜日までの5日間で3057万ドル、23日?25日の週末3日間で2245万ドルの興行収入を記録し、初登場は5位であった[17]


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