間崎万里によれば、かつて日本ではドイツ語のライヒ(Reich)や英語のエンパイア(Empire)が日本語の「帝国」と同義語であると考えられていた[10]。そのため、ドイツ国が革命によって帝政から共和政へ移行した後も英語ではドイツ国を指して The German Empire の語が用いられていることについて、「共和国を指してエンパイアとは一体どういうわけか」と不審がる声があったという[11]。そもそも英語の「エンパイア」やフランス語の「アンピール」には「皇帝の治める国」という意味はないのだが[12]、これらの語を「帝国」と訳して「皇帝の治める国」と理解する癖のついていた人々にとっては不審に思えたのも無理ならぬことであったろうとしている[10]。
美濃部達吉は「Reichsrat(ドイツの国会)」「Reichskanzler(ドイツ国首相)」などの「Reich」がつく単語を「国」と訳して「国会」「国宰相」と表記し、土橋友四郎
は「独逸国」と訳して「独逸国議会」「独逸国宰相」などと表記した[13]。ドイツ史学者の千葉敏之は、ライヒを無理に「帝国」や「王国」と訳すのではなく、ただ「ライヒ」と呼ぶべきだとしている[14]。他には、ライヒを「全国」「帝国」と訳す場合や、例えば Reichskanzler を単に首相と訳すように、あえて「ライヒ」の語を訳さない場合もある。典拠管理データベース: 国立図書館
⇒イスラエル
アメリカ